源氏イラスト訳【若紫241】案内
人入れて案内せさす。わざとかう立ち寄りたまへることと、言はせたれば、入りて、
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けっして面白いものではありませんが、
がんばって視聴してもらうと、古文の速読力が身についてきます。
ためしに見てみてくださいねっ♪
【源氏物語イラスト訳】
人入れて案内せさす。
訳)惟光は従者を入れて取り次ぎを請わせる。
わざとかう立ち寄りたまへることと、言はせたれば、
訳)わざわざこのように立ち寄りなさった旨を、
入りて、
訳)入って行って、
【古文】
人入れて案内せさす。わざとかう立ち寄りたまへることと、言はせたれば、入りて、
【訳】
惟光は従者を入れて取り次ぎを請わせる。わざわざこのように立ち寄りなさった旨を、(惟光は従者に)言わせたので、(取り次ぎに出た家の者は)中に入って、
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■【人】…お供の者。従者
■【入れ】…ラ行下二段動詞「入る」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【案内(あない)】…取り次ぎを請う
■【せ】…サ変動詞「す」未然形
■【さす】…使役の助動詞「さす」終止形
■【わざと】…わざわざ
■【かう】…このように
■【立ち寄り】…ラ行四段動詞「立ち寄る」連用形
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【こと】…旨
■【と】…引用の格助詞
■【言は】…ハ行四段動詞「言ふ」未然形
■【せ】…使役の助動詞「す」連用形
■【たれ】…完了の助動詞「たり」已然形
■【ば】…順接確定条件(原因・理由)の接続助詞
■【入(い)り】…ラ行四段動詞「入る」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
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…この部分、まったく主語が書かれていません。
そういう場合、主語を見分けるポイントになるのは
「敬語の有無」です。
今回は、「案内せさす」「言はせたれば」「入りて」
の述部には、敬語が入っていませんね。
尊敬語を使っていないということは
主語は従者でしょう。
「言はせたれば」/「入りて」
↑
この「/」の前後で主語が変わるので
光源氏の従者の行為から、尼君の従者へと
主体が変わったことが確認できます。
このような主語の移り変わりを
イラスト訳で、イメージを持たせながら
理解していきましょうね♪