■ Cellular


製作:2004年、脚本:クリス・モーガン、監督:デヴィッド・エリス   予告編   予告編   予告編  


■ あらすじのあらすじ

ジェシカは、夫が麻薬取引に関する殺人を目撃したために誘拐されて閉じ込められた。

そこにあった電話を修理してかけると、偶然にライアンという青年に繋がった。ライアンは最初は半信半疑ながらも走り回る。

しかしジェシカの息子や夫も捕らえられた。だがライアンは銀行の貸金庫で殺人の証拠のヴィデオを奪った。

ライアンは証拠ヴィデオと人質を交換するためにサンタモニカピアに向かった。退職間際の警官ムーニーも現場に向かう。
 


■ 前書き

登場人物(キャスト)
 ジェシカ・マーティン(キム・ベイシンガー) 理科教師
 クレイグ・マーティン(リチャード・バージ) ジェシカの夫
 リッキー・マーティン(アダム・テイラー・ゴードン) ジェシカとグレイグの息子
 ライアン(クリス・エヴァンス)
 クロエ(ジェシカ・ビール) ライアンの恋人
 ボブ・ムーニー巡査部長(ウィリアム・H・メイシー)
 イーサン(ジェイソン・ステイサム)
 ジャック・タナー(ノア・エメリッヒ)
 チャッド(エリック・クリスチャン・オルセン)
 ディーソン(マット・マッコーム)
 ディミトリ(エリック・エテバリ)
 マッドドッグ(ブレンダン・ケリー)
 弁護士(リック・ホフマン)

本作は、最初から最後まで緊迫した場面が展開されており非常に素晴らしい。それと携帯電話が非常に効果的に使用されている。また犯人一味はトランシーバも内部連絡に使用する。

本作にはスタートクレジットがなく、ジェシカ・マーティン(キム・ベイシンガー)が誘拐されるまでにわずか三分間である。

ただし残念なのは、ジェシカは誘拐される役なので、活躍する場面がほとんどない。本当は誘拐されたジェシカが得意の空手を使い、拳銃を撃ちまくって、誘拐犯をやっつけるような展開であればベターである。

ロス市警内部に悪人がいるというのは、LAコンフィデンシャルと同じ設定。
 


■ あらすじ

◆ ジェシカ誘拐事件

ジェシカは、ウェストウッドのワイマン校の理科教師。同じ学校に通う息子のリッキー(アダム・テイラー・ゴードン)を送り出して自宅に戻ってきたところ、庭に通じているガラス戸が蹴破られて、数人の男が乱入してきた。ロス市警刑事のイーサン(ジェイソン・ステイサム)一味。

銃を突きつけられて誘拐され、ある三階建ての建物の屋根裏部屋に監禁された。ここまでは問答無用の展開。

誘拐されたのは、ジェシカの夫のクレイグ(リチャード・バージ)が犯人一味の麻薬取引に関する犯行現場を目撃し、その状況を撮影したヴィデオカメラを持っているため。

屋根裏部屋にあった電話は叩き壊された。だがジェシカは理科教師。壊された電話をいろいろといじくっているうちに電話が通じた。さっそく助けを求める。


◆ ライアン

偶然にジェシカの電話がかかった相手はライアン(クリス・エヴァンス)。ライアンは、言ってみればわりとチャライ感じの若者。ちょうど彼女のクロエ(ジェシカ・ビール)に振られたばかりである。振られた理由もライアンの性格的なものである。しかし、このライアンが大活躍をする。

電話を当然イタズラと思うが、警察署に行くと「四階に行け」とのこと。階段を上っていくが電波が弱くなり切れそうになる。またジェシカを脅す犯人の声が聞こえてきてイタズラではないと分かる。

犯人がリッキーも誘拐するというのでワイマン校に急ぐ。ちょうど終業の時刻で退出しようとしているリッキーを発見するが、間一髪でリッキーは誘拐されてしまう。

警備用の車を拝借して犯人を追跡する。しかしバスが間に割り込む、追い越そうとしたところ反対車線に入り込む、渋滞に巻き込まれた、ということで犯人を見失う。

さらに問題が発生。携帯の電池が切れそうになってきた。携帯の店に駆け込むが、混んでいて行列ができている。やむを得ず車の中にあった拳銃で脅して行列を無視して充電器を購入。注、ただし支払いすぎ。拳銃があったのは警備の車だから。

