源氏イラスト訳【夕顔250】隣しげく
「…隣しげく、とがむる里人多くはべらむに、おのづから聞こえはべらむを、山寺こそ、なほかやうのこと、おのづから行きまじり、物紛るることはべらめ」と、思ひまはして、
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【源氏物語イラスト訳】
「…隣しげく、とがむる里人多くはべらむに、おのづから聞こえはべらむを、
訳)「…隣家が多くてうるさく、怪しんで問いただす住人も多くございましょうから、自然と噂が立ちましょうが、
山寺こそ、なほかやうのこと、おのづから行きまじり、
訳)山寺は、何と言ってもやはりこのようなことも、自然と入りまじり、
物紛るることはべらめ」と、思ひまはして、
訳)他の物事に紛れることがございましょう」と、あれこれ思案して、
【古文】
「…隣しげく、とがむる里人多くはべらむに、おのづから聞こえはべらむを、山寺こそ、なほかやうのこと、おのづから行きまじり、物紛るることはべらめ」と、思ひまはして、
【訳】
「…隣家が多くてうるさく、怪しんで問いただす住人も多くございましょうから、自然と噂が立ちましょうが、山寺は、何と言ってもやはりこのようなことも、自然と入りまじり、他の物事に紛れることがございましょう」と、あれこれ思案して、
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■【隣(となり)】
■【しげく】
※【しげし】
■【とがむる】
※【とがむ】
■【里人(さとひと)】
■【多く】
■【はべら】
※【はべり】
■【む】
■【に】
■【おのづから】
■【聞こえ】
※【聞こゆ】
■【はべら】
※【はべり】
■【む】
■【を】
■【山寺】
■【こそ】
■【なほ】
■【かやうの】
■【おのづから】
■【行きまじる】
■【物(もの)】
■【紛るる】
※【紛(まぎ)る】
■【はべら】
※【はべり】
■【め】
■【と】
■【思ひまはす】
■【て】
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「隣しげく」…という惟光の言葉から、
光源氏は、あの、煩わしかった五条の家を
思い出したかもしれません。
…こういう伏線の張り方、
見事ですね~!!