源氏イラスト訳【若紫382】官服 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫382】官服

見も知らぬ、四位、五位こきまぜに、隙なう出で入りつつ、「げに、をかしき所かな」と思す。御屏風どもなど、いとをかしき絵を見つつ、慰めておはするも、はかなしや。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

知ら四位、五位こきまぜに、隙なう出で入りつつ

訳)たこと ない四位や五位の人々の服装が色とりどりに入り混じって、ひっきりなしに出入りしては

 

 

げにをかしきかな思す

訳)本当に素晴らしいだわお思いになる

 

 

屏風どもなどいとをかしきつつ

訳)屏風などの、とても素晴らしいながら

 

 

いとをかしきつつ慰めおはするはかなし

訳)気持ちを慰めいらっしゃるあどけないことよ

 

 

【古文】

知ら四位、五位こきまぜに、隙なう出で入りつつ、「げにをかしきかな思す屏風どもなどいとをかしきつつ慰めおはするはかなし

 

【訳】

たこと ない四位や五位の人々の服装が色とりどりに入り混じって、ひっきりなしに出入りしては、「本当に素晴らしいだわお思いになる屏風などの、とても素晴らしいながら気持ちを慰めいらっしゃるあどけないことよ

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【見も知らぬ】…見たこともない

※【見】…マ行上一段動詞「見る」連用形

※【も】…強意の係助詞

※【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【四位・五位(しゐ・ごゐ)】…四位・五位の官職の男達。四位は黒、五位は緋色の服を着る。

■【こきまぜ】…ザ行下二段動詞「こきまず」連用形

※【こきまず】…かきまぜる

■【に】…状態の格助詞

■【隙(ひま)なう】…ク活用形容詞「隙なし」連用形ウ音便

※【隙(ひま)なし】…絶え間がない。ひっきりなしである

■【出で入り】…ラ行四段動詞「出で入る」連用形

■【つつ】…継続の接続助詞

■【げに】…ほんとうに。なるほど

■【をかしき】…シク活用形容詞「をかし」連体形

※【をかし】…趣深い。すばらしい

■【かな】…詠嘆の終助詞

■【と】…引用の格助詞

■【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬語(作者⇒若紫)

■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒若紫)

■【屏風(びょうぶ)】…移動式の仕切りの調度

■【―ども】…複数の接尾語

■【など】…例示の副助詞

■【いと】…とても

■【をかしき】…シク活用形容詞「をかし」連体形

※【をかし】…趣深い。すばらしい

■【を】…対象の格助詞

■【見】…マ行上一段動詞「見る」連用形

■【つつ】…継続の接続助詞

■【慰め】…マ行下二段動詞「慰(なぐさ)む」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【おはする】…サ変動詞「おはす」連体形

※【おはす】…「あり」の尊敬語(作者⇒若紫)

■【も】…強意の係助詞

■【はかなし】…取るに足りない。あどけない

■【や】…詠嘆の間投助詞

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「四位・五位」というのは、

男性の官職のことです。

 

当時は、官位によって服の色が変わります。

 

 

若紫は、四位の黒い官服や、五位の緋色の官服を見て、

その色鮮やかな様子に見入っていたのですね。

 

ウインク

 

2014年度のセンター試験で『源氏物語』が出題されましたが、

その内容は、「夕霧」の話でした。

(詳しくは、アメンバー記事をご参照に)

 

夕霧は、今をときめく光源氏の息子なのに、

六位の官職からの出発であり、

浅葱(あさぎ)色の官服だったため、

恋人の乳母に「六位宿世よ」と蔑まれ、

あさみどりとや言ひしをるべき」と詠んだ歌も有名で

よく大学入試に問われます。

 

ゲロー


 

>>次へ

 

>>初めから読む