■ Bless the Child(2000)


製作:2000年、脚本:トーマス・リックマン、クリフォード・グリーン、エレン・グリーン、監督:チャック・ラッセル   予告編   予告編   予告編   インタヴュー  


■ あらすじのあらすじ

クリスマスの日、マギーの前に行方不明になっていた妹のジェナが生まれたばかりの赤ん坊コーディを連れて現れた。しかしジェナは姿を消した。

コーディが六歳になった時、コーディと同じ日に生まれた子供が誘拐されて殺される事件がいくつも発生した。FBIが捜査に乗り出した。新生会という組織が疑わしいが証拠はない。

ジェナが新生会のリーダー、エリックを伴って現れた。ジェナの夫とのこと。コーディを譲り受けると言う。マギーは拒否するが、油断した隙にコーディを連れ去られる。

マギーはコーディを救うために新生会の拠点に侵入する。
 


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 マギー・オコーナー(キム・ベイシンガー) - 看護師
 ジェナ(アンジェラ・ベッティス) - マギーの妹
 コーディ(六歳時-ホリストン・コールマン) - ジェナの娘
 エリック・スターク(ルーファス・シーウェル) - カルト組織のリーダー
 ジョン・トラヴィス(ジミー・スミッツ) - FBI捜査官
 シェリー・ポスト(クリスティーナ・リッチ)

本作ではキム姐さんが看護師となってカルト組織と対決する。本作は複数のストーリーが絡み合うようなことはないが、細かい話がかなりいっぱい出てくる。そのあたりは適宜省略。
 


■ あらすじ

◆ ジェナ

クリスマスの前日、マギー・オコーナー(キム・ベイシンガー)はバスに乗っていると、ある女性に話しかけられる。「ヤコブの星が現れ、幸運が訪れる」。ヤコブの星とは、イエスが生まれた時に現れたと言われる星である。マギーは「私はそういうことを信じないの」と応答する。

その夜、女性が訪れてくる。物乞いかと思うが、よく見ると二年間行方不明だった妹のジェナ(アンジェラ・ベッティス)である。そして生まれたばかりの女の子を抱えている。コーディ(六歳時-ホリストン・コールマン)。「父親は分からない。寝た男の名前はいちいちメモってない。候補は二三人」とのこと。

しかしジェナは、まだドラッグをやっているようである。注意したところジェナはコーディを置いて消えてしまう。

◆ コーディ

マギーはコーディを自分の子供のように育てていく。コーディには自分が伯母であることを明かしており、ジェナの写真を飾っている。

コーディは、なかなか洒落た口を利く子供だが、どこかが変わっている。医師に相談すると「情緒障害」とのこと。マギーは精神科の看護師で、それなりの知識はあり、情緒障害とは何か違うような気がする。

医師の勧めもあってコーディは、情緒障害の子供の面倒も見てくれるカトリック系の保育園に入る。コーディは一人遊びを好むが、かといって他の子供と交流がないわけではない。

コーディの周りには時々不思議なことが発生する。

コーディが悲鳴を上げたので部屋に行ってみると、たくさんのネズミのような動物がコーディの周りに走り回っている。しかしもう一度見直すと、それらがすべて消えている。コーディは「夢を見た」と言うが、マギーも目撃している。この時マギーの手首に見慣れないマークが現れる。

コーディと二人で、ある教会の前を通った。コーディが中に入ろうというので、マリア像の前で祈っていると、いつの間にかコーディが消えて別の部屋に行って一人で座っている。祭壇に多数のロウソクがおいてあるのだが、それらに次々と火が灯っていく。コーディは「マリア様が泣いている」と泣く。

保育園の窓にハトがぶつかり地面に墜落した。コーディがハトを抱いてゆすっていると、ハトが元気になって飛び立った。子供たちは「コーディがハトを生き返らせた」とはしゃぐ。大人は「気を失っていただけ」と言うが、子供たちによれば「首の骨が折れていた」そうである。この状況を外からある男が見ている。

