【夕顔411-3】古文単語「心強さ」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を１つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
１．とにかく丸暗記して覚える語
２．漢字やイメージで覚える語
３．文脈判断で決める語
があります。
今回は漢字のイメージで覚える古語です♪
【今回の源氏物語】
「思へど、あやしう人に似ぬ心強さにても、ふり離れぬるかな」と思ひ続けたまふ。今日ぞ冬立つ日なりけるも、しるく、うちしぐれて、空の気色いとあはれなり。
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今回出てきた古文単語
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■【思へ】…ハ行四段動詞「思ふ」已然形
■【ど】…逆接確定条件の接続助詞
■【あやしう】…シク活用形容詞「あやし」連用形ウ音便
※【あやし】…不思議だ。異常だ
■【人に似ぬ】…他人とは違う
※【人】…世間の人々。他人
※【に】…変化の結果の格助詞
※【似】…ナ行上一段動詞「似る」未然形
※【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形
■【心強さ】…強情さ
■【にて】…状態の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【ふり離れ】…ラ行下二段動詞「ふり離る」連用形
※【ふり離る】…振り捨てて離れる
■【ぬる】…完了の助動詞「ぬ」連体形
■【かな】…詠嘆の終助詞
■【と】…引用の格助詞
■【今日】…空蝉から和歌が届いたこの日
■【ぞ】…強意の係助詞
■【冬立つ日】…立冬
■【なり】…断定の助動詞「なり」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【も】…強意の係助詞
■【しるく】…ク活用形容詞「しるし」連用形
※【しるし】…はっきりと。いちじるしい
■【うちしぐれ】…ラ行下二段動詞「うちしぐる」連用形
※【うちしぐる】…さっと時雨れる。さっと雨が降る
■【て】…単純接続の接続助詞
■【空】…空模様
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【気色（けしき）】…様子
■【いと】…たいそう。とても
■【あはれなり】…しみじみと感慨深い
◇ 今回は「も」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「心強さ」 ☆
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「思へど、あやしう人に似ぬ心強さにても、ふり離れぬるかな」と思ひ続けたまふ。今日ぞ冬立つ日なりけるも、しるく、うちしぐれて、空の気色いとあはれなり。
問）傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から１つ選べ。
１．何とも強情な性格の持ち主で、他の女性とは違って見えたことだなあ。
２．不思議なほど他人と違った気位の高さで、よくも私を振ってくれたことだ。
３．他人とは違う異常な強情さで、私を振り捨てて離れていったことだ。
４．今まで関係した他の女とは似ても似つかないほど、私になびかなかったなあ。
５．他の女とは違って頼りになったのに、私から離れてしまったことだ。
漢字を見ると、
現代でもよく見かける言葉ですよね。
【心強し（こころづよし）】
【形容詞：ク活用】
①意志が強い。がまん強い。頑丈である
②情にほだされない。つれない。強情である
③頼れるものがあって安心である。気強い
＊『全訳古語例解辞典（小学館）』より
特に、③の意味で現在よく使います。
しかし、ここの文脈では、
心強いとか、頼りになる、といった意味あいではなさそう…
そうそう。
空蝉は、まるでくれ竹のようなしなやかさで
光源氏の求愛を断り続けていたのでしたね。
【ふりはなる（振り離る）】
【自動詞：ラ行下二段活用】
…執着する気持ちを振り捨てて、離れ去る
＊『全訳古語例解辞典（小学館）』より
…こういう文脈を通して見ると
単語のイメージも、よく分かってきますよね♪
【答え】…３
「思へど、あやしう人に似ぬ心強さにても、ふり離れぬるかな」と思ひ続けたまふ。今日ぞ冬立つ日なりけるも、しるく、うちしぐれて、空の気色いとあはれなり。
● 過去記事リンク
■ど
■あやし
■も
■と
■たまふ
■ぞ・ぞや
■けり
■気色
■いと
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