「今度はグレイグが危ない」とジェシカから連絡、ロスアンゼルス空港に向かう。しかしジェシカからの電話が隣を走っている弁護士の車の携帯に切り替わってしまう。携帯を取り換えてもらおうとするが、その間にライアンの車が衝突されて大破。

拳銃で脅して車を奪って空港へ。トンネルに入ってしまい電波が切れるので慌ててバックなどを経て空港到着。この後、車は駐車違反で摘発される。

ジェシカから容貌を聞いてグレイグと思われる人物に知らせるが別人。その間にグレイグは犯人たちに脅されて誘拐される。いったんグレイグはジェシカの所に連れてこられ脅される。

証拠のビデオが銀行の貸金庫に預けてあるとのことで、犯人はグレイグを連れて銀行へ行く。

一味とグレイグが銀行に到着し、貸金庫をもってくるように依頼。ライアンは渋滞に合いながらもタクシーで銀行に到着、一味の一人を殴って、証拠品が入ったバッグを奪って屋上に逃げる。一味も追いかけてくる。

この時にライアンは携帯を高いところから落として壊れてしまう。これでジェシカとの連絡手段がなくなる。屋上で追いつめられるがシューターを利用して脱出。

ここで先ほどの弁護士の車が(駐車違反なので)レッカーで運ばれていくのに遭遇。追いかけて保管場所に来る。弁護士も来ているが、再度車を拝借する。ライアンの携帯も戻った。

ライアンはイーサンの携帯に電話をかけて交渉する。注、イーサンの「なぜ番号が分かった?」との質問に「この携帯は50個まで履歴を記録できる」と答えるが、それ以前にイーサンと電話する場面はなく、ストーリーが省略されているものと思われる。

人質と証拠品の交換の順番でいったんは交渉決裂となるが、イーサンから再度電話。サンタモニカピアで交換ということになった。

イーサン一味は、先に到着し配置についている。ライアンも到着するが、イーサン一味には分からない位置に潜んでいる。

◆ ボブ・ムーニー

ライアンが警察署に駆け込んだ時に応対したのはボブ・ムーニー(ウィリアム・H・メイシー)巡査部長。まじめに勤めてはきたが出世はできず、まもなく退職の予定。退職後は妻とスパの店を開業するつもりである。

刑事のジャック・タナー(ノア・エメリッヒ)は、実は犯人の一味だが、一味に引き込みたいためか、何かとボブに話しかけてくる。しかしそれはボブの人間性を誤解しているというものである。

ボブはライアンに「四階に行け」と言った後、この件が気になり、マーティン家を訪れる。そこには一味の女性警官がいてボブに応対。ジェシカの顔は知らないので、事件性はないと判断して帰る。

しかし報道で、ライアンが携帯電話店で拳銃を使ったこと、弁護士を脅して車を奪ったことを知ると、再度マーティン家を訪れる。今度は庭を通って裏口に周る。ガラス戸が破れているので、拳銃を構えつつ中に入る。

先ほどの警官から無警告で銃撃を受けたので反撃し警官はそのまま死亡。ボブは負傷する。ジャックは「(警官が)何かしゃべったか?」とボブに確認する。

◆ ジェシカ

壊された電話でなんとかライアンと話している間に、リッキーが連れてこられて、そばにある小屋に監禁される。そして「リッキーを殺す」と脅されて、グレイグがロスアンゼルス空港に来ることを白状する。

その後グレイグも連れてこられるが、貸金庫にビデオカメラがあるということで、銀行へ連れていかれる。

(ライアンが携帯を落として壊したタイミングで)電話を操作すると、監禁されている家の下の階に電話が通じてしまう。

事態を察知した一味の一人が入ってきてジェシカを殴るが、ジェシカはナイフで男の上腕部動脈を切断する。ジェシカによれば、人体の大きな五本の動脈の一つとのこと。注、ナイフがなぜそこにあったのか?

