ベスト・キッド
ネタバレありアマプラで配信されていたので、懐かしくて久しぶりに観た、1984年公開のオリジナル版。リメイクとか続編とかスピンオフとかいろいろあるけど、やっぱりこの一作目が最高。『ロッキー』のジョン・G・アヴィルドセン監督であり、『ロッキー』同様、ためてためてからの最後のスカッと感が半端ない。これはうん十年過ぎた今も色あせない。また、『ロッキー』同様最後はすぱっと終わらせる。そこがまたなんとも言えない余韻が残る。80年代らしい挿入歌、"You're the Best"もいいよね。なんてことのない管理人の老人が実は空手の達人でめっちゃっ強いとか、ワックス、やすり、ペンキ塗りなどの雑用がすべて鍛錬であり、知らず知らずの内に空手の型が出来ているなどの展開も何度観ても「おお!」と思わせるし、ミヤギとダニエルのふれあいも微笑ましい。ミヤギからクラシックカーをプレゼントされるシーンなんてジーンとしちゃうね。でも、せっかくミヤギさんがケーキ用意してお祝いしてくれてるのに、さっさとお母さんが待っているからと帰ってしまうダニエルさんはどうなのよと思っちゃったわ。しかも結局家に帰らず彼女と新しい車でデートしてるし。まあ、それはともかく、ダニエルはあくまで自衛の為に技を磨くというスタンスも良かった。対して、コブラ会がことごとくあくどくて、だからこその最後のカタルシス。敵であったジョニーがダニエルを認めてトロフィーを渡すシーンもジーンときちゃう。いや、今となってはベタ中のベタ展開だが、やっぱそこがいいのだ。ひどくやられるダニエルを心配そうに見つめるミヤギがまたいいよね。きゅんとなる。そしてミヤギの満足げな顔で終わるラストカットがまたよい。ミヤギを演じるノリユキ・“パット”・モリタは日系二世で、コメディアンでもあるのね。空手シーンは結構様になっているけど、調べてみても特に武道をやっていたという記述はない。もともとは三船敏郎がオファーされていたと言うが、三船敏郎だとガチになりすぎる気がするので、パット・モリタの方がライトなユーモアがあってはまっていたかも。とにかく何も考えずに爽快感を味わえる、傑作!今はこんな単純明快な爽快感を味わえる映画はなかなかない気がする。