キム・ベイシンガーの悪役リストは以下の通り。キム姐さんはテレヴィを含めれば60作程度の出演作があるが、これを多いとみるか/少ないとみるか?
- (1981)解剖室殺人事件/KillJoy/Who Murdered Joy Morgan
- (1984)ナチュラル/The Natural
- (1892)愛という名の疑惑/Final Analysis
- (1993)ブロンディー/女銀行強盗/The Real McCoy
- (1994)ゲッタウェイ/The Getway
「ナチュラルは悪役ではないのでは?」と思われるかもしれない。中で解説する。
悪役度ランキングは「ゲッタウェイ」→「愛という名の疑惑」→「解剖室殺人事件」。
■ (1981)解剖室殺人事件/KillJoy/Who Murdered Joy Morgan
本作はテレヴィ映画でDVDは出ていない。VHS(吹替)はあるが入手困難。以下で見ることができる。「KillJoy (1981-TV)」
1982年度エドガー賞。
出演者はキム・ベイシンガー以外で有名なのはロバート・カルプくらい。
舞台は某病院。ローリー・メドフォード(キム)は病院理事長の娘。わりとチャラい感じで病院に自由に出入り。
ローリーに関心があるのが、ポール・トレントン病理学部長とマックス・へラー外科医。ポールはわりとマザコン気味で、母親マーサも医師。
それと正体不明の男性(ロバート)がウロウロしている。
冒頭ジョイ・モーガンが殺される。この場面は犯人視点の映像で犯人は示されない。「ジョイを殺したのは誰か?」と言うのが本作のテーマ。
病院と近くのバー「POST-OP」で多くの場面が展開される。
ストーリーはジョイ殺害前に遡る。ローリーとマックスが婚約してポールも(一応)祝いの言葉を述べる。
しかしPOST-OPにマックス宛の伝言と部屋のカギが届く。「カギを忘れたでしょ。部屋に入れないわよ。ジョイ」とある。マックスは「これは事実、でも二度と浮気しない」とローリーに謝る。
しかしその後、ジョイの部屋からポールとジョイがデートしている写真が見つかる。ポールも事実を認める。そのタイミングでマックスは「浮気はしてない」と撤回。
そして正体不明の男がウロウロ。ジョイの部屋のカギを持っている。
そしてマーサがジョイの部屋に侵入したことも判明。
マーサの家でパーティが開かれてマックスの招待でジョイが現れる。しかし現れた「ジョイ」は「頼まれてジョイのまねをしただけ」とあっけらかん。注、最初の殺害場面ではジョイの顔は暗くて分からない。
途中、ローリーが死んだふりをしたりする。
最後に判明する犯人は実はローリーである。
■ (1984)ナチュラル/The Natural
出演はロバート・レッドフォード、グレン・クローズ、バーバラ・ハーシー。
ロイ・ホッブス(ロバート)はプロ野球選手をめざして、恋人のアイリス・ゲインズ(グレン)に別れを告げて列車でシカゴに出発する。
途中、機関車の給水停車の時に有名野球選手と(投手として)勝負して三球三振に打ち取る。それを見ていたハリエット・バード(バーバラ)と知り合う。
シカゴについて同じホテルに泊まったハリエットから誘いがあってハリエットの部屋に入る。ここで無警告・理由不明で撃たれる。ロイはケガをしてプロになれない。ハリエットはその後は登場しない。
16年後35歳のロイはニューヨークナイツに現れる。周囲は年齢や無名であることから評価しないが、試しに打撃をやらせるとよいので選手となる。
ロイは素晴らしい成績を上げて、万年ビリのナイツはトップ争いに躍り出る。
さて監督の姪メモ・パリス(キム)と付き合い始める。監督が自分の姪なのに「あの娘は不幸をもたらす」と警告するが、ロイはメモに夢中になる。
そしてロイはスランプに陥る。スランプから抜け出せない。そしてアイリスが訪ねて来て、スランプを脱出するというストーリー。
メモは実はナイツのオーナーの判事(本名不明)の一味で野球賭博をやっている。なので悪人。賭博の関係でオーナー一味はロイに八百長を要求する。
しかしメモはロイを好きなのも事実なので、悪人と恋人を使い分けることができなくなる。支離滅裂状態。
■ (1892)愛という名の疑惑/Final Analysis
出演はリチャード・ギア、ユマ・サーマン。
サンフランシスコの精神科医アイザック・バー(リチャード)のところにダイアナ・ベイラー(ユマ)という患者が来ている。
アイザックはダイアナの姉ヘザー・エヴァンズ(キム)と付き合い始める。ある時灯台に出かける。ヘザーのバッグからダンベル棒が落ちた。「護身用なの」。アイザックはダンベル棒を拾ってヘザーのバッグに入れた。
アイザックがヘザーを自宅まで送っていった夜、ヘザーはダンベルで夫を殴り殺す。すごいな。