男が倒れたので外に出てリッキーの監禁小屋に行くが、ちょうど銀行からイーサンが帰ってくる。隙をついて車を小屋にぶつけてリッキーを助け出すが、ナイフでやられた男を発見したイーサンが出てきて、手錠をかけられたグレイグに拳銃を突き付けて、ジェシカとリッキーを捕らえる。

三人は捕らえられてサンタモニカピアに向かう。グレイグは手錠をかけられて車の天井に縛られている。

◆ 決戦

イーサン一味とライアンはサンタモニカピアにいる。しかしイーサンはライアンの顔と居場所がわからない。

負傷しているボブはジャックの依頼を受けて、ライアンを探すためにサンタモニカピアに到着。

ライアンはフードを被って偽装している。しかしクロエが現われてフードを剥がして話しかける。これでボブとジャックにライアンの所在が分かる。ジャックはライアンを(ボブには分からないようにして)拳銃で脅してイーサンの所に連れて行く。

ボブは治療のため一味の連れの警官と現場を離れる。

ライアンは、一味から逃げ出して追いかけられるが、海に飛び込みボートハウスに逃げ込んで隠れる。イーサンが追いかけてくる。注、ボートハウスはかなり広くてごちゃごちゃしており暗い。

ボブと一緒に歩いている警官のトランシーバにイーサンからの連絡が入る。それを聞いてボブは彼ら自身が犯人であることを知る。格闘となり警官を手錠で柵に括り付けて、ライアンの救助にボートハウスへ向かう。注、イーサンから警官へのトランシーバで現場はボートハウスと分かる。

ボブが到着し、イーサンとボートハウスの中で銃を構えてボートなどに隠れながら相手をうかがう展開となる。ライアンは脚を撃たれて負傷。

イーサンがボブを後ろから狙う位置に来た。ボブは気がつかない。イーサンが引き金を引こうとする。ここでライアンがイーサンの携帯に電話をかけた。その音でボブがイーサンの位置を把握する。ボブは振り向きざまに引き金を引き、イーサンが倒れる。

ジェシカは、車の中で運転席にいる犯人の首を絞めて、手錠のカギを取り出してグレイグを助けようとするが、犯人が息を吹き返しジェシカに襲いかかる。ボートハウスの死闘が終わったライアンがちょうど駆けつけて、犯人を取り押さえる。

ジャックは逮捕された。そしてクロエはライアンを見直したようである。
 


■ 蛇足

本作は2004年製作で、使用されている携帯はNokia。エンドクレジットも携帯画面を利用している。

イーサンの悪役ぶりがなかなかである。

クリス・エヴァンスとジェシカ・ビールは、実生活でも恋愛関係にあったようである。


キム・ベイシンガー
(1978)ケイティ/Katie: Portrait of a Centerfold
(1981)解剖室殺人事件/KillJoy/Who Murdered Joy Morgan
(1982)大金塊/Mother Lode
(1984)ナチュラル/The Natural
(1986)ノーマーシィ/非情の愛/No Mercy
(1987)ブラインドデート/Blind Date
(1987)消えたセクシーショット/Nadine
(1988)花嫁はエイリアン/My Stepmother Is an Alien
(1989)バットマン/Batman
(1991)あなたに恋のリフレイン/The Marrying Man/Too hot to handle
(1992)愛という名の疑惑/Final Analysis
(1992)クールワールド/Cool World
(1993)ブロンディー/女銀行強盗/The Real McCoy
(1994)ゲッタウェイ/The Getway
(1994)プレタポルテ/Ready to Wear/Pret-a-Porter
(2000)永遠のアフリカ/I Dreamed of Africa
(2000)ブレス・ザ・チャイルド/Bless the Child
(2004)トラブル IN ベガス/Elvis Has Left the Building
(2004)セルラー/Cellular
(2006)マーメイドの祈り/The Mermaid Chair
(2006)ザ・ゲーム/Even Money
(2013)リベンジ・マッチ/Grudge Match