【夕顔249-3】古文単語「悲しび」
古文単語は、とにかくざっと早くに覚えてしまい、
あとは、出てきた古文の中で定着させていきましょう♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
「さて、これより人少ななる所はいかでかあらむ」とのたまふ。
「げに、さぞはべらむ。かの故里は、女房などの、悲しびに堪へず、泣き惑ひはべらむに、…」
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今回出てきた古文単語
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■【さて】…ところで
■【これ】…この廃院
■【より】…比較の格助詞
■【人少ななる】…ナリ活用形容動詞「人少ななり」連体形
※【人少(ひとずく)ななり】…人の通りが少ない
■【は】…提示の係助詞
■【いかで】…どうして
■【か】…反語の係助詞
■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形
■【む】…推量の助動詞「む」連体形
■【と】…引用の格助詞
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【げに】…たしかに。なるほど。本当に
■【さ】…そう
■【ぞ】…強意の係助詞
■【はべら】…ラ変動詞「はべり」未然形
※【はべり】…「あり」の丁寧(惟光⇒光源氏)
■【む】…推量の助動詞「む」連体形
■【かの】…あの
■【故里(ふるさと)】…なじみの場所。ここでは五条の家をさす
■【は】…提示の係助詞
■【女房(にょうばう)】…お付きの女官
■【など】…例示の副助詞
■【の】…主格の格助詞
■【悲しび】…悲しみ(「悲しぶ」の名詞化)
■【に】…対象の格助詞
■【堪へ】…ハ行下二段動詞「堪ふ」未然形
※【堪(た)ふ】…堪える。がまんする
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【泣き惑(まど)ふ】…泣きじゃくって途方に暮れる
■【はべら】…ラ変動詞「はべり」未然形
※【はべり】…丁寧の補助動詞(惟光⇒光源氏)
■【む】…推量の助動詞「む」連体形
■【に】…順接の接続助詞
◇ 今回は「む」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「悲しび」 ☆
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「さて、これより人少ななる所はいかでかあらむ」とのたまふ。
「げに、さぞはべらむ。かの故里は、女房などの、悲しびに堪へず、泣き惑ひはべらむに、…」
問)傍線部はどのような状態か、最も適当なものを一つ選べ。
1.五条のなじみの家での、悲しみに暮れる女房たちが激しく泣きわめいてうるさくなっている状態。
2.五条のなじみの家での、夕顔を慕う女房たちが主人がいなくなり戸惑っておろおろしている状態。
3.夕顔の実家での、主人が死んだ悲しさで女房たちがどうしたらよいか分からず嘆き悲しんでいる状態。
4.夕顔の実家の女房たちが、娘が死んだことも知らず、日々の憂さを嘆いて仏道修行に明け暮れている状態。
5.夕顔の元の家の女房たちが、主人が死んだことで行くあてもなくなり、泣いて取り乱している状態。
「悲しび」というのは、
「悲しぶ」という動詞の名詞化した形です。
【悲しび(かなしび)】
【名詞】
…悲しみ。悲しむこと
※Weblio古語辞典より
「―ぶ」というのは、
上二段活用の接尾語で、
名詞・形容詞の語幹に付いて、
そのような状態になる、そのように振る舞う
という意を表します。
こういう古語は、感覚で分かるので、
予備校などでは学習しません。
出てきたものから、
きちんと確認して、
力をつけていきましょう!
【解答】…1
「さて、これより人少ななる所はいかでかあらむ」とのたまふ。
「げに、さぞはべらむ。かの故里は、女房などの、悲しびに堪へず、泣き惑ひはべらむに、…」
● 過去記事リンク
■さて
■より
■か・かは
■のたまふ
■げに
■ぞ・ぞや
■はべり
■か・かの
■ふるさと
■かなし
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