土屋敦さんの「このレシピがすごい!」
9月になりましたね~新学期、といっても日曜ですが、初のレビューはフィクションではありません。あえて、ジャンル分けするなら「レシピ本」でしょうか。土屋敦さんの「このレシピがすごい!」(扶桑社新書)実はこの一冊、上尾市図書館で借りた本。家の中は、「図書館積読本」だらけ。「さいたま市20冊」「川口市15冊」の上限を借りきってしまったところで、検索してみつけたのが上尾市図書館。さいたま市とは「相互借入」みたいな関係で、さいたま市民なら借りることができます。し・か・も! 「上限無し」 そう、100冊だって借りられちゃうんですね。グーグルマップのストリートビューを頼りに言ったところ、みごとに迷いました。どうも、ストリートビューとは、相性がよくありません。着いてみると、上尾市立中央図書館、なんとも近未来的空間です。インターネット閲覧席が充実しておりまして、座り心地のよい椅子。実に、利用者の半分が、熟睡しておられました。あと、すごいのは児童書の充実ぶりかな。2階の一般書の中で見つけたのが本書。目次をぱらぱらっと見て、「さんまの塩焼き」が載っていたので借りました。内容は、土屋さんが、ご自身にとって印象的なレシピを再現する、というもの。飯田深雪さんリスペクトな点にも同感したのですが・・・・・・他は合いませんでした。まず、豚の角煮。レシピの作者は、あの「正しい手抜き」で有名な奥その壽子さん。じつは、奥そのさん流手抜き料理が苦手です。たしかに、簡単に「それらしいもの」ができる。でもあくまで「らしいもの」。「それ」はできない。今回の豚の角煮の手抜きの肝は、「豚バラブロックを使わない」点。その代わりに、「豚バラ薄切り肉」をグルグル巻いて、ブロック肉風にしたてます。ああ、これ・・・・・・ちょい、殺意が湧きました。そりゃ、短時間で「柔らかい角煮っぽいもの」が出来るでしょう。でも「角煮」ではない。豚バラブロック、または、豚あばらブロックは、丁寧にした処理し、じっくりと時間を掛けて料理すれば、それはもう美味しいものです。煮込みが多いので、初心者でも失敗は少ない。必要なのは「時間」だけ。「今日は出かけたくない」「外は暴風雨。気分は嵐の山荘」などというときには、ぴったりです。実は、ファミレスのサイゼリヤで「豚あばら肉」のメニューが先月までのっていまして、これも美味しかった。サイゼリヤはコーンポタージュも格別ですが、ときおり、大当たりメニューを出してくれます。豚の角煮ですが、実はもうひと手間かけると、もっと美味しくなります。「前日から、煮込み用の調味料にブロック肉を漬けておくこと」。これのみ。ローストチキンも、同じ要領で、美味しく仕上げることができます。肉の内部まで、味が沁み込み、熟成した感じが出るのですね。というわけで、ワクワクしながら読み始めたものの、しりすぼみになってしまった一冊。なお、「ほうれんそう炒め」で、いきなり中華鍋に、生のホウレンソウをぶち込んでいますが、これでは苦みが出ます。ホウレンソウは、ほんとうにサッとでよいので下茹でを。