【夕顔343-3】古文単語「誰(た)」
国公二次試験や私大入試では、
古文の出題のされ方には、違いがあります。
しっかり弱い部分を補っていきましょう♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違うもの)
2.古典多義語(現代より幅広いもの)
3.古今同義語(現代と同じ意味のもの)
があります。
大学入試によく出るのは、今回のような【古典多義語】です♪
【今回の源氏物語】
「…なほ詳しく語れ。今は、何ごとを隠すべきぞ。七日七日に仏描かせても、誰が為とか、心のうちにも思はむ」とのたまへば、
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今回出てきた古文単語
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■【なほ】…もっと。さらに
■【詳(くは)しく】…シク活用形容詞「詳し」の連用形
■【語(かた)れ】…ラ行四段動詞「語る」の命令形
■【今は】…今となっては
■【何ごと】…何事。何の事
■【を】…対象の格助詞
■【隠す】…カ行四段動詞「隠す」の終止形
■【べき】…義務の助動詞「べし」の連体形
■【ぞ】…疑問の終助詞
■【七日七日】…死後四十九日までの、七日ごとの供養日
■【に】…時の格助詞
■【仏【ほとけ)】…仏像。仏画
■【描か】…カ行四段動詞「描く」の未然形
■【せ】…使役の助動詞「す」の連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【も】…類推の係助詞
■【誰(た)】…だれ
■【が】…連体修飾格の格助詞
■【為【ため)】…ため
■【と】…引用の格助詞
■【か】…疑問の係助詞
■【心のうち】…心の中
■【に】…場所の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【思は】…ハ行四段動詞「思ふ」の未然形
■【む】…推量(適当)の助動詞「む」の連体形
■【と】…引用の格助詞
■【のたまへ】…ハ行四段動詞「のたまふ」の已然形
※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
◇ 今回は「か」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「誰が為」 ☆
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「…なほ詳しく語れ。今は、何ごとを隠すべきぞ。七日七日に仏描かせても、誰が為とか、心のうちにも思はむ」とのたまへば、
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.誰のためか分からなくなってしまっている。
2.誰のための仏画と心の中で思っていればよいのだろうか。
3.誰が書いた仏画だと心の中で思っていればよいのだろうか。
4.誰の心にも届かない仏画であるだろう。
5.誰が仏画を描けばよいのだろう。
今回は、疑問詞「誰」についてです。
【誰(た)】
【代名詞】
…だれ
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
このような疑問詞のあとに、係助詞「か」があると、
「誰のためか」なんて、やっちゃいますよね~;;
(;゚;∀;゚;)
ですが、
疑問詞――(連体形)。
係助詞――(連体形)。
という、係り結びの法則をきちんと把握しておけば、
そんなミスはしないはず。
【解答】…2
「…なほ詳しく語れ。今は、何ごとを隠すべきぞ。七日七日に仏描かせても、誰が為とか、心のうちにも思はむ」とのたまへば、
● 過去記事リンク
■なほ
■今は
■ぞ・ぞや
■も
■か・かは
■のたまふ
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