【夕顔294-3】古文単語「すごし」
古文単語帳に載っていない古語は、
現代の感覚でも分かる言葉だから。
要らない単語ってワケじゃないんですよ!
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【イメージ】で丸覚えしましょ♪
【今回の源氏物語】
辺りさへすごきに、板屋のかたはらに堂建てて行へる尼の住まひ、いとあはれなり。
――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――
■【辺り(あたり)】…周囲の様子
■【さへ】…~までも(添加の副助詞)
■【すごき】…ク活用形容詞「すごし」連体形
※【すごし】…ぞっとするほどもの寂しい
■【に】…添加の格助詞
■【板屋(いたや)】…板葺(ぶ)きの(粗末な)家
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【かたはら】…そば。隣
■【に】…場所の格助詞
■【堂(どう)】…(寺の)お堂
■【建て】…タ行下二段動詞「建つ」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【行へ】…ハ行四段動詞「行ふ」已然形
※【行(おこな)ふ】…仏道修行する
■【る】…存続の助動詞「り」連体形
■【尼(あま)】…山寺に住む尼僧(にそう)
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【住まひ】…住まい。家
■【いと】…たいそう。とても
■【あはれなり】…身にしみてもの寂しい
◇ 今回は「あはれなり」にも注意しましょ♪
―――――――――――――
☆ 本日の古文単語「すごし」 ☆
―――――――――――――
辺りさへすごきに、板屋のかたはらに堂建てて行へる尼の住まひ、いとあはれなり。
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
1.山寺の周囲までものすごい風が吹き荒れている上に
2.山寺の周囲ばかりがすばらしい景色である上に
3.山寺の周囲さえすさまじい荒れ果て様である上に
4.山寺の周囲までもぞっとするほどもの寂しい上に
5.山寺の周囲さえ何にもなく殺風景な上に
「すごし」という形容詞は、
古今異義語の中でも、もっとも頻出です!
【すごし(凄し)】
【形容詞:ク活用】
①気味が悪い
②もの寂しい。ぞっとするほど寂しい
③殺風景だ。冷ややかだ
④ぞっとするほどすばらしい
※Weblio古語辞典より
要するに――
ぞっとするイメージ
①ぞっとする⇒気味が悪い
②ぞっとする⇒~ほど寂しい
③ぞっとする⇒~ほど冷ややか
④ぞっとする⇒~ほどすばらしい
やばっ
と一緒で、
心にマイナスイメージとして突き刺さる言葉が、
現代では”ものすごい”イメージとして
使われることが多いようですね。
1.山寺の周囲までものすごい風が吹き荒れている(×)上に
2.山寺の周囲ばかりがすばらしい景色(△)である上に
3.山寺の周囲さえすさまじい荒れ果て様(×)である上に
4.山寺の周囲までもぞっとするほどもの寂しい(○)上に
5.山寺の周囲さえ何にもなく殺風景(○)な上に
選択肢4と5にしぼれます。
あとは、副助詞「さへ」の添加の用法を
しっかりとらえた訳出を選びましょ♪
(*^_^*)ノ
【解答】…4
辺りさへすごきに、板屋のかたはらに堂建てて行へる尼の住まひ、いとあはれなり。
● 過去記事リンク
■すごし
■いと
ーーーーーーーーーーー