源氏物語イラスト訳【夕顔411-1】思へど
「思へど、あやしう人に似ぬ心強さにても、ふり離れぬるかな」と思ひ続けたまふ。今日ぞ冬立つ日なりけるも、しるく、うちしぐれて、空の気色いとあはれなり。
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【源氏物語イラスト訳】
「思へど、あやしう人に似ぬ心強さにても、
訳)「考えてみるけれど、不思議と他の人とは違う強情さで、
ふり離れぬるかな」と思ひ続けたまふ。
訳)振り捨てて離れて行ってしまったなあ」と思い続けなさる。
今日ぞ冬立つ日なりけるも、しるく、うちしぐれて、
訳)今日はちょうど立冬の日であったのも、空にはっきり現れていて、さっと時雨れて、
空の気色いとあはれなり。
訳)空の様子もとてもしみじみと寂しい。
【古文】
「思へど、あやしう人に似ぬ心強さにても、ふり離れぬるかな」と思ひ続けたまふ。今日ぞ冬立つ日なりけるも、しるく、うちしぐれて、空の気色いとあはれなり。
【訳】
「考えてみるけれど、不思議と他の人とは違う強情さで、振り捨てて離れて行ってしまったなあ」と思い続けなさる。今日はちょうど立冬の日であったのも、空にはっきり現れていて、さっと時雨れて、空の様子もとてもしみじみと寂しい。
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■【思へ】
■【ど】
■【あやしう】
※【あやし】
■【人に似ぬ】
※【人】
※【に】
※【似】
※【ぬ】
■【心強さ】
■【にて】
■【も】
■【ふり離れ】
※【ふり離る】
■【ぬる】
■【かな】
■【と】
■【今日】
■【ぞ】
■【冬立つ日】
■【なり】
■【ける】
■【も】
■【しるく】
※【しるし】
■【うちしぐれ】
※【うちしぐる】
■【て】
■【空】
■【の】
■【気色(けしき)】
■【いと】
■【あはれなり】
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