■ I Dreamed of Africa(2000)
小さな子供を連れて再婚し、牧場経営のためアフリカに移住する。
雄大な自然、行ったことがないのに既視感がある。
しかし過酷な気候、密猟者、夫と息子の死亡。


製作:2000年、脚本:ポーラ・ミルン、スーザン・シリディ、監督:ヒュー・ハドソン   予告編   予告編   予告編  


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■ はじめに

登場人物(キャスト)
 クーキー・ギャルマン(キム・ベイシンガー)
 パウロ・ギャルマン(ヴァンサン・ペレーズ) - クーキーの夫
 フランカ(エヴァ・マリー・セイント) - クーキーの母親
 エマ(リーアム・エイケン⇒ギャレット・ストロメン) - クーキーの息子

本作は実在の人物イタリア人のクーキー・ギャルマン(1943/06/01~)の体験にもとづいている。キム姐さんよりも10歳ほど年上。原作は「アフリカに恋して」(978-4794802743)、「I dreamed of Africa」(978-0670836123)。
 


■ あらすじ

◆ パウロとの出会い

クーキー・ギャルマン(キム・ベイシンガー)は離婚して7歳の息子のエマニュエルと実家に戻って暮らしている。実家は大きな屋敷で裕福なようである。夫は再婚したらしい。注、この時点ではまだギャルマン姓ではない。

冒頭はパーティ。クーキーもその中の一人。

パーティが終了してみんなでドライヴ。しかし事故が発生した。運転していたのはパウロ(バンサン・ペレーズ)。クーキーは脚を骨折して入院という事態になった。

母親のフランカ(エヴァ・マリー・セイント)とエマは毎日見舞いに来た。そしてパウロも見舞いに来た。運転者として責任を感じているのだろう。クーキーは「ご家族はいるの?」と聞いているので、もともとあまり親しくなかったのだろう。パウロは、体が動かせないクーキーに、鏡を使って満月を見せる。

退院してもパウロが訪ねてきた。二人はいろいろと話した。「死にかけたおかけで自分なりに考えた」。帰る時に「また寄って」と言う。ギブスが外れても、三人で散歩した。エマはパウロになついている。

◆ アフリカ移住

パウロは仕事を辞め家を売ってケニアに移住するらしい。牧場経営。クーキーも同行することを決意する。フランカは反対する。母親としては当然の反応だろう。クーキーは「エマがいないと寂しいからでしょう」と反論する。

三人はケニアに出発する。雄大な自然、野生動物。行ったこともない土地なのに既視感がある。「アフリカに抱かれ、思いがけない幸せ」。

しかし、そこには野生動物の密猟、不便な生活、過酷な自然があり、また牧場経営がうまくいかなくて自殺した家族もいるようである。注、本作では牧場経営の状況についてはほとんど描かれない。

◆ パウロ

パウロは人間としてはよいのだが、わりといい加減なところがあり、やるべきことをきちんとやらない。このような性格である。牧場をほおって狩猟に出かけて何日も帰ってこないなど。

クーキーは、パウロのこのような性格にたびたび怒りをぶつける。クーキーは自力で問題に対処していく。そのようにせざるを得ない。「牧場の運営もほおっておいて!仕事は山積みよ」。

パウロがバッファローに襲われケガをした。しかしケガがよくなると、またどこかに行こうとする。「また行くのね。私は人生をやり直すために来たのよ。手に何か持っているとあなたを殴りそう」。

しかしパウロを好きであるという気持ちは揺るがないようである。そして妊娠が判明する。パウロは生まれてくる子供にメッセージを書いて風船に入れる。注、この間にパウロが密猟者に襲撃される事件が発生する。

突然、パウロの車がトラックと衝突したという連絡が入った。慌てて現地に駆け付けるが、すでに死亡。遺体を飛行機で運んで埋葬する。

そして子供が生まれる。女の子。スヴィーヴァ。

◆ 疫病と密猟者

家畜が病気に罹った。水飲み場で感染したようである。その水飲み場は近くの村と共用している。

クーキーは、その村に出向いてリーダーと対策を話そうとするが、リーダーは「家畜よりも子供の命が大事だ」と話をいったんは話を拒否する。が、クーキーの説得に応じる。注、リーダーは盲目のようである。

