皆さま
ちゃまみつは、無事に自分の得意なことを
活かして就職することができました。
一方で、「愛」を学ぶために
大きな課題がちゃまみつの前に
現れていることもまた事実です。
大丈夫だぞ!ちゃまみつ!
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
-----------------------------------------------------------------------------
「オウムの一生物語」
~⑪夜な夜な襲われる不安感の正体~
前回までのお話しはこちらです。
一見、順調に見えたオウムのちゃまみつの
看板を書くお仕事でしたが、夜な夜な
襲われるある不快な違和感に苦しんでいる
ようでした。
それは、「不安感」でした。
夜眠ろうとするとちゃまみつは
「不安感」に襲われていたのです。
でも、それがなぜなのか、ちゃまみつには
見当もつきませんでした。
「予定通り家から出て、飛べなくなってもできる看板を書く仕事に就いて、
さらには順調に仕事もできるようになっていて、なぜ不安なの?」
自問自答を繰り返しましたが、
ちゃまみつに答えは出ませんでした。
目をつぶって大きな神様のイメージに
聞いてみたりもしました。
「僕はなぜ不安なの?」
大きな神様は笑顔でいて、何も
答えません。
これは、大きな神様が薄情なわけでは
決してないのです。
大きな神様は、このことをちゃまみつは、
きっと自分の力を使って、乗り越えて
いけると信じていたからなのです。
でも、当のちゃまみつは、なぜ大きな神様が
教えてくれないのか、不思議でしたし、
「教えてくれてもいいじゃないか!」と
大声を上げたくもなっていました。
朝がくれば看板を書く仕事です。
ちゃまみつは、そんな「不安感」のことは
置いておいて看板を書くことに没頭
していきます。
でも、師匠の雲十郎は密かに気が付いて
いたのです。
「ちゃまみつの文字に安定感や躍動感が失われている」
雲十郎は見事にそう見抜いていました。
でも、雲十郎はいきなり頭ごなしに
出来が悪くなっているなどと、言いつける
オウムではありません。
そっと、弟子であるちゃまみつのことを
観察してくれていました。
ちゃまみつから発せられる言葉にも
絶対的な安心感が欠如していたのです。
どこかで、ちゃまみつは怯えていたり、
恐れているため、発する言葉も
どこか後ろ向きだったり、自分を守りたい
一心の言葉が目立つようになっていきました。
一日一日、看板を書いて、仕事を終えて、
不安な夜を過ごす、ちゃまみつはなんとか
それを繰り返すだけの毎日になっています。
そのことを師匠雲十郎は見逃しません。
そう、ちゃまみつには、「愛されている」という
生命にとって大切な前提が抜け落ちて
しまっていたのです。
「ちゃまみつには、愛が抜けとる・・・」
雲十郎は、仕事場から自分の部屋に
戻るちゃまみつの後姿を見ながら
そう、呟きました。
ちゃまみつは、どうしていいのか
わからず途方に暮れる時間が
増えていったのです。
【続く】
-------------------------------------------------------------------
この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。