裁判となるが、アイザックも証言してヘザーは「病的酩酊症」となり無罪。ただし精神病院に八週間の入院(→ずいぶん短くないか?)。
しかしアイザックは病的酩酊症が偽装であると気がつく。アイザックはヘザーを騙して入院期間を大幅に延長させる。
それに対してヘザーは「指紋がついたダンベル棒があるのよ」と逆に脅す。注、実はここがヘザーの失敗。
最後は病院のトイレでヘザーとダイアナが入れ替わって、ヘザーは例の灯台でアイザックに拳銃を突き付ける。しかしヘザーは転落して死亡。
以下は補足。
本作はわりと有名映画でレヴューが多い。しかしほとんどは誤解しているようなので説明しておく。
一見、ヘザーが主犯、ダイアナが従犯のように展開するが、実はダイアナが主犯。ここを見間違えている。
ダイアナは、自分は表にでないようにしてヘザーを誘導している。最後にはヘザーの夫の遺産はダイアナが持っていく。
「ダイアナがヘザーを誘導している」と頭において本作を見直せば、理解できる。
■ (1993)ブロンディー/女銀行強盗/The Real McCoy
出演はヴァル・キルマー、テレンス・スタンプ。
銀行強盗のプロ、カレン・マッコイ(キム)は仲間であったはずのジャック・シュミット(テレンス)の裏切りで逮捕された。六年後、仮釈放となり出所。息子パトリックは9歳となっている。
「もう二度と悪いことはしない」と決めているのだが、ジャックが再度悪事に誘いかけてくる。断ったがパトリックを誘拐されて脅された。救出作戦は失敗し、ジャックに協力することになった。
一味の中にジャックの親戚だが、カレンを「偉大な銀行強盗」と尊敬するJ.T.バーカー(ヴァル)がいた。
最後、カレンとJ.T.はジャック一味を金庫の中に閉じ込めて脱出し、パトリックを助け出し、リオデジャネイロに脱出した。もちろん金は奪った。
ただ本作はアクション場面はほとんどない。カレンのパトリックに対する愛情がよく表現されている。
■ (1994)ゲッタウェイ/The Getway
出演はアレック・ボールドウィン、ジェームズ・ウッズ、マイケル・マドセン。
ドク・マッコイ(アレック)、キャロル・マッコイ(キム)、ルディ・トラヴィス(マイケル)などは、ジャック・ベニヨン(ジェームズ)を黒幕としてドッグ・レース会場の金を奪った。
お決まりではあるが、ルディはもう一人の仲間を射殺し、ドクとキャロルも射殺しようとしたが、しかしドクに反撃されて河原に転落。
二人はジャックを訪れたが、行きがかりからキャロルがジャックを射殺。テキサス州エルバソを目指した。ここで偽パスポートを作ることができる。
しかし河原から生還したルディとジャックの手下が二人を追いかけた。
警官隊に追われたがなんとかエルバソに到着。さらにエルバソのホテルでの壮絶な銃撃戦を制した。
そして警察に反感を持っている老人の協力を得て、メキシコに脱出した。
■ 出演作
◆ キム・ベイシンガー
(1978)ケイティ/Katie: Portrait of a Centerfold
(1981)解剖室殺人事件/KillJoy/Who Murdered Joy Morgan
(1982)大金塊/Mother Lode
(1984)ナチュラル/The Natural
(1986)ノーマーシィ/非情の愛/No Mercy
(1987)ブラインドデート/Blind Date
(1987)消えたセクシーショット/Nadine
(1988)花嫁はエイリアン/My Stepmother Is an Alien
(1989)バットマン/Batman
(1991)あなたに恋のリフレイン/The Marrying Man/Too hot to handle
(1992)愛という名の疑惑/Final Analysis
(1992)クールワールド/Cool World
(1993)ブロンディー/女銀行強盗/The Real McCoy
(1994)ゲッタウェイ/The Getway
(1994)プレタポルテ/Ready to Wear/Pret-a-Porter
(2000)永遠のアフリカ/I Dreamed of Africa
(2000)ブレス・ザ・チャイルド/Bless the Child
(2004)トラブル IN ベガス/Elvis Has Left the Building
(2004)セルラー/Cellular
(2006)マーメイドの祈り/The Mermaid Chair
(2006)ザ・ゲーム/Even Money
(2013)リベンジ・マッチ/Grudge Match
(1981)解剖室殺人事件/KillJoy/Who Murdered Joy Morgan
(1984)ナチュラル/The Natural
(1992)愛という名の疑惑/Final Analysis
(1993)ブロンディー/女銀行強盗/The Real McCoy