【桐壺149-③】「やがて」~2つの意味の見分け方☆
こんばんはあいです。
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■【弘徽殿(こきでん)】
■【渡る】
■【せたまふ】
■【御供(おとも)】
■【やがて】
■【御簾(みす)】
■【たてまつる】
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今日は、「やがて」についてです。
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現代では、「やがて」というと、
「そのうち、まもなく」というような意味ですよね;
ですが、古文単語では、まったく違います!
【やがて】
①そのまま、引き続いて
②すぐに、ただちに
③すなわち、とりもなおさず
…?ヽ((◎д◎ ))ゝ
このような、現代語とズレがあったり、かけ離れた意味の古語が、古文には多く出てきます。
こうした古文単語を、古今異義語といいます。
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「やがて」は、ある状態に続いて、他の状態が行われることがもとの語源です。
そこで、①の、「そのまま、引き続いて」の意となります。
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ある状態が持続するということは、
無制限のことではありませんよね。
ある状態が続けば、いつか必ず、
その直後に、他の状態が起こります。
「やがて」は、そうした場合に限られて用いられることも出てきました。
で、②の「すぐに、直ちに」の意へと変化したのです。
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また、他の状態になることは、
前の状態と違う場合のみとは限りません。
同じ場合だってありますよね;;
そこで、③の、「すなわち」の意にも用いられるようになったんです。
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近世に入って、その持続する時間的な間合いが、だんだん長く考えるようになってきます。
で、今の「まもなく、そのうちに」という意へと、変化して行ったのです;;
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これは、入試で狙われます!
古今異義語は、辞書(単語帳)に載ってる意味が、すべて選択肢として出題される場合が多いのです!
Σ(~∀~||;)
【やがて】は、基本の語源は一緒ですが、
■状態が重要な文脈→①「そのまま」の意
■時間が重要な文脈→②「すぐに」の意
この基本を押さえてください♪
今回は、
弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には、やがて御簾の内に入れたてまつりたまふ。
「御簾の中に入れ」という状態に引き続いていますね♪
また、今後出てきた時に、注意してみてくださいっ☆
■【弘徽殿(こきでん)】…弘徽殿女御
■【渡る】…渡って通る、行く
■【せたまふ】…①~させなさる ②~あそばす
■【御供(おとも)】…お供、付き添い
■【やがて】…①すぐに ②そのまま
■【御簾(みす)】…すだれの敬称
■【たてまつる】…~申し上げる(謙譲の補助動詞)
【古文】
弘徽殿などにも渡らせたまふ御供には、やがて 御簾の内に入れたてまつりたまふ。
最後に、今回出てきた古文単語を、原文の中で訳出できるか確認しておきましょう!
まだ難しいようなら、イラスト訳から復習してくださいね♪
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あいでした