【帚木56-②】「受領」という「品」について☆
おはようございますあいです。
センターまであと29日☆
全然ブログ読んでなかった人も、あと1ヶ月本気出せば伸びます!
1日3回、毎日数分間、このブログを読んでください!
きっと古文目線が身についてきますから(●´エ`●)ノノ
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【今日の源氏物語】
「…受領と言ひて、人の国のことにかかづらひ営みて、品定まりたる中にも、またきざみきざみありて、中の品のけしうはあらぬ、選り出でつべきころほひなり。…」
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【源氏物語~これまでのあらすじ】
最愛の桐壺更衣を亡くした桐壺帝は、亡き更衣に生きうつしの藤壺宮を入内させます。更衣の忘れ形見である光源氏は、元服して臣下となり、左大臣の娘(葵)と結婚するも、藤壺宮への想いは募るばかりでした。ある梅雨の夜、義兄である頭中将と光源氏、そして友人である左馬頭と藤式部丞が、女性の品定めを始めました。
今回は、「受領」という身分についてです♪
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【受領(ずりょう)】
…官人が前任者から事務を受け継き、交替すること。
(;◎;∀;◎;)??
た、たしかに、「領を受け継ぐ」という漢字の趣旨どおりの意味なのですが…
古文で「受領」が出てくる場合は、ほとんどが人(官職名)ですよね^^;
辞書には、こう続きます。
↓
特に地方官についていい、
実際に任国に下った国守(くにのかみ)のこと。
(※『全訳古語例解辞典(小学館)』 より)
う~ん;なるほどっ!
要するに「受領」とは、地方公務員のことですね。
ちなみに、「国守(くにのかみ)」という言葉も出てきましたね。
地方官なら、「国守」のほうが、ピッタリだと思うのですが…
(´・ω・`)
実は…
当時、国守は、諸国に置かれた国司の長官ですので、
地方に行かず、都でのほほ~んと暮らしている人もいたんです。
…いつの時代も、高給取りって、そんなもんですね^^;
だからみんな、出世したいんでしょうけど;
(;゚;∀;゚;)
でも、中には、任国へ赴いて、その国の人になりきって頑張ってる官人もいます。
今の東国原宮崎県知事 などを思い浮かべてください。
(o^-')b
東国原知事の場合は、一緒に地方に下った家族はいなかったですが…
(離婚されましたけど^^;)
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有名なエピソードに、『十訓抄』の「大江山」があります。
丹後国守となった藤原保昌に、妻である和泉式部がついて行った時のこと。
(和泉式部とは、有名な歌人です。)
和泉式部の娘である小式部内侍は、母の代わりに、宮中の歌合(紅白歌合戦のような行事)に行くことになりました。
当時ボーイフレンドであった藤原定頼が、
「丹後に人を遣って、歌合に詠む和歌を、母上に聞いたのかい^^?」
大江山いくのの道の遠ければまだふみもみず天橋立
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まさにこの、小式部内侍の継父である藤原保昌が、「受領」なんですね。
この場合は、妻の和泉式部だけが、一緒に地方に下り、
娘の小式部内侍は、都に残っていました。
紫式部と和泉式部は、同時代の人なので、
この「大江山」のエピソードが、「源氏物語」の前か後かは分かりませんが、
こんな素晴らしい歌を即興で詠める小式部内侍こそが、
左馬頭の言う、「中の品のけしうはあらぬ」、まさにそんな人なんだと思います!
つまり、中流階級の中でも、そんな悪くはない、
容貌もよく、和歌にも長けている女性…☆
…なんか、この「大江山」のエピソードを、念頭に置いたような発言ですよね^^;
まずはこの、小式部内侍にイメージを重ねると、
ここの部分は理解しやすいと思います♪
(o^-')b