木下半太さんの「裏切りのステーキハウス」(幻冬舎文庫)
良彦は37歳で西麻布の高級会員制ステーキハウスの店長を任されるほどの料理人。店の資金は、街の顔役、立浪が出してくれました。それも1億円!
以外にも何かと良彦に目を掛けてくれる立浪。その立浪から、まさか銃を突き付けられ
「おまえ、鏡子と浮気してるだろう」
と言われるとは。鏡子は立浪の溺愛する美貌の若妻。とても怖くて手なんて出せない。良彦は無実です。
ところが、良彦は店のアルバイトの女優の卵めぐみと浮気していたのでした。なので、後ろめたさから、立浪への返事もイマイチ、歯切れが悪い。しかも、立浪は鏡子を殺し、その足でここに来たという。
と、店のドアが開き、入ってきたのは、良彦の娘、女子高生の葵。今日は本当は、葵の誕生日。ここで、父娘ふたりでパーティする予定がだいなしです。なぜか、すぐに打ち解ける葵と立浪。立浪は、さっぱりした、そして権力になびかない葵のような女が大好き。そんなとろに、今度はめぐみの恋人が乱入。きけば、相手はわからないが、めぐみが誰かと浮気しているという。良彦の気分は底なし沼。しかも、、ついに、めぐみまでやってくる始末。
とここで、立浪の爆弾発言。
「俺は鏡子をころしていない。やったのは、おまえらの中の誰かだ」
はたして、真実はどこにあるのか。
いや、木下半太さんお得意のシチュエーション・ドラマ。
何を書いてもネタバレになるので、あまり書けません。
しかし、立浪という男のすごさがビンビン伝わってきます。
二度読み、いや三度読み必至。
こんな内容なのに、ラスト1ページ、泣く人は泣いちゃうかも。
わたしは・・・・・・・泣きました。
宝はある、それは・・・・・・・