【若紫46-3】古文単語「立ち出づ」☆
こんにちは。このブログは
源氏物語イラスト訳「古文単語」のカテゴリです。
古文単語には、
1.とにかく丸暗記して覚える
2.漢字やイメージで覚える
3.文脈判断で決める
などの覚え方があります。
今回は現代より幅広い意味をもつ古語です☆
【今回の源氏物語】
人なくて、つれづれなれば、夕暮のいたう霞みたるに紛れて、かの小柴垣のほどに立ち出でたまふ。
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今回出てきた古文単語
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■【なく】…ク活用形容詞「なし」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【つれづれなれ】…ナリ活用形容動詞「つれづれなり」已然形
※【つれづれなり】…することがなくて暇だ。手持ちぶさただ
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【夕暮(ゆふぐれ)】…夕方
■【の】…同格の格助詞
■【いたう】…ク活用形容詞「いたし」連用形ウ音便
※【いたし】…ひどい。はなはだしい
■【霞(かす)み】…マ行四段動詞「霞む」連用形
※【かすむ】…霞(かすみ)がかかる
■【たる】…存続の助動詞「たり」連体形
■【に】…時を示す格助詞
■【紛れ】…ラ行下二段動詞「紛る」連用形
※【紛(まぎ)る】…紛れる。目立たなくする
■【て】…単純接続の接続助詞
■【かの】…あの。例の
■【小柴垣(こしばがき)】…雑木の小枝を編んで造った垣根
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【ほど】…あたり
■【に】…場所を示す格助詞
■【立ち出で】…ダ行下二段動詞「立ち出づ」連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
◇ 今回は「の」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「立ち出づ」 ☆
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人なくて、つれづれなれば、夕暮のいたう霞みたるに紛れて、かの小柴垣のほどに立ち出でたまふ。
問)次の傍線部の解釈として最も適当なものを1つ選べ。
1.小柴の垣根のあたりにお出かけなさる。
2.小柴の垣根のそばで立って覗きなさる。
3.小柴の垣根の隙間から外へ出なさる。
4.小柴の垣根の間に入って行きなさる。
5.小柴の垣根から遠くへ立ち去りなさる。
古文読解のためには
次の3つの知識が必要です。
● 古文単語をきっちり覚える
● 古典文法を押さえる
● 古文常識を理解する
この【重要古語】カテゴリでは
今回出て来た『源氏物語』の一語一語を
詳しく解説しつつ、
特に今回注目したい古語をピックアップして
詳しく解説しています。
選択肢の共通部分を整理すると…
1.小柴の垣根のあたりにお出かけなさる。
2.小柴の垣根のそばで立って覗きなさる。
3.小柴の垣根の隙間から外へ出なさる。
4.小柴の垣根の間に入って行きなさる。
5.小柴の垣根から遠くへ立ち去りなさる。
「ほど」と「立ち出づ」の2つの古語がポイントのようです。
「ほど」の語義でしぼれるのは
選択肢5くらいでしょうか…^^;
あとは、
「立ち出づ」の語義をしっかり押さえていきましょう☆
【立ち出づ(たちいづ)】
【自動詞:ダ行下二段活用】
①立って出る。出て行く。立ち去る
②表面に出る。現れ出る
*Weblio古語辞典より
選択肢1・3・5が残りますが
「~から」という起点の意味は
この傍線部にはないですよね;;
【答え】…1
人なくて、つれづれなれば、夕暮のいたう霞みたるに紛れて、かの小柴垣のほどに立ち出でたまふ。
● 過去記事リンク
■人
■つれづれ
■かすむ
■か・かの
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