【桐壺209-②】古文解釈~「ましかば」(反実仮想)☆
こんにちはあいです。
【古文】
いと清らなる御髪を削ぐほど、心苦しげなるを、主上は、「御息所の見ましかば」と、思し出づるに、堪へがたきを、心強く念じかへさせたまふ。
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【これまでのあらすじ】
いつの帝の御代でしたか、それほど高い身分ではないのに帝(桐壺帝)から大変な寵愛を受け、亡くなられた妃(桐壺更衣)がいました。忘れ形見である光源氏は、輝くばかりに美しく、「光る君」と称されます。また、亡き更衣に生きうつしの藤壺女御が入内し、「かかやく日の宮」と呼ばれるようになりました。光源氏は母に似た藤壺に好意を寄せるようになっていきますが、12歳でご元服の儀を迎えました。
今日は、「反実仮想」の解釈についてです。
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主上(帝)の言葉の中に、あなたの大好きな(?;゚;∀;゚;)、「ましかば」が出てきましたねー♪
「まし」が入試に出題される場合の観点は2つ☆
1.【反実仮想】なのか、【ためらい】の意なのか?
2.【反実仮想】なのであれば、実際はどうだったのか?
ただし。
「ましかば」(未然形+「ば」)という表現で出てくれば、
必ず、【反実仮想】の意になります☆
(o^-')b
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「~ましかば、…まし」
【反実仮想】(事実に反して仮に想定する)
(意味)~だったら、…だろうに
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今回は、「ましかば」だけの提示で、「…まし」という部分が出ていません。
こういう場合は、逆にテストに出やすいんですよぉ^^;
「御息所の見ましかば」
訳)「亡き母の御息所が(この状況を)見たら…」
実際、御息所(桐壺更衣)は亡くなっているので、
光源氏の元服の儀式は見ることはありません。
なので、反実(事実と反したこと)なんですね!
角髪 をほどくと、フサフサ艶やかな髪が流れ落ちます。
光源氏の美しくかわいらしい童髪…。
大人のチョンマゲに結い上げるためには、その美しい髪をある程度削がなくてはなりません。
見守る人々、光源氏本人でさえも、その髪が切られるのが名残惜しく、胸が締め付けられるような雰囲気がかもし出されています。
帝は、その様子をご覧になるにつけ、亡き桐壺更衣のことを思い出さずにはいられません。
「もし光源氏の母である彼女がこの場にいたならば、…」
帝は思わず独りごちてしまいます。
ここで、反実仮想の書いてない部分の解釈は2通り。
解釈1.亡き母は、光源氏の元服の様子を、どんなに嬉しく、晴れがましく思っただろうに。
解釈2.亡き母は、いたいけなわが子の髪が削がれる姿を見て、胸がつぶれる思いを抱いただろうに。
ふ(-c_,-。)。
解釈が分かれるのなら、入試には出ないやんね!
スルー☆
…と思ったあなたはイエローカード!!
入試に出るんですよねぇ(;゚;∀;゚;)
選択肢問題として出題されたとき、「仮想」の部分だけを解釈してはいけません。
あなたの観点によって、解釈1にも、解釈2にもとれるからです。
ええ? なんてこの答えが違うの?!
別にこれでもおかしくないじゃん!
ヾ(▼ヘ▼;)
模擬試験や過去問題を解いていて、解説を読んでも納得できないあなたは、このスパイラルに陥っている可能性があります。
また、アメンバー記事で、具体的に選択肢の解説をしていきますが、
正しい答えを選ぼうとするのではなく、
明らかな間違いを見抜く力を養うことが大切なんですよ♪
(o^-')b
あいでした