◆ シェリー

ジェナが再度行方不明になった後、病院にシェリー・ポスト(クリスティーナ・リッチ)という患者が運ばれてくる。ドラッグを注射されたようである。

マギーが対応していると、シェリーが喋りだし、その中でジェナという名前を口にした。マギーが詳しく話を聞こうとすると、シェリーは「ジェナではなくジャネットだ」と言ったことを否定する。

急患が入ってマギーが呼び出された。その間にシェリーは姿を消して、話を聞くことができなかった。その後シェリーのカルテがなぜか消えてしまった。

後になって、今度はシェリーから連絡が来る。病院で電話番号を聞いたらしい。

喫茶店で会って話す。シェリーは「ジェナがある組織に囚えられている」と言うが、店の外に怪し気な集団が現れたため、シェリーは、メモと拳銃をマギーに渡して逃げ出す。彼らはシェリーを追いかける。マギーも追いかける。

シェリーは地下鉄の駅の構内で惨殺され、マギーも線路に落とされて、危うく電車に引かれそうになる。

◆ 誘拐事件

コーディが六歳になるころ、数件の子供の誘拐事件が発生する。そして殺された状態で発見される。すべて1993年12月16日の生まれ。コーディも同じ日の生まれである。子供たちの腕には奇妙なマークが付けられている。

これらの事件にFBI捜査官のジョン・トラヴィス(ジミー・スミッツ)が投入される。トラヴィスは、神学校をでてからFBIに入った異色の経歴である。

トラヴィスは、一覧の事件はあるカルト組織の仕業であるとみる。実は「新生会(New Dawn)」なるカルト組織を以前から追っているのだが、なかなか尻尾を掴むことができない。

トラヴィスによれば誘拐した子供にあるテストを受けさせる。テストに不合格であれば殺される。

新生会のボスは最近よくテレビにでている。エリック・スターク(ルーファス・シーウェル)。いくつもの場所に組織を持っており、また政界にもコネがあるようである。

◆ コーディ誘拐

突然、ジェナが訪ねてくる。そしてなんとエリックも一緒である。結婚しているとのこと。また乳母と称する女性ダーニャも一緒。

コーディを引き取りたいという。コーディも嫌がるし、マギーは拒否する。しかし目を離したすきにコーディは誘拐される。

新生会に出かけたりするが、なかなかエリックがやジェナに会うことができない。個人的な電話番号も秘匿されている。

しかしシェリーが持っていたメモにあったアジトを訪ねて、エリック、ジェナそしてコーディに会うことができる。エリックとジェナは、コーディを引き渡すことを拒否する。この時にコーディは明日歯医者に行く予定であることを知る。

やむなくシェリーから譲り受けた拳銃をエリックに向ける。そして引き金を引くが弾が入っていない。マギーは羽交い絞めにされ麻酔薬をかがされて気を失う。

気がつくと車の運転席にいる。車は橋の上を走っている。車線と逆方向!ブレーキが利かなくされている。一生懸命ハンドルを操作するが、車は橋の欄干を打ち破り、あやうく下に落ちそうになる。

ある男性が現れ助けてくれる。警察が現れた時には、なぜか男性は消えていた。

警察で事情を聴かれた後、コーディが通っている保育園のカトリック教会で、そのカルトについての話を聞く。神と悪魔の戦いが始まっている。コーディはそのカギを握っている。コーディがエリックの誘いを断れば殺される。

◆ 歯医者事件

先の教会関係者の協力を得て、コーディが行く歯医者に出かけた。歯医者では、例のダーニャが付き添っているが、受付をすり抜けて、コーディを連れ出す。

しかし一緒に来ていた運転手がダーニャに殺されたため、地下鉄に逃げ込む。ドアが閉まりそうになるところをある女性がバッグをドアに挟んで助けてくれる。この女性も突然消え失せる。

