ツル目ツル科ツル属
学名 Grus japonensis
和名 タンチョウ
英名 Red-crowned Crane
【分布】
北海道東部で繁殖する個体群と、中華人民共和国北東部およびロシア極東部のアムール川流域で繁殖する個体群に分かれる。
後者の個体群は、江蘇省沿岸部や朝鮮半島ヘ南下し越冬。
日本では北海道東部を中心に周年生息(留鳥)。
近年は、個体数の増加とともに繁殖・生息域が広がっている傾向がある。
北海道東部だけでなく、苫小牧・札幌周辺、宗谷地区でも生息や繁殖が確認されている。
推定生息数は1962年:172羽、1988年:424羽。2004年:1,000羽以上、2012年:1,500羽以上。
【生態】
湿原、湖沼、河川、湿った草地などに生息。
食性は雑食で、昆虫やその幼虫、甲殻類、貝類、魚類、カエル、鳥類の雛、小型哺乳類、葉や芽・茎・果実・種子・穀物などを採食。
日本では大規模な湿原の減少に伴い、河川改修によってできた三日月湖や河川上流域にある小規模な湿地での繁殖例が増加している。
日本の個体群と大陸産の個体群は鳴き交わしに差異がある。
【サイズ・形態】
全長102‐143㎝ 翼開長240㎝。
日本のツルの中では最大種。
全身は白。眼先から喉・頸部にかけては黒。眼後部から頸部にかけて、白い斑紋が入る。
次列風切や三列風切は黒。
翼を閉じた状態では、いわゆる尾が黒い状態に見えるが、実際の尾は白。
頭頂にはほぼ羽毛がなく黒い剛毛がまばらに生え、赤い皮膚が裸出。「丹(赤の意味)」の「頂(いただき)」で「タンチョウ(丹頂)」。
虹彩は暗褐色。クチバシは長く、色彩は黄色や黄褐色。脚は黒。
【その他】
アイヌ語では「サロルンカムイ」と呼ばれ、これは「葦原の神」の意がある。
1935年に繁殖地も含めて国の天然記念物、1952年に「釧路のタンチョウ」として繁殖地も含めて特別天然記念物、1967年に地域を定めず種として特別天然記念物に指定。
江戸時代には、江戸近郊の三河島村(現在の荒川区荒川近辺)にタンチョウの飛来地があり、手厚く保護されていた。将軍の鷹狩の「対象」となっていた。
鶴と松は縁起物の組み合わせで、絵巻や花鳥画、花札などにあるが、ツルは枝にとることがない。
コウノトリやサギ類、トキ類が混同されたか、縁起物の創造画として、定着したと思われる。
********************************************************
<ここから鳥の写真>
『タンチョウ(Red-crowned Crane)』
古来より、日本の代表的な鳥として扱われていて、上にもあるように、文化的にも本種は深く扱われていることがわかります。
世界的に見ても、本種の美しさは、秀逸な存在です。
種としての貴重さもさることながら、やはり冬の釧路湿原での本種の姿を見ると
やはりその美しさ・素晴らしさを実感できます。
コロナ過で外国人の来日が減っていますが(2022年現在)
それ以前は、冬の北海道の旅の目玉で、野鳥撮影の旅の外国人以外にも
たくさんの外国の方が来ていました。
雪とタンチョウ・・・絵になります。
もちろん、初夏の緑の中のタンチョウも素敵です。
ですが、タンチョウのダンスや鳴き交わしの写真も奥が深く、短時間の撮影時間では、なかなかいい写真が撮れません。
いまいちの写真が多いですが、ご覧になってください。
********************************************************
本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。