皆さま
生まれたときから曲がっていた
ちゃまみつの左羽、それを
自分の個性だと受け入れることって
なかなかできないですよね。
ちゃまみつすごいぞ!
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「オウムの一生物語」
~⑱不具合も含めて自分の個性~
前回までのお話しはこちらです。
【第一部①~⑩話/人生の課題が作られる】
【第二部⑪~⑮話/人生の課題と向き合う】
【第三部⑯話~/自分らしく生きて、使命を果たす】
オウムのちゃまみつは、曲がっている
左羽をどのように自分を表現に
使っていくか考えました。
「この曲がった左羽も僕の個性」
「今まで鬱陶しく思っていてごめん」
「そして、今まで僕の一部としていてくれて、ありがとう」
ちゃまみつは、そんな言葉を
曲がったままの左羽に声を
かけました。
左羽が曲がっていることもあり、
ちゃまみつが羽を広げて飛ぶと
どうしても片方に偏ってしまったりして、
真っすぐ飛べません。
オウムであり、鳥であるちゃまみつに
とっては、それは相当なコンプレックスと
なっていたのです。
だから、できるだけ飛ばないように
心掛けてきましたし、飛ばないで済む
仕事を選んできました。
でも、いよいよ生まれる前に決めてきた
左羽の不具合を受け入れるときが
やってきたのです。
そうして、それをさらに個性として
自分の表現に活かしていくという、
ちゃまみつは、そんなことを行おうと
していました。
師匠の雲十郎も白い羽をフワフワと
させながら、ちゃまみつの様子を
そっと見守ってくれています。
ちゃまみつは、看板屋で筆をくちばしで
器用にくわえて、看板を書いています。
日中は、看板を書く仕事に没頭をして、
仕事が終わると、住み込みであることも
利用して、そのまま自分の新しい
表現方法について模索していました。
時にはトイレに行くことも、食べることも
忘れて、「書」を書き続けます。
見かねた雲十郎が、食事休憩を
促すシーンも何度も繰り返されました。
ちゃまみつは、雲十郎に自分の
書いている姿、全身全霊で書いた
「書」を見てもらいます。
でも、師匠であり、看板書きの大先輩でも
ある雲十郎は、
「うまくなったに過ぎない」と
思った以上にバッサリとちゃまみつに
言い渡します。
でも、雲十郎は、決して悪気などないことは
ちゃまみつもわかっていました。
この日もちゃまみつは仕事の後に、
自分の表現について没頭しています。
雲十郎は、そんなとき、声をかけることは
少ないですが、この日は珍しく
声をかけてきました。
「ちゃまみつ、たまには気分転換でもしてきたらどうだ?」
「明日は休暇を取りなさい」
筆を止めたちゃまみつは、
雲十郎の方を驚いた表情で
見つめています。
「え、でも、明日は仕事が・・・」
雲十郎は、白い毛をフワフワと
させて言います。
「明日は、久しぶりにわしがお前の分も書くぞ」
「え、雲十郎さんが」
「いいから、気にせず、自分のために明日は使いなさい」
困ったような表情のちゃまみつでしたが、
どこかちゃまみつにも行き詰った感じが
自分でもしていたので、明日は休むことに
します。
ちゃまみつは、布団に入って、
仰向けになっていました。
「明日は何をしよう?」
【続く】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。