地下鉄を降りて車で走っているとカルトの車が追いかけてくる。前をパトカーが走っていたので、助けを求めるためにパトカーを追い越して停止する。

警官が下りてきて話を聞こうとするが、警官はカルトの車にはねられる。二人は車を下りて逃げ出すが、コーディはまた誘拐される。

トラヴィスに連絡する。

◆ 最後の決戦

警察も証拠を掴み、ついに動き出した。コーディが再誘拐された地点に近いところにアジトがあり、エリックもそこにいるらしい。警官隊がライトとサイレンを消してアジトに近づいて包囲する。マギーもトラヴィスに同行している。

(保育園の)カトリック教会ではシスターたちが祈っている。

明日は復活祭。アジトの中では、エリックがコーディに「悪魔の子として復活するか、あるいは死を選ぶか?」と言って、悪魔の言葉を強要する。

(トラヴィスの制止を無視して)マギーがアジトに紛れ込み、入り口で飾ってあったナイフを手にする。エリックやコーディがいる儀式の場に入り込む。マギーは捕らえられ拳銃を突きつけられて「マギーを殺す」とコーディが脅迫される。

コーディがいくつもの皿を振動させ、エリックはびっくりする。マギーが隙を見てエリックをナイフで刺して、コーディに駆け寄るが、拳銃で胸を撃たれて倒れる。多量の出血。

コーディがマギーの胸をさすると、なぜかマギーが回復していく。

警官隊が突入し銃撃戦となる。エリックはトラヴィスに射殺される。アジトが焼け落ち、トラヴィスはコーディを抱えて外に脱出。マギーもジェナを連れ出す。
 


■ 蛇足

本作ではCGがかなり使用されているが、わりと地味な使用法である。特に違和感はない。

コーディはマギーを「マギー」と呼んでいるのだが、字幕では「ミム」と表示している。

ベビーシッターがコーディに「ママのこと、お祈りした?いつかママは帰ってくるわ」と言うと「嘘、帰ってこない」と答える。

エリックがコーディをホームレスのところに連れて行く場面がある。エリックは「唯一の救いは死なせてやること」と言って呪文を唱えるとホームレスは自らガソリンをかけて火を付けようとするが、コーディがそばに来ると、その行為を中止してコーディに感謝する。しかしエリックはライターで火を付けてホームレスを焼き殺す。後でそのライターからエリックの指紋が検出される。

ダーニャが編み物をしているのが、わりと笑える。しかし使っている編み物針で歯医者に一緒に行った運転手を刺し殺す。

本作では、子供の誘拐事件をイエスと同じ日に生まれた子供を虐殺したヘロデの話と結び付けている。

キム姐さん出演作で「拳銃に弾が入っていない」という場面は、本作の他に「ブロンディ/女銀行強盗」がある。

ジミー・スミッツは、カトリック信者のようである。
 


■ 出演作
キム・ベイシンガー
(1978)ケイティ/Katie: Portrait of a Centerfold
(1981)解剖室殺人事件/KillJoy/Who Murdered Joy Morgan
(1982)大金塊/Mother Lode
(1984)ナチュラル/The Natural
(1986)ノーマーシィ/非情の愛/No Mercy
(1987)ブラインドデート/Blind Date
(1987)消えたセクシーショット/Nadine
(1988)花嫁はエイリアン/My Stepmother Is an Alien
(1989)バットマン/Batman
(1991)あなたに恋のリフレイン/The Marrying Man/Too hot to handle
(1992)愛という名の疑惑/Final Analysis
(1992)クールワールド/Cool World
(1993)ブロンディー/女銀行強盗/The Real McCoy
(1994)ゲッタウェイ/The Getway
(1994)プレタポルテ/Ready to Wear/Pret-a-Porter
(2000)永遠のアフリカ/I Dreamed of Africa
(2000)ブレス・ザ・チャイルド/Bless the Child
(2004)トラブル IN ベガス/Elvis Has Left the Building
(2004)セルラー/Cellular
(2006)マーメイドの祈り/The Mermaid Chair
(2006)ザ・ゲーム/Even Money
(2013)リベンジ・マッチ/Grudge Match