劇団四季の『ウィキッド』は3回くらい観てるし、ブロードウェイ版と四季版のサントラも何度となく聴き、なんだったらカラオケでも歌っているので、そんな作品の映画化と聴いて、とても楽しみにしていたのだが、映画化が2012年に決まってから、まあ、10年以上待たされたねー。もう映画化の話は流れたんじゃないかと思ってたよ。
しかもこの作品二部作になると聞いて、いや、長編になってもいいから一作で終わらせてくれよーって気分でありんした。
しかも前半だけで160分! おいおい!
舞台の上演時間だって2幕約3時間だと言うのに、無駄に引き延ばしていないかと不安になる。
実際舞台版になれているせいで、歌以外のドラマ部分が丁寧に描いているのはわかるけどちょっとかったるく感じる。
グリンダの元の名前がガリンダとか、舞台版には無かった設定をあえて加える必要性があるのだろうかと首をかしげる部分もある。
さらに、映画的に盛り上げなければならないのだろうが、最後の逃走シーンも長くてちょっと飽きてしまう。
こう言ってはなんだが、そこまで引き伸ばすようなお話かなーという気持ちになってしまうんだな。やっぱり舞台版くらいのテンポが丁度いいというか。
もともとの物語もそうだけど、ここ最近のディズニーにとっては多様性を打ち出す格好の題材。
肌の色で差別されるエルファバに黒人起用と、わかりやすいまでの配役。グリンダの取り巻きが体格の良い女性とゲイっぽい男性。マダム・モリブルはアジア系。とあっちもこっちも多様性への目配せに余念が無い。
当初、シンシア・エリヴォの配役を知った時は、写真を見てフィエロはちゃんとエルファバに好意を持てるのか不安になってしまったが映画では意外に可愛い感じもあったので違和感はなかった。映画のエルファバは魔法使いというより超能力者みたいでキャリーを彷彿とさせる。
アリアナ・グランデ=ブテーラのエルファバはばっちりはまっているが、アリアナがなんだか痩せ過ぎちゃって、それはそれで心配になる。
フィエロはまあ、あんなもんかなーという感じのイケメンで悪くない。
ディラモンド教授は舞台では人間が演じるから気にならなかったけど、リアルにするとこういうことだよなーっと言う気分になった。
オズの魔法使いはなぜかジェフ・ゴールドブラム。この人って歌えるんだ。まあ、オズの魔法使いが歌う場面はそうないからいいんだろうけどね。
予備知識がなかったけど、元祖ブロードウェイキャストのイディナ・メンゼルとクリスティン・チェノウェスがサプライズゲストで登場する。これはちょっと贅沢な感じがあってよかった。というか、やっぱり年齢の問題がなければイディナ・メンゼルのエルファバが観たかった気がする。
散々聴き込んだ曲だし、歌の場面は概ね良かった。『グッドニュース』『魔法使いと私』など何度か歌の終わりに拍手したい衝動に駆られた。特に『大嫌い!』『ポピュラー』がかわいかった。
ただ、舞台版と違って、映画はリアルな空間が映し出されるから、歌っている人物が背景に対して小さく見えて、OPの『グッドニュース』とか『自由を求めて』は人物の存在感がちょっと目減りしたような気もする。
また、このミュージカル最大の見せ場でもある『自由を求めて』もいらんカットを加えて間延びしちゃって、演出がくどいというか、せっかくの盛り上がりがちょっと冷めてしまったのがもったいない。一番盛り上がる部分がやたらじらされるのでイライラしちゃった。これサントラ盤で聴いたら映像がない分もっとイライラしそう。
まあ、予想通り今回は舞台版の一幕と同じところでPart1終了。
正直舞台版も『自由を求めて』がテンションMAXなんで、二幕目はちょっとテンション落ちる。
そうでなくても自分が好きな曲が前半に固まっているので、後半はそこまで期待してないけど、まあ、公開されたら一応観るつもり。
だから、なるべく早く公開してねー。