源氏イラスト訳【若紫315】父の涙 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫315】父の涙

見わたしたまひて、

「かかる所には、いかでか、しばしも、幼き人の過ぐしたまはむ。なほ、かしこに渡したてまつりてむ。…」

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見るだけで楽に、古文の速読力が身についてきます。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

見わたしたまひて、

訳)ぐるっと見渡しなさって、

 

 

かかるは、いかでしばし幼き過ぐしたまは

訳)このようなは、どうして少しの間幼い子供過ごしなさるだろうか、いや過ごせないだろう

 

 

なほかしこ渡したてまつり。…」

訳)やはりあちらにお引き取り申し上げ よう。…」

 

 

【古文】

見わたしたまひて、

かかるは、いかでしばし幼き過ぐしたまはなほかしこ渡したてまつり。…」

 

【訳】

ぐるっと見渡しなさって、

このようなは、どうして少しの間幼い子供過ごしなさるだろうか、いや過ごせないだろうやはりあちらにお引き取り申し上げ よう。…」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【見わたし】…サ行四段動詞「見わたす」連用形

■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒兵部郷宮)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【かかる】…このような

■【に】…場所の格助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【いかで】…どうして~か(いや~ない)

■【か】…反語の係助詞

■【しばし】…少しの間

■【も】…強意の係助詞

■【幼き人】…若紫をさす

※【幼き】…ク活用形容詞「幼し」連体形

■【の】…主格の格助詞

■【過ぐし】…サ行四段動詞「過ぐす」連用形

※【過(す)ぐす】…過ごす。暮らす

■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(兵部郷宮⇒若紫)

■【む】…推量の助動詞「む」連体形

■【なほ】…やはり

■【かしこ】…あちら。ここでは、兵部郷宮の自邸をさす

■【に】…場所の格助詞

■【渡し】…サ行四段動詞「渡す」連用形

※【渡(わた)す】…移動させる。引き取る

■【たてまつり】…ラ行四段動詞「たてまつる」連用形

※【たてまつる】…謙譲の補助動詞(兵部郷宮⇒若紫)

■【て】…強意の助動詞「つ」未然形

■【む】…意志の助動詞「む」終止形

 

重要古語一覧はこちら

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☆本日の『源氏物語』☆

 

もの寂しい六条邸に、寂しく暮らす若紫を

あわれに思っている、父兵部郷宮。。。

 

 

今まで、放っておいたのに…

と思っていましたが、

 

彼の言葉のなかに、「なほ」という重要古語があります。

 

これは、「やはり」という意味であり、

何らかの前提があっての「やはり」ですよね。

 

つまり、以前から若紫を自邸に移そうという意図があったものの、

少納言の乳母の言葉にもあったように、

正妻が来るのを嫌がっている、とか、

いろんな事情から、それをしてこなかったのが、わかります。

えー

 


 

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