クーキーは自らブルトーザを運転して水飲み場の工事を行う。

密猟者が横行しているので、クーキーは再度リーダーに交渉しに行く。結果、その村のメンバーを集めて自警団を作り、射撃の訓練をする。


◆ エマ

エマは近くの子供ともすぐに仲良くなる。ヘビを見つけて飼い始める。三人で海岸に釣りに行ったりする。

そして学校に入学する。近くにはないので寄宿舎住まいである。エマは嬉しそう。時々帰ってくる。

ある時クーキーはエマが毒蛇を飼っているのを発見して注意する。しかしエマは言うことを聞かない。

卒業の時期となった。エマに大学から合格通知が届いた。クーキーは喜んだが、エマは進学しないという。だが説得の結果、エマは進学する気になったようである。送別のパーティが開かれる。同じくらいの年齢の女の子とダンスをする。目隠しして横に渡した柱の上を歩くゲームをする。注、受験する場面はない。

しかし大事件が発生した。エマが飼っていた毒蛇に噛まれた。大急ぎで手当てをするが、甲斐もなく死亡。クーキーは泣き叫ぶ。

◆ 母親

フランカが折に触れて訪ねてくる。そしてクーキーに帰国するようにと説得する。

クーキーは、激しく反論するわけではないが、アフリカに住み続けるという決意は固いようである。

しかしエマの死亡時に訪れた時には、フランカは、もうそのことには触れない。

◆ その他

雄ライオンが襲ってくる場面がある。犬がとびかかり殺される。

夜、象が襲ってくる場面がある。クーキーはランプをかざして大きな声で叫ぶ。しばらくして象は立ち去る。
 


■ 蛇足

本作はエマが死亡して埋葬するところで終了している。原作のストーリーは、その後も長い展開がある(らしい)。レヴューを見てみると、その後の過酷な状況が描かれているらしい。

本作は牧場経営の状況やエマ死亡後の状況には触れられておらず、わりあいとあっさりしている。どこまでを映画のストーリーとして切り出すかは微妙であろう。もしこれらも含めるとなると、三時間以上の長さが必要となり、さらに「この映画のポイントはなんなのか?」ということも問題となる。映画の長さから考えれば致し方ないだろう。それを考えると本作はきちんとまとまった形をしている。

エヴァ・マリー・セイントは、1924年生まれで、2014にも「ニューヨーク 冬物語」という映画に出演している。スゴイ。


キム・ベイシンガー
(1978)ケイティ/Katie: Portrait of a Centerfold
(1981)解剖室殺人事件/KillJoy/Who Murdered Joy Morgan
(1982)大金塊/Mother Lode
(1984)ナチュラル/The Natural
(1986)ノーマーシィ/非情の愛/No Mercy
(1987)ブラインドデート/Blind Date
(1987)消えたセクシーショット/Nadine
(1988)花嫁はエイリアン/My Stepmother Is an Alien
(1989)バットマン/Batman
(1991)あなたに恋のリフレイン/The Marrying Man/Too hot to handle
(1992)愛という名の疑惑/Final Analysis
(1992)クールワールド/Cool World
(1993)ブロンディー/女銀行強盗/The Real McCoy
(1994)ゲッタウェイ/The Getway
(1994)プレタポルテ/Ready to Wear/Pret-a-Porter
(2000)永遠のアフリカ/I Dreamed of Africa
(2000)ブレス・ザ・チャイルド/Bless the Child
(2004)トラブル IN ベガス/Elvis Has Left the Building
(2004)セルラー/Cellular
(2006)マーメイドの祈り/The Mermaid Chair
(2006)ザ・ゲーム/Even Money
(2013)リベンジ・マッチ/Grudge Match