皆さま

 

オウムにとって羽に不具合が

あるということは、まだまだ

小さいちゃまみつにとっては、

受け止めきれない出来事です。

 

応援してあげたい気持ちに

なってきました。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

不安な人生から安心の人生に転換した僕の物語

 

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「オウムの一生物語」

~⑤決めてきたはずの左羽の不具合~

 

前回までのお話しはこちらです。

~①生まれる前に大切なことを決めてきた~

~②決めてきた家族との出会い~

~③残った不思議な感覚と父との別れ~

~④妹の誕生と母との因縁~

 

小学校に入学したちゃまみつは、

上手に飛べるようになるための

飛行訓練なるものを受けることになります。

 

今までも幼稚園で飛んでみたりは

していたものの、大勢のオウムの前で

飛ぶのはちゃまみつにとって初めての

ことでした。

 

一羽ずつ先生の前で飛んでいきます。

 

やっぱり、うまくいくオウムもいれば、

力が入り過ぎていたり、高く飛びすぎたりして

うまくいかないオウムの子どもたちもいました。

 

そして、いよいよちゃまみつの番です。

 

ちゃまみつは、とても緊張していました。

幼稚園のように、またこの新しい場所である

小学校でもいじめられてしまうのかと、

ビクビクしていたのです。

 

ここでうまく飛ぶことができなければ、

幼稚園でうまく話せないことでいじめられたように、

小学校でもいじめに合うのではないかと

ちゃまみつは内心感じていました。

 

「ちゃまみつ!」

 

先生が名を呼びました。

スタートの合図です。

 

「はい!」

 

と柔らかい声でちゃまみつが

右の羽を上げながら返事をします。

 

ちゃまみつは生まれた頃よりも

ずいぶんと大きく成長した羽を

広げて羽ばたいていきます。

 

そうして無事に飛行し始めました。

 

後は、ゴール地点まで真っすぐ

飛ぶだけです。

 

しかし、地上のオウムの子どもたちが

ちゃまみつの飛行を見ながら、騒ぎ

始めていました。

 

「あれ、ちゃまみつ揺れてるぞ」

「真っすぐ飛んでないよ」

「フラフラしているぞ」

 

そんな声が聞こえてきます。

もちろん、夢中で飛んでいる

ちゃまみつの耳には入ってきて

いませんでした。

 

しかし、実際にちゃまみつの飛行は

真っすぐなものではなかったのです。

 

ゴール地点に着いたちゃまみつは、

ホッと胸を羽で撫で下ろします。

 

すぐに、飛行訓練の先生がちゃまみつの

元にやってきて、身体を検査しました。

 

驚いたちゃまみつでしたが、言われるが

まま検査を受けたのです。

 

飛行訓練の先生がちゃまみつの羽を

持ちあげて広げて検査しています。

 

「あ、ちゃまみつ、左羽が・・・」

「痛い痛いです」

ちゃまみつは、左羽を曲げられるて

痛みが出ているようでした。

 

「これ以上曲がらない」

ちゃまみつは、怖くなってきました。

 

そう、どうやらちゃまみつの左羽は

一定以上曲がらなくなっていたのです。

 

飛行訓練の先生は少し憐れんだ表情で、

「だから、ちゃまみつの飛行は真っすぐできなかったんだな」

それを受け止めきれないちゃまみつに

さらに飛行訓練の先生は続けました。

 

「帰ってお母さんに報告して、病院に連れていってもらいなさい」

 

ちゃまみつは、何もかもが憂鬱でした。

 

左羽が曲がっていて、飛行もうまくいかず、

またいじめに合うのではないか。

 

妹のアヤコの世話に仕事と、大変そうな

母トモコにそんな面倒をかけることを

言うなんて、トモコになんと言われるか

また、きつく当たられるのではないか・・・

 

そんな抱えきれない思いを抱えながら

まだまだ小さいちゃまみつは、自宅へと

帰っていきました。

 

【続く】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。