久しぶりに凄まじい香港アクションを見た気分。

チャウ・シンチー『カンフーハッスル』以来かなー。

 

原作はコミックらしいけど、自分は未読。というか、日本語版あるのか?

 

勿論アクションは見所なんだけど、個人的にこの映画に一番惹かれた理由が、10億円かけて再現したという九龍城砦

廃墟好きとしては、九龍城砦のこの複雑な建築構造と化した魔窟に超惹かれる!

このわくわく感は軍艦島に対するわくわく感と似ているかも。

 

日本でもウェアハウス川崎九龍城砦をモチーフにしたゲームセンターがあって、一度行ってみたかったのだが、2019年に閉店してしまった。跡地も今はコインパークになっているとか。もったいない。

数年前、この九龍城砦の写真集を知人に借りたこともあって、私の中では九龍城砦はずっと気になる場所だった。

個人的には80年代に香港を旅行したことがあるのだが、当時は九龍城砦の存在など知るよしもなく、知ったところで観光も出来なかったとは思うけど、あの時期九龍城砦が存在していたのだと思うとなんとなく悔しい気持ちになる。で、そんな無念を擬似的に晴らしてくれたのが、この映画。

大画面の中で、主人公と共に、ちょっとしたダンジョンを冒険するような気持ちが味わえる。

ウェアハウス川崎みたいにアトラクションとして九龍城砦、どっかで復活させてくれないかなー。

80年代の香港の雰囲気が再現されているのも当時を思い出すし、あのビル群すれすれの高さを飛行する飛行機が香港名物だったなーと懐かしまれる。そういう意味では九龍城砦の中から下降する巨大な飛行機を見上げるシーンなどがとても良かった。

 

香港アクションはとにかく容赦がなく痛々しい。みなさん体が丈夫で、普通はもう死んでるだろうってシチュエーションが結構多い。

そんな激しいアクションの中にもちょっと感動的な展開もあり、面白く観られた。

 

この作品、三部作になるらしく、さらに前日譚と後日談、スピンオフまで準備されているらしい。すごー。

個人的には、前日譚となるチャン・ジムやロン、秋などの九龍城砦抗争が観たい。

 

ちなみに邦題とロゴのデザインがいまいちなのよね日本のポスター。

 

 

ネタバレ

 

とにかくロンさんが格好良かった。

登場からして格好いい。普通の理髪店の店主と思いきや、むっちゃ強い展開にしびれる。

主人公に飯を食べさせたり、部屋を貸してくれたり、ちょいちょい見せる優しさも素敵。九龍城砦の住人への心配りも素晴らしい。

しかし、ロンさんとしてはチャン・ジムへの義理があったのかもしれないが、主人公を助けるための犠牲が大き過ぎるなー。

このロンさんが死んでしまったので、今後の三部作に対する期待はやや落ちる。

 

主人公は松本人志小栗旬を足して二で割ったようなイケメン。

そこまで強くないのがちょっと心持たない。

 

ソンヤッもイケメン。でもやっぱりそこまで強くなく…。

 

セイジャイはもともとは田原俊彦似のイケメンらしいが、白いマスクをしている様が変態仮面を思い出させる。

切られた顔を隠しているというので、どんなひどい顔なのかと思ったら、マスクとっても普通にイケメンだった。

 

サップイーいい奴だった。

この四人の若者が今後のシリーズのメインキャラとなるのかな? 全員そこまで強くないんだけどね。

最後になって、あんな高いところで四人で夕日を観る意味がわからんと高所恐怖症の自分は思うのだった。

 

サモ・ハン観るの久しぶりだったけど、ちゃんと強い役だった。73歳だけどまだキレのあるアクションをこなしている。

 

あと、名前わからんけど、刀を振り回す奴が結構好きだったのに、あっさりやられて残念だったな。

 

秋兄貴役の人も悪くない。妻子の復讐心によって却って身を滅ぼしかけるも、復讐相手に救われるという展開が感動的だった。

三ヶ月もあんな檻にいたら、エコノミークラス症候群になりそう。

 

そしてこの映画、気功術が無敵過ぎる。

こいつがへらへらしてかなり不快な奴だったので、早くやられてくれないかなーと思って見てた。

アクション指導が『るろうに剣心』を手がけた谷垣健治というのもあって、ラストバトルがしつこいんだ。

『るろうに剣心 伝説の最期編』のラストバトルよりは全然面白く見られたけどね。でも強敵を何人かで倒そうとするシチュエーションはまったく同じだな。