皆さま

 

辛いことって、やっぱり

思いだしたくもありません。

 

それはオウムのちゃまみつにとっても

同じことです。

 

それは、できれば観たくないものが

そこにあるからなんですね。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

不安な人生から安心の人生に転換した僕の物語

 

-----------------------------------------------------------------------------

 

「オウムの一生物語」

~⑬家族とのことを振り返る、湧いてくる感情~

 

前回までのお話しはこちらです。

【第一部①~⑩話/人生の課題が作られる】

~①生まれる前に大切なことを決めてきた~

~②決めてきた家族との出会い~

~③残った不思議な感覚と父との別れ~

~④妹の誕生と母との因縁~

~⑤決めてきたはずの左羽の不具合~

~⑥異常なまでの母からの心配~

~⑦いつか飛べなくなると信じた代償~

~⑧もう誰かを信じることはやめようと決めた~

~⑨自分と固く約束した家を出る~

~⑩自分の得意なことを仕事にした自立への道~

【第二部⑪話~/人生の課題と向き合う】

~⑪夜な夜な襲われる不安感の正体~

~⑫師匠からの大切な提言、愛と家族~

 

看板書きの師匠である雲十郎からの

言葉で、オウムのちゃまみつは家族や愛について

考えてみることにしました。

 

ここまでのちゃまみつの人生を観ていると、

大変な思いをたくさんしてきたように

思います。

 

でも、当のちゃまみつは、そこまで

思えなくなっていました。

 

そう、ちゃまみつは家族とのことを

思いだそうとしても思いだせなく

なっていたのです。

 

それは、ちゃまみつにとって、小さかった

ちゃまみつにとっては、本当のところ

とてもじゃないけど、耐えうるものでは

ありませんでした。

 

本当は辛くて、哀しくて、泣きたくて、

どこかに居場所を求めたくて、

でも、それらを癒すことは叶わなかったのです。

 

だから、そんな気持ちに固く思い蓋を

することを決めました。

 

思いだしたくても思いだせないのは、

そういうわけです。

 

もう、家族のことを考えるのはやめようかなと

思っていたちゃまみつでしたが、師匠雲十郎が

「無理はせんでいいが、毎日続けてみなさい」

と言われたこともあり、看板を書く仕事が

終わったら、家族のことを考えてみる日々が

続きました。

 

目を閉じると現れる大きな神様も

「その調子で続けて!」と笑顔で

ちゃまみつにサインを送ってくれます。

 

なので、ちゃまみつも続けてみました。

 

随分と根気よくちゃまみつは続けたのです。

 

「失踪したお父さんはどうしているかなあ」

「どうして僕たちを置いていったのかなあ」

「もう会えないのかなあ、会えないなら会えないでいっかあ」

 

「お母さんは僕をたくさん叩いたよなあ」

「痛かったなあ」

「僕のこと嫌いだったのかなあ」

「産まなければよかった、なんて言われたこともあったなあ」

「あ、あれ、涙が・・・」

「あー、なんだか悲しいなあ」

 

「妹のアヤコはかわいかったなあ」

「でも、いつもお母さんにかわいがられて僕は羨ましかったなあ」

「あれ、僕もかわいがられたかったのかな」

「うーん、よくわからなくなってきた」

 

父、母、妹、それぞれにそれぞれの

思いがちゃまみつからは湧いてき始めた

ようでした。

 

なんだか良くわかりませんでしたが、

ちゃまみつは、悲しい思いがしています。

 

「なんか、悲しい」

「あー、悲しいなあ」

「うん、悲しいよ」

 

ちゃまみつは、本当に久方ぶりに

泣きました。

 

悲しくて悲しくて泣きました。

 

師匠の雲十郎は、遠くに聞こえる

ちゃまみつの泣き声を黙って聞いています。

 

「僕はこんなに悲しかったんだ」

 

ちゃまみつは、それが良く理解できたのです。

 

【続く】

------------------------------------------------------------------- 

執筆依頼なども承っております。

お問い合わせ・ご質問はこちらからどうぞ

------------------------------------------------------------------- 

この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。