【帚木410-3】「すごし」☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木410-3】「すごし」☆

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ 

 

さあ!今日は重要古語!

毎日、少しずつ入れていきましょぉ♪

(ノ´▽`)ノ

 

帚木410のイラスト訳はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

何心なき空のけしきただ見るから艶にすごく見ゆるなりけり

 

――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――

■【何心無し】…なにげない。何の風情もない

※【何心】…どのような心。どのような風情

■【けしき】…様子

■【も】…強意の係助詞

■【ただ】…ただ。ちょうど

■【から】…~によって原因の格助詞

■【艶なり】…しっとり美しい。優美で風情がある

■【も】…列挙の係助詞

■【すごし】…もの寂しい。冷ややかだ

■【も】…列挙の係助詞

■【見ゆ】…見えるヤ行下二段動詞

■【なりけり】…~であるなあ

※【なり】…断定の助動詞「なり」の連用形

※【けり】…詠嘆の助動詞「けり」の終止形

 

 

 

単語の意味文法的説明です。

「重要古語一覧」もご参照ください。

 

 

――――――――――
今日の古語 「すごし」

――――――――――

 

「すご」いというのは、


すごい!

 

現代でもよく使う単語ですよね。


 

ただ、古文で出てくる「すごし」は、

語源としては同じですが、

ちょっとニュアンスが違うのでご注意を!

(o^-')b

 

すごし【凄し】
 (ク活用形動詞

①気味が悪い
②もの寂しい。ぞっとするほど寂しい

③殺風景だ。冷ややかだ
④ぞっとするほどすばらしい


 *「学研全訳古語辞典」より

 

 

全体的に、

ぞっとするようなイメージの古語☆

 

①ぞっとする⇒気味が悪い

②ぞっとする⇒~ほど寂しい

③ぞっとする⇒~ほど冷ややか

④ぞっとする⇒~ほどすばらしい
 

現代の「すごい」は、

④の「ぞっとするほどすばらしい」が

一人歩きしたイメージですね♪

ヽ(゚◇゚ )ノ


 

――――――――――
私大マーク古文 例題

――――――――――

 

何心なき空のけしきも、ただ見る人から、艶にもすごくも見ゆるなりけり。

問題)傍線部の解釈として最も適当なものを、次の中から選べ。

1.趣があって面白いと思えたり、すばらしいと思えたりする。

2.なまめかしく艶っぽいと思えたり、めったにないと思えたりする。

3.優美で風情があると思えたり、冷ややかで殺風景に思えたりする。

4.ちょっと気味が悪いと思えたり、非常に気味が悪いと思えたりする

5. 幽閉されているように思えたり、解き放たれたように思えたりする。



単語の意味が文脈にマッチできるかという問題☆

私大推薦やMARCHレベルで出題されそう♪

▽ ̄)ノ″
 

 

※答えはいちばん下にあります。

 

―――――――――――――
☆傍線部の重要古語に着目☆

―――――――――――――

 

実は、この部分。

訳本によって、さまざまに解釈されています。



 

『新潮日本古典集成』では、

「色めかしい感じにも、またもの悲しい感じにも」

と解釈されており、



 

『新日本古典文学大系』では、

「華やかにも殺風景にも」

と解釈されており、



 

『古典セレクション』では、

「ほのぼのと美しくも、あるいは恐ろしくも」

と解釈されています。

 

(`・д´・ ;)


 

がーン!!え~そんなの入試に出るわけないじゃん!


 

…なんて思ったら、大間違い!

Σ(・ω・ノ)ノ!

 

「艶なり」「すごし」の語義をきちんととらえ、

選択肢の正誤をしっかり見抜いていく。

   アップ

私大マークの基本ですね~♪

国公立二次では、記述でも出題されますよ~!

(;゚;∀;゚;)

 

 

えんなり【艶なり】
 (ナリ活用形容動詞

しっとりと美しい。優美で風情がある
しゃれている。粋(いき)だ

人の気をそそる。なまめかしい

 *「学研全訳古語辞典」より

 

 

「艶」は、つややかな美しさ☆

現代使ってるような、③の意もありますが、

基本的にはの意味で覚えておきます。

 

しかも、「空」の描写ですしね~。

文脈にも目を向けるようにしましょ♪

(〃∇〃)


 

1.趣があって面白いと思えたり、すばらしいと思えたりする。

2.なまめかしく艶っぽいと思えたり、めったにない(×)と思えたりする。

3.優美で風情があると思えたり、冷ややかで殺風景に思えたりする。

4.ちょっと気味が悪い(×)と思えたり、非常に(×)気味が悪いと思えたりする

5. 幽閉されている(×)ように思えたり、解き放たれた(×)ように思えたりする。

 

実は、語義的には、が適切☆

 

(((((゚Д゚ ;))))


 

あとは、文脈で見分けるしかありません。

 

これが「適切なもの」ではなく、

「最も適当なもの」を選ぶという

国語の問題のシステム☆

(o^-')b


 

何心なき空のけしきも、ただ見る人から、艶にもすごくも見ゆるなりけり
   アップ

視点(主語)は、「空のけしき」。

 

この目線でも、他の選択肢は絞っていけるのですが、
 

1.趣があって面白いと思えたり、すばらしいと思えたりする。

3.優美で風情があると思えたり、冷ややかで殺風景に思えたりする。

 

 

では、ちょっとムズかしいですね~;;

(;□;)!!

 


国語力
 

 

ポイントは、前後のつながり

(o^-')b



 

「見る人から」⇒「艶にも」―「すごくも」

   アップ

この文脈をよく吟味します。


 

「見る人によって


ただ見る人から

 

⇒「艶(+)」―「すごく(-)」



艶にもすごくも

 

直前からのつながりを考えると、

 

「艶なり(+)」―「すごし(+)

とするの解釈よりも、



 

「艶なり(+)」―「すごし(-)

とするの解釈のほうが、

「より適当」だといえるでしょう♪


 

文脈判断で【+】【-】かを見分ける問題は、こんなふうに吟味していくんです!

(o^-')b




 

正解は……
 

イラスト訳を始めから読みたい人はこちら⇒

【帚木】を始めから読みたい人はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

何心なき空のけしきただ見るから艶にすごく見ゆるなりけり

 

 

過去記事リンク

の(格助詞)

けしき(気色)

ただ(直)

見る

から(格助詞)

えん(艶) 艶なり②

に(識別)

見ゆ  

なりけり

なり(識別)

けり(助動詞)


ーーーーーーーーーーーーーー

今日もご訪問ありがとうございました☆

お役に立ちましたでしょうか?(o^-')b

 

あいの部屋オフィシャルサイト

「国語の偏差値を40→60に上げるヒケツ」