源氏イラスト訳【夕顔249】さてこれより
「さて、これより人少ななる所はいかでかあらむ」とのたまふ。
「げに、さぞはべらむ。かの故里は、女房などの、悲しびに堪へず、泣き惑ひはべらむに、…」
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【源氏物語イラスト訳】
「さて、これより人少ななる所はいかでかあらむ」とのたまふ。
訳)「ところで、この廃院より人が少ない所がどうして あるだろう か、いやない」とおっしゃる。
「げに、さぞはべらむ。
訳)「なるほど、そうでございましょう。
かの故里は、女房などの、悲しびに堪へず、泣き惑ひはべらむに、…」
訳)あの五条のなじみの場所は、女房などが、悲しみに耐えられず、泣いて取り乱すでしょうから、…」
【古文】
「さて、これより人少ななる所はいかでかあらむ」とのたまふ。
「げに、さぞはべらむ。かの故里は、女房などの、悲しびに堪へず、泣き惑ひはべらむに、…」
【訳】
「ところで、この廃院より人が少ない所がどうして あるだろう か、いやない」とおっしゃる。
「なるほど、そうでございましょう。あの五条のなじみの場所は、女房などが、悲しみに耐えられず、泣いて取り乱すでしょうから、…」
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■【さて】
■【これ】
■【より】
■【人少ななる】
※【人少(ひとずく)ななり】
■【は】
■【いかで】
■【か】
■【あら】
■【む】
■【と】
■【のたまふ】
■【げに】
■【さ】
■【ぞ】
■【はべら】
※【はべり】
■【む】
■【かの】
■【故里(ふるさと)】
■【は】
■【女房(にょうばう)】
■【など】
■【の】
■【悲しび】
■【に】
■【堪へ】
※【堪(た)ふ】
■【ず】
■【泣き惑(まど)ふ】
■【はべら】
※【はべり】
■【む】
■【に】
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「とにかくここを一刻も早く出たほうがよい」
という惟光に対し、
光源氏はちょっとしぶってるようですね。
ですが、五条の元の家にも帰れないし…
惟光は、光源氏を二条院へ戻すよう、
あれlこれ口実をつくっているよううですね。