源氏イラスト訳【若紫383】手習 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫383】手習

君は、二、三日、内裏へも参りたまはで、この人をなつけ語らひきこえたまふ。やがて本にと思すにや、手習、絵などさまざまに書きつつ、見せたてまつりたまふ。

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YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

、二、三日、内裏参りたまは

訳)源氏の君、二、三日、宮中参内なさらないで

 

 

この人なつけ語らひきこえたまふ

訳)この姫君手なづけようとあれこれ語らい申し上げなさる

 

 

やがて思す

訳)そのまま手本しようお思いになっているであろう

 

 

手習、絵などさまざまに書きつつ見せたてまつりたまふ

訳)手習いや、お絵描きなどいろいろと書(描)きながら見せ申し上げなさる

 

 

【古文】

、二、三日、内裏参りたまはこの人なつけ語らひきこえたまふやがて思す手習、絵などさまざまに書きつつ見せたてまつりたまふ

 

【訳】

源氏の君、二、三日、宮中参内なさらないでこの姫君手なづけようとあれこれ語らい申し上げなさるそのまま手本しようお思いになっているであろう手習いや、お絵描きなどいろいろと書(描)きながら見せ申し上げなさる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【君】…源氏の君。光源氏

■【は】…取り立ての係助詞

■【内裏(うち)】…宮中

■【へ】…方向の格助詞

■【も】…強意の係助詞

■【参り】…ラ行四段動詞「参る」連用形

※【参る】…「行く」の謙譲語(作者⇒帝)

■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【で】…打消接続の接続助詞

■【この人】…若紫の姫君のこと

■【を】…対象の格助詞

■【なつけ】…カ行下二段動詞「なつく」連用形

※【なつく】…手なずける。なつかせる

■【語らふ】…あれこれ語り合う

■【きこえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」連用形

※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(作者⇒若紫)

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【やがて】…そのまま

■【本(ほん)】…手本

■【に】…対象の格助詞

■【と】…引用の格助詞

■【思す】…「思ふ」の尊敬語(作者⇒光源氏)

■【にや】…~であろうか

※【に】…断定の助動詞「なり」連用形

※【や】…疑問の係助詞

■【手習(てならひ)】…修辞。文字を習うこと

■【など】…例示の副助詞

■【さまざまに】…ナリ活用形容動詞「さまざまなり」連用形

■【つつ】…継続の接続助詞

■【見せ】…サ行下二段動詞「見す」連用形

■【たてまつり】…ラ行四段動詞「たてまつる」連用形

※【たてまつる」…謙譲の補助動詞(作者⇒若紫)

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏は、若紫の気を引くための絵や書を、

そのまま手本にしようとのお考えからか、

いろんな手法で、描いてあげたようですね。

 

 

「にや」というのは、

「~であろうか」という、係り結びの省略形です。

 

 

これがあったら、(  )にくくって、

心中挿入句として扱うと、訳しやすくなると思います。

 

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