【夕顔139-3】古文単語「さやうなり」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔139-3】古文単語「さやうなり」

 

源氏物語イラスト訳重要古語ですラブラブ 

 

【古文単語の主なパターン】

チェックボックス1.古典特有語

   …現代にない古語。

チェックボックス2.古今異義語

   …現代と意味の異なる古語。

チェックボックス3.死語的現代ワード

   …高校生がほぼ使わない死語?

 

【今回の源氏物語】

気色ばみふと背き隠るべき心ざまなどなけれ、「かれがれにとだえ置かこそは、さやうに思ひ変はることあら

   サゲサゲ↓

今回のイラスト訳はこちら

 

 

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今回出てきた古文単語
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■【気色(けしき)ばむ】…表情に表す

■【て】…単純接続の接続助詞

■【ふと】…ふいに。急に

■【背(そむ)く】…背中を向ける。そむく

■【隠(かく)る】…ラ行下二段動詞「隠る」終止形

■【べき】…当然の助動詞「べし」連体形

■【心ざま】…性質

■【など】…婉曲の副助詞

■【は】…提示の係助詞

■【なけれ】…ク活用形容詞「無し」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【かれがれに】…ナリ活用形容動詞「かれがれなり」連用形

※【かれがれなり】…途切れがちだ

■【とだえ】…ヤ行下二段動詞「途絶ゆ」未然形

■【置か】…カ行四段動詞「置く」未然形

■【む】…仮定の助動詞「む」連体形

■【折(をり)】…折。時・場合

■【こそ】…強意の係助詞

■【は】…強意の係助詞

■【さやうに】…ナリ活用形容動詞「さやうなり」連用形

※【さやうなり】…そのようだ

■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形

■【変はる】…ラ行四段動詞「変はる」連体形

■【も】…添加の係助詞

■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形

■【め】…推量の助動詞「む」已然形

※【こそ―め、】…係り結びの逆接用法

   アップ

今回は「に」にも注意しましょ♪

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

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☆ 本日の古文単語「さやうなり」 ☆

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気色ばみて、ふと背き隠るべき心ざまなどはなければ、「かれがれにとだえ置かむ折こそは、さやうに思ひ変ることもあらめ

 

問)傍線部の内容説明として最も適当なものを選べ。

1.以前彼女が頭中将の元を去ったように、気持ちが変わって去ってしまうこともあるだろうが、

 

2.自分が彼女への想いを変えたように、相手の気持ちも変わってしまうかもしれないが、

 

3.自分が彼女への想いを断ち切らなければ、相手も付き合い続けなければならないので、

 

4.たとえどんなに彼女を愛していようとも、正妻などのため気持ちを変えようと思ったので、

 

5.以前の頭中将の時のように、自分も思いが変わって彼女の所へ行くのが絶え絶えになったとしたら、

 

Flower2   Flower2   Flower2

 

 

昨日のブログ記事のように、

まずは、「こそ―め、」逆接用法に着目☆

 

 

1.以前彼女が頭中将の元を去ったように、気持ちが変わって去ってしまうこともあるだろう(○)

 

2.自分が彼女への想いを変えたように、相手の気持ちも変わってしまうかもしれない(○)

 

3.自分が彼女への想いを断ち切らなければ、相手も付き合い続けなければならないので(×)

 

4.たとえどんなに彼女を愛していようとも、正妻などのため気持ちを変えようと思ったので(×)

 

5.以前の頭中将の時のように、自分も思いが変わって彼女の所へ行くのが絶え絶えになったとしたら(×)

 

 

次に、「さやうに」の意味を検証します。

 

 

【さやうなり(左様なり・然様なり)】

【形容動詞:ナリ活用】

 

…そのようだ。そのとおりだ

 

 *全訳古語例解辞典(小学館)より

   

 

指示語ですね;;

(*′•ω•`*;)

 

 

現代文でも古文でも、

指示語の問題はよく出てきます。

 

 

直接的に、指示内容が問われなくても、

今回のように、傍線部の中に指示語が含まれる場合は、

 

その指示内容を明確にしたうえで

解答していく必要があるんですよ!

(o^-')b

 

 

 

1.以前彼女が頭中将の元を去ったように、気持ちが変わって去ってしまうこともあるだろうが、

 

2.自分が彼女への想いを変えたように、相手の気持ちも変わってしまうかもしれないが、

 

 

ここまでの内容をおさらいしましょう。

 

 

光源氏は、自分の付き合っている夕顔の女が、

以前、頭中将が話していた常夏の女ではないか

という疑念を強く持っています。

 

 

 

雨夜の品定めで、彼が話していた

常夏の女急に失踪したいきさつを思い出し、

 

 

こんなに素直に自分に従っている夕顔も、

いずれは、自分のもとを離れてしまうのでは

と、ふと思ってしまったわけですね。

真顔

 

 

 

 

 

 

 

 

正解…

 

 

【夕顔(第4章)】の一気読みはこちら⇒

【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

気色ばみふと背き隠るべき心ざまなどなけれ、「かれがれにとだえ置かこそは、さやうに思ひ変はることあら


 

過去記事リンク

気色ばむ

て(接続助詞)

背く(そむく)

べし①  べし②

心ざま

など(副助詞)

は(係助詞)

ば(接続助詞)

かれがれ

に(識別)  「に」識別②

途絶え

む(助動詞)  

こそ

さ(指示語)

変はる

あり(ラ変)

こそ~め

係り結びの逆接用法

 

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