【若紫109-3】古文単語「読経」☆
古文単語には、
1.とにかく丸暗記して覚える
2.漢字やイメージで覚える
3.文脈判断で決める
などの覚え方があります。
今回は、漢字のイメージで覚える古語☆
【今回の源氏物語】
すこしねぶたげなる読経の絶え絶えすごく聞こゆるなど、すずろなる人も、所からものあはれなり。まして、思しめぐらすこと多くて、まどろませたまはず。
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今回出てきた古文単語
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■【すこし】…ちょっと。少し
■【ねぶたげなる】…ナリ活用形容動詞「ねぶたげなり」連体形
※【ねぶたげなり】…眠たそうである
■【読経(どきょう)】…お経を読むこと
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【絶え絶え(たえだえ)】…途絶え途絶えに
■【すごく】…ク活用形容詞「すごし」連用形
※【すごし】…もの寂しい
■【聞こゆる】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連体形
※【きこゆ】…聞こえる
■【など】…例示の副助詞
■【すずろなる】…ナリ活用形容動詞「すずるなり」連体形
※【すずろなり】…何ということもない
■【人】…人。ここでは一般の人をさす
■【も】…類推の係助詞
■【所から】…場所柄
■【ものあはれなり】…しんみりとする。もの悲しい
■【まして】…ましてや(~はなおさらだ)
■【思し巡らす】…いろいろ考えなさる
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
※【思ひめぐらす】…いろいろと考える
■【多く】…ク活用形容詞「多し」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【まどろま】…マ行四段動詞「まどろむ」未然形
※【まどろむ】…ウトウトする
■【せ】…尊敬の助動詞「す」連用形
※【れ】…可能の助動詞「る」の連用形
■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形
◇ 今回は「せ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「読経 」☆
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すこしねぶたげなる読経の絶え絶えすごく聞こゆるなど、すずろなる人も、所からものあはれなり。まして、思しめぐらすこと多くて、まどろませたまはず。
問)次の傍線部の説明として最も適当なものを1つ選べ。
1.少し眠たそうな僧都のお勤めの声が、途絶え途絶えではあるが、もの寂しげに聞こえる
2.少し眠たそうな小坊主のいびきが、途絶え途絶えではあるがものすごい音量で聞こえる
3.少し眠たそうな女房たちのささやきが、途絶え途絶えではあるが、気味悪げに聞こえる
4.少し眠たそうな僧都のいびきが、途絶え途絶えではあるがものすごく大きく聞こえる
5.少し眠たそうな女房たちの経文を読む声が、途絶え途絶えに弱々しく聞こえる
古文読解のためには
次の3つの知識が必要です。
● 古文単語をきっちり覚える
● 古典文法を押さえる
● 古文常識を理解する
この【重要古語】カテゴリでは
今回出て来た『源氏物語』の一語一語を
詳しく解説しつつ、
特に今回注目したい古語をピックアップして
詳しく解説しています。
今回の古語はこれ☆
今でも用いますが、
若い受験生の皆さんは、知らないかも…;;
「読経」=「お経を読む」
「経(きょう)」というのが
お坊さんが唱える「経文(きょうもん)」だと分かれば
すぐにイメージはつきますよね!
「女房」が読むんじゃないですよぉ~::
ちなみに、
「すごく(すごし)」は
「ぞっとするほど寂しい」という重要古語ですので
これで引っかかった人は、下のリンクもご参照くださいね。
【答え】…1
すこしねぶたげなる読経の絶え絶えすごく聞こゆるなど、すずろなる人も、所からものあはれなり。まして、思しめぐらすこと多くて、まどろませたまはず。
● 過去記事リンク
■~げなり
■絶え絶え
■すごし
■きこゆ
■も
■まして
■まどろむ
■たまふ
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