私と暮らす父の朝は毎日、7時におはようと声をかけ、ベッドで横になっている父のオムツ交換から始まる。

 

 下半身の更衣を済ませ、右足の関節可動域を確認して、それからベッドのモーターを利用して、父の上半身を起こすのである。

 

 この時、父の右足をベッド下に垂らしてやることで、父は姿勢を保持しやすくなるが、それでも、介助者の力を借りなければ、完全に保持することは出来ない。

 

 起床時には、ベッドが尿で汚染されている事もあるので、父の衣類の洗濯は、毎日起床後に行っている。

 

 洗濯機が回ってる間に父の洗面や食事介助、歯磨きなどを済ませ、洗濯物を干してから父と共に家を出るというのが私の日常だ。

 

 4か条付き内服薬のタイミングを考えた時、内服後の30分待機を父の朝食前の身支度時間に被せたいと考えたが、横になる事も許されない30分なので、内服は父を完全に離床させ、安定した座位姿勢、つまりは車椅子に移乗させてからでなければならなかった。

 

 上半身を起こして更衣を済ませ、車椅子に移乗させた父に、このタイミングで内服させる。

 

 そうすれば、安定した座位姿勢で30分経過するのを待つことが出来る。

 

 待っている間に、洗濯機も回るし、準備したての熱くて飲めないみそ汁もいい具合に冷めるというものだ。

 

 父は退院後、経口摂取も順調に経過していたので、食事も3食、内服薬も3回、全て経口から摂取していたが、4か条付き内服薬は、その条件に多量の水分で内服するという決まりがあり、そうなると誤嚥のリスクもあり常にとろみをつける必要のある父には無理というもの。

 

 こんな時、本当に胃瘻があって良かった~と思うのである。

 

 胃瘻から注射器で例の薬を流し込む時も多量の白湯に溶いて、ゆっくりと流し込む必要があった。

 

 水分で少し空腹が解消されるかもと思いながら、30分待機時間が良い具合に再び空腹にしてくれるだろう。

 

 こうして段取りを頭の中でイメージトレーニングしながら考え、現実世界でいざ実施。

 

 初めての作業はなかなか手際良くはいかないものだ。

 

 特に不手際があった訳ではないが、やはり懸念したように、朝食の食べっぷりは今一つになってしまった。

 

 普段から活動量としては、自分の足で歩く訳でもないので、たいして体力的に消耗はしない。

 

 食べさせ過ぎるとすぐ太るし、匙加減も難しい所。

 

 想像するに、多量の水分で飲む必要があるのは、粘膜への刺激によるものだろう。

 

 内服後に横になってはいけないというのもその理屈によるものか。

 

 で、あるならば、直接胃に届けるなら、そこまで多量の水分でなくても良いのかも知れない。

 

 ここは次回、また担当の薬剤師さんに聞いてみる事にしよう。

 

 重度に認知機能の低下した父をスムーズに食事介助するには、お腹が空いた、何か食べたいという本能的欲求を引き出すに限る。

 

 多量の水分はその妨げになってしまうのだ。

 

 月に一度とは言え、30分の待機時間や食事スピードの鈍化によって、4か条付き内服薬の利用時は、いつもより介護に手間と時間がかかる事は否めない。

 

 この手間と、その必要性を天秤にかけた時、一体どうなのかな~と思ってしまう今日この頃である。

 

 

 

 さて、年末も差し迫り、今回が年内最後の投稿。

 

 来年、1月2日はお休みいたします。

 

 読者の皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

 

 そしてまた来年も宜しくお願い致します♪