【夕顔402-2】センター基本の「に」の識別☆
イラスト解釈では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
入試対応オリジナル問題を掲載しています☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいます。失意の中、喪も明け、光源氏はかつて関係のあった人妻の空蝉へ、そして一夜の逢瀬であった軒端荻へと、想いを馳せつつも、夕顔の四十九日を終えました。一方、五条の宿りでは…
【今回の源氏物語】
「もし、受領の子どもの好き好きしきが、頭の君に怖ぢきこえて、やがて、率て下りにけるにや」とぞ、思ひ寄りける。
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☆ 古文オリジナル問題~「に」の識別~☆
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「もし、受領の子どもの好き好きしきが、頭の君Aに怖ぢきこえて、やがて、率て下りBにけるCにや」とぞ、思ひ寄りける。
問)傍線部ABCの文法説明の組み合わせとして最も適当なものを選べ。
1.A 接続助詞 B 形容動詞の語幹 C 完了の助動詞
2.A 接続助詞 B 完了の助動詞 C 断定の助動詞
3.A 形容道動詞の語尾 B 完了の助動詞 C 格助詞
4.A 格助詞 B 断定の助動詞 C 完了の助動詞
5.A 格助詞 B 完了の助動詞 C 断定の助動詞
古文の学習は、次の3つの積み重ねです。
⑴ 古文単語
⑵ 古典文法
⑶ 古文常識
その中でも今日は、古典文法です。
特に、「に」の識別は
MARGHや関関同立でもよく出て来ますよね。
「連体形+に、」の場合は
接続助詞か格助詞かの区別が
けっこう文脈判断に頼らざるを得ない時がありますが
「名詞(体言)+に」の場合は
ある程度カンタンに絞れそうです。
あとは、
Bの「―にけり」
Cの「―にや」は
基本中の基本ですね!
【にけり】
【連語:完了の助動詞+助動詞「けり」】
①(「けり」が過去の場合)からてしまった。~てしまったということだ
②(「けり」が気づきの場合)~てしまっていたのだった。~てしまったことだ
【にや】
【連語:断定の助動詞+係助詞「や」】
①~であろうか。~であったろうか
【連語:格助詞「に」+係助詞「や」】
①(「や」が疑問の場合)~に…か。~であろうか
②(「や」が反語の場合)であろうか、いやそうではない
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
「にや」の場合、
「に」を「~に」と格助詞風に訳さず、
「~であろうか」と訳す場合は
基本、「に」は断定の助動詞と捉えましょう。
【答え】…5