【夕顔244-3】古文単語「とみの事」
重要古語は地道にコツコツ憶えるのもいいですが、
グループに分けてまとめて押さえていくほうが効率的ですよ♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【文法的に理解】して覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
「…かかるとみの事には、誦経などをこそはすなれとて、その事どももせさせむ。願なども立てさせむとて、阿闍梨ものせよ、と言ひつるは」とのたまふに、
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今回出てきた古文単語
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■【かかる】…このような(指示連体詞)
■【とみの事)…危急の事
※【頓(とみ)なり】…急だ
■【に】…対象の格助詞
■【は】…提示の係助詞
■【誦経(ずきやう)】…僧に経を読ませること
■【など】…例示の副助詞
■【を】…対象の係助詞
■【こそ】…強意の係助詞
■【は】…提示の係助詞
■【す】…サ変動詞「す」終止形
■【なれ】…伝聞の助動詞「なり」已然形
■【とて】…~ということで
※【と】…引用の格助詞
※【て】…単純接続の接続助詞
■【その】…指示連体詞
■【事ども】…諸々の事
■【も】…添加の係助詞
■【せ】…サ変動詞「す」未然形
■【させ】…使役の助動詞「さす」未然形
■【む】…意志の助動詞「む」終止形
■【願(ぐわん)】…願(がん)をかけること
■【など】…例示の係助詞
■【も】…強意の係助詞
■【立て】…タ行下二段動詞「立つ」未然形
■【させ】…使役の助動詞「さす」未然形
■【む】…意志の助動詞「む」終止形
■【とて】…~と思って
■【阿闍梨】…高僧。惟光の兄
■【ものせよ】…サ変動詞「ものす」命令形
※【ものす】…する。ここでは「来」の代動詞
■【と】…引用の格助詞
■【言ひ】…ハ行四段動詞「言ふ」連用形
■【つる】…完了の助動詞「つ」連体形
■【は】…提示の係助詞
■【と】…引用の格助詞
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【に】…順接の接続助詞
◇ 今回は「む」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「とみの事」 ☆
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「…かかるとみの事には、誦経などをこそはすなれとて、その事どももせさせむ。願なども立てさせむとて、阿闍梨ものせよ、と言ひつるは」とのたまふに、
問)傍線部の意味として、最も適当なものを一つ選べ。
1.このような非常の場合
2.このような人の急死の場合
3.このような人類存亡の危機
4.このような縁起の悪いこと
5.このような奇怪な出来事
「とみの事」は辞書に載ってませんよね。
実は、この語は、古文の学習の始めのほうで習った
重要な用言の用法なんですよ!
(o^-')b
【とみなり(頓なり)】
【形容動詞:ナリ活用】
…急だ。にわかだ
※Weblio古語辞典より
この形容動詞の語幹が、
「とみ」なんです。
・・・語幹で言い切り感動を表す。感動詞を併用することが多い。
「あな、をさな。」(ああ、幼いなあ)
2.連体修飾用法
・・・助詞「の」を伴って連体修飾語となる。
「にくの男や。」(憎らしい男だなあ)
3.名詞的用法
・・・接尾語「げ」「さ」「み」を伴って名詞となる。
「うしろめたさ」(不安)
4、原因・理由を表す用法
・・・接尾語「み」を伴って原因・理由を表す。
「瀬を早み」(川の流れが早いので) 国遠み(国が遠いので)
この2の連体修飾用法なんです。
語幹に「―の」がついて、連体修飾になりますので、
「とみの事」ならば、
「急な事」ですよね!
(σ・∀・)σ
1.このような非常の場合
2.このような人の急死の場合
3.このような人類存亡の危機
4.このような縁起の悪いこと
5.このような奇怪な出来事
「とみの事(=急な事)」の意味になっていて、
なおかつ、文脈に即した内容になっているのは、
選択肢2のみですよね!
【解答】…2
「…かかるとみの事には、誦経などをこそはすなれとて、その事どももせさせむ。願なども立てさせむとて、阿闍梨ものせよ、と言ひつるは」とのたまふに、
● 過去記事リンク
■斯かる
■こそ
■も
■とて
■ものす
■のたまふ
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