源氏イラスト訳【夕顔251】昔見たまへし
「昔、見たまへし女房の、尼にてはべる東山の辺に、移したてまつらむ。惟光が父の朝臣の乳母にはべりし者の、みづはぐみて住みはべるなり。辺りは、人しげきやうにはべれど、いとかごかにはべり」
と聞こえて、明けはなるるほどの紛れに、御車寄す。
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【源氏物語イラスト訳】
「昔、見たまへし女房の、尼にてはべる東山の辺に、移したてまつらむ。
訳)「昔、関係を結んでおりました女房が、尼としております東山の付近に、お移し申し上げよう。
惟光が父の朝臣の乳母にはべりし者の、みづはぐみて住みはべるなり。
訳)惟光めの父朝臣の乳母でございました者が、年老いて住んでいるのです。
辺りは、人しげきやうにはべれど、いとかごかにはべり」と聞こえて、
訳)辺りは、人通りが多いようでございますが、とても閑静でございます」と申し上げて、
明けはなるるほどの紛れに、御車寄す。
訳)夜がすっかり明けるころの騒がしさの紛れに乗じて、お車を寄せる。
【古文】
「昔、見たまへし女房の、尼にてはべる東山の辺に、移したてまつらむ。惟光が父の朝臣の乳母にはべりし者の、みづはぐみて住みはべるなり。辺りは、人しげきやうにはべれど、いとかごかにはべり」
と聞こえて、明けはなるるほどの紛れに、御車寄す。
【訳】
「昔、関係を結んでおりました女房が、尼としております東山の付近に、お移し申し上げよう。惟光めの父朝臣の乳母でございました者が、年老いて住んでいるのです。辺りは、人通りが多いようでございますが、とても閑静でございます」
と申し上げて、夜がすっかり明けるころの騒がしさの紛れに乗じて、お車を寄せる。
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■【見】
■【たまへ】
※【たまふ】
■【し】
■【女房【にょうばう)】
■【の】
■【尼(あま)】
■【にて】
■【はべる】
※【はべり】
■【東山(ひがしやま)】
■【の】
■【辺(ほとり)】
■【に】
■【移し】
■【たてまつら】
※【たてまつる】
■【む】
■【惟光(これみつ)】
■【の】
■【父の朝臣(あそん)】
■【の】
■【乳母(めのと)】
■【に】
■【はべり】
※【はべり】
■【し】
■【の】
■【みづはぐみ】
※【みづはぐむ(瑞歯含む)】
■【て】
■【住み】
■【はべる】
※【はべり】
■【なり】
■【辺り(わたり)】
■【は】
■【人しげき】
※【しげし】
■【やうに】
■【はべれ】
※【はべり】
■【ど】
■【いと】
■【かごかに】
※【かごかなり】
■【はべり】
■【と】
■【聞こえ】
※【聞こゆ】
■【て】
■【明けはなるる】
※【明けはなる】
■【ほど】
■【の】
■【紛(まぎ)れ】
■【に】
■【御車】
■【寄(よ)す】
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山寺…と言ったのは、
惟光につてがあったようですね!
さすが…光源氏の腹心惟光☆
段取り良く、てきぱきと、今後の後始末と
光源氏の帰る支度をととのえてますね~!