【夕顔402-3】古文単語「下る」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.とにかく丸暗記して覚える語
2.漢字やイメージで覚える語
3.文脈判断で決める語
があります。
今回はイメージで覚える古語です♪
【今回の源氏物語】
「もし、受領の子どもの好き好きしきが、頭の君に怖ぢきこえて、やがて、率て下りにけるにや」とぞ、思ひ寄りける。
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今回出てきた古文単語
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■【もし】…もしかしたら
■【受領(ずりょう)】…地方官。国守
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【子ども】…子供。息子。子息
■【の】…同格の格助詞
■【好き好きしき】…シク活用形容詞「好き好きし」連体形
※【好き好きし】…好色だ。浮気だ
■【が】…主格の格助詞
■【頭(とう)の君(きみ)】…頭中将のこと
■【に】…対象の格助詞
■【怖ぢ】…ダ行上二段動詞「怖づ」連用形
※【怖(お)づ】…怖がる。恐れる
■【きこえ】…ヤ行下二段動詞「きこゆ」連用形
※【きこゆ】…謙譲の補助動詞(五条の女房⇒頭中将)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【やがて】…そのまま
■【下る】…都から下る
■【に】…完了の助動詞「ぬ」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【にや】…~であろうか
※【に】…断定の助動詞「なり」連用形
※【や】…疑問の係助詞
■【と】…引用の格助詞
■【ぞ】…強意の係助詞
■【思ひ寄る】…思いつく。考えつく
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
◇ 今回は「の」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「くだる」 ☆
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「もし、受領の子どもの好き好きしきが、頭の君に怖ぢきこえて、やがて、率て下りにけるにや」とぞ、思ひ寄りける。
問)傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.受領の子息が夕顔を置いて逃げたのだろうか
2.受領の子息が夕顔をどこかに連れて行ったのであろうか
3.受領の子息が夕顔を連れて都から離れたのだろうか
4.受領の子息が夕顔を残してお下がりになったのだろうか
5.受領の子息が夕顔を連れて行方をくらましたのであろうか
「くだる」という言葉は
現代語でもよく分かりますよね。
【くだる(下る)】
【自動詞:ラ行四段活用】
①高い所から低い所へ映る。上から下へ行く
②都から地方へ移動する。
③時が過ぎる。年代が下向する
④(身分や品性などが)劣る。低くなる。落ちぶれる
⑤(天皇や目上の人から)命令が下りる。下賜される
⑥降参する。敵に降服する
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
古文で「下る」が出てくる場合は
②の都から地方へ離れるという意味で用いる場合が多いです。
今でも、「上京する」と普通に言います。
上京するというのは、都に上ること。
ならば、都を離れることは、明らか「下る」ですよね!
【答え】…3
「もし、受領の子どもの好き好きしきが、頭の君に怖ぢきこえて、やがて、率て下りにけるにや」とぞ、思ひ寄りける。
● 過去記事リンク
■やがて
■にけり
■にや
■ぞ・ぞや
■思ひよる
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