【帚木265-3】「途絶え」・「夜離れ」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木265-3】「途絶え」・「夜離れ」

こんにちは!あいですラブラブ


 

こちらの記事では、古語の詳解を中心に説明しています。

模試の問1を、決して間違えないようにするためにも、まずは

基本の重要古語イラスト説明で覚えてしまいましょ♪

(●´エ`●)。


 

帚木264番目のイラスト訳はこちら⇒

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【今回の古文単語】

■【こよなし】…この上ない

■【とだえ】…(男女の関係が)途切れること

■【おかず】…(間を)おかない

※【ず】…打消の助動詞「ず」の連用形

■【さるもの】…しかるべき通い妻の一人

※【さる】…しかるべき、相当の

■【しなす】…する

■【見る】…男女の関係を保つ

■【やう(様)】…こと

■【はべり】…~ます丁寧の補助動詞

■【なまし】…きっと~だろうに

※【な】…強意の助動詞「ぬ」の未然形

※【まし】…反実仮想の助動詞「まし」の終止形

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

今日は、「とだえ」について
では行ってみよ~♪

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王朝文学のパターンでよく出る「途絶え」を

覚えておきましょう!
 

【途絶え】

…行き来がなくなること、夜離れ(よがれ)


特に、男女の恋愛が描かれた王朝文学では、

「途絶え(途絶ゆ)」という古語は、

男女の行き来が途絶えてしまったことをさします。

 


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当時の結婚形態は、通い婚でした。

 

和歌のやりとりを通して、心を通わせ合ったのち、

(※あるいは、急に男が夜ばいをかける場合も…(`・д´・ ;))

 

男が、女の家に、暗くなってから行きます。

そして、男は、女の寝所に入り、

そこで一夜をともに過ごします。

 

これで、一応の結婚成立

(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)


 

そして、明け方まだ暗いうちに、

男はひっそりと自分の家へ帰り、

後朝(きぬぎぬ)の歌を詠んで、女性のもとに届けます。


 

でも…

(@_@;


 

これでは、女の側からすると、単なる「お手つき」というだけで、

不安で不安で、しかたがありませんよねー;;

Σ(・ω・;|||


 

男は、女の実家の経済支援で出世していくわけですから、

特に、女の両親としても、

正式な妻としての「証(あかし)」がほしいわけです。


 

ただし、当時は公的な「婚姻届」なんてものはないので、

こういう方法で、正式な妻と認められる慣習があったようです。

     ↓   ↓

 

【露顕(ところあらはし)】

男は、三夜続けて、女のもとに通います。

そして、三日目の夜に二人で一緒に餅を食べます。

三日夜(みかよ)の餅

 

ここで初めて、正式な婿と認められ、

男は女の両親に対面します。

これが、「露顕(ところあらはし)」と称する披露宴で、

 

つまり、「できちゃった既成事実婚」です!

(;゚;∀;゚;)



正式な婿になれば、男は妻の家に昼間までいてもいいし、

同居してもいいんです。


 

けれども、頭中将は、

「…こよなきとだえおかさるものにしなし長く見るやうはべり まし。…」


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…なかったみたいですねー!

( ̄∩ ̄#

 

 

「まし」は、【反実仮想】なので、


実際は、「長く見る(=長く男女の関係を保つ」こともなかった…。


 

要するに、

常夏の女が、「わづらはしげに思ひまとはす気色」もなく、

 


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都合のよすぎる女であったがゆえに、

正式な妻ともせずに、単なる「お手つき」で済ませてたのではないでしょうか?

((o(-゛-;)



 

まあ、たとえ正式な妻であっても、

男が女のもとに通わなくなってしまったら、

 

それで離婚が成立します。

(`・д´・ ;)


 

女のもとに、男の通いがとだえはじめたら、

それを、「途絶え(とだえ)」や「夜離れ(よがれ)」などと言って、

女はひどく恐れたものでしょう。

 

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とだえ」のイメージ、ご理解いただけましたでしょうか?





 

ご意見・ご指摘等があれば、コメントよろしくお願いします。

今日のブログも、お役に立てば幸いです♪

(o^-')b

 

本日の「源氏物語」まとめ

 

■帚木265(原文)

「…こよなきとだえおかさるものにしなし長く見るやうはべり まし。…」


自力での現代語訳が難しい場合は、

下のリンクも復習してね♪


     ダウン

 

 

本日の古語~過去記事リンク~

こよなう

し(識別)

さる

見る

はべり

なまし

まし(反実仮想)

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【帚木265-1】イラスト訳

【帚木265-2】イラスト解釈

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