【帚木265-3】「途絶え」・「夜離れ」
こんにちは!あいです
こちらの記事では、古語の詳解を中心に説明しています。
模試の問1を、決して間違えないようにするためにも、まずは
基本の重要古語をイラスト説明で覚えてしまいましょ♪
(●´エ`●)。
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【今回の古文単語】
■【こよなし】…この上ない
■【とだえ】…(男女の関係が)途切れること
■【おかず】…(間を)おかない
※【ず】…打消の助動詞「ず」の連用形
■【さるもの】…しかるべき通い妻の一人
※【さる】…しかるべき、相当の
■【しなす】…する
■【見る】…男女の関係を保つ
■【やう(様)】…こと
■【はべり】…~ます(丁寧の補助動詞)
■【なまし】…きっと~だろうに
※【な】…強意の助動詞「ぬ」の未然形
※【まし】…反実仮想の助動詞「まし」の終止形
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今日は、「とだえ」について☆
では行ってみよ~♪
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王朝文学のパターンでよく出る「途絶え」を
覚えておきましょう!
【途絶え】
…行き来がなくなること、夜離れ(よがれ)
特に、男女の恋愛が描かれた王朝文学では、
「途絶え(途絶ゆ)」という古語は、
男女の行き来が途絶えてしまったことをさします。
当時の結婚形態は、通い婚でした。
和歌のやりとりを通して、心を通わせ合ったのち、
(※あるいは、急に男が夜ばいをかける場合も…(`・д´・ ;))
男が、女の家に、暗くなってから行きます。
そして、男は、女の寝所に入り、
そこで一夜をともに過ごします。
これで、一応の結婚成立!
(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
そして、明け方まだ暗いうちに、
男はひっそりと自分の家へ帰り、
後朝(きぬぎぬ)の歌を詠んで、女性のもとに届けます。
でも…
(@_@;
これでは、女の側からすると、単なる「お手つき」というだけで、
不安で不安で、しかたがありませんよねー;;
Σ(・ω・;|||
男は、女の実家の経済支援で出世していくわけですから、
特に、女の両親としても、
正式な妻としての「証(あかし)」がほしいわけです。
ただし、当時は公的な「婚姻届」なんてものはないので、
こういう方法で、正式な妻と認められる慣習があったようです。
↓ ↓
【露顕(ところあらはし)】
男は、三夜続けて、女のもとに通います。
そして、三日目の夜に二人で一緒に餅を食べます。
※三日夜(みかよ)の餅
ここで初めて、正式な婿と認められ、
男は女の両親に対面します。
これが、「露顕(ところあらはし)」と称する披露宴で、
つまり、「できちゃった既成事実婚」です!
(;゚;∀;゚;)
正式な婿になれば、男は妻の家に昼間までいてもいいし、
同居してもいいんです。
けれども、頭中将は、
「…こよなきとだえおかず、さるものにしなして長く見るやうもはべりな まし。…」
…なかったみたいですねー!
( ̄∩ ̄#
「まし」は、【反実仮想】なので、
実際は、「長く見る(=長く男女の関係を保つ)」こともなかった…。
要するに、
常夏の女が、「わづらはしげに思ひまとはす気色」もなく、
都合のよすぎる女であったがゆえに、
正式な妻ともせずに、単なる「お手つき」で済ませてたのではないでしょうか?
((o(-゛-;)
まあ、たとえ正式な妻であっても、
男が女のもとに通わなくなってしまったら、
それで離婚が成立します。
(`・д´・ ;)
女のもとに、男の通いがとだえはじめたら、
それを、「途絶え(とだえ)」や「夜離れ(よがれ)」などと言って、
女はひどく恐れたものでしょう。
「とだえ」のイメージ、ご理解いただけましたでしょうか?
ご意見・ご指摘等があれば、コメントよろしくお願いします。
今日のブログも、お役に立てば幸いです♪
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木265(原文)
「…こよなきとだえおかず、さるものにしなして長く見るやうもはべりな まし。…」
自力での現代語訳が難しい場合は、下のリンクも復習してね♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■こよなう
■さる
■見る
■も
■はべり
■なまし
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