【帚木186-3】古典常識を踏まえた「背く」の解釈
また更新が遅くなってしまいました;;
(;゚;∀;゚;)
今日も急用ができて出かけるのですが…
なんとか重要古語だけは更新しますね~;
ヽ(;´ω`)ノ
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■【かたみに】…お互いに
■【背く(そむく)】…別れる
■【ぬべき】…きっと~はずだ
※【ぬ】…強意の助動詞「ぬ」の終止形
※【べき】…適当の助動詞「べし」の連体形
■【きざみ】…時期
■【なむ】…強調の係助詞
■【ねたげなり】…憎らしく思っている様子
■【~に】…~ので(順接の接続助詞)
■【腹立たし】…腹が立っている
■【~て】…~て(単純接続)
■【憎げなり】…憎らしい様子
■【ども】…~など(複数)
■【言ひはげます】…しきりに言う
■【~はべり】…~ます(丁寧の補助動詞)
■【~に】…~ところ(単純接続)
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今日の古語詳解は、「背く」について☆
では行ってみよ~♪
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「背く」という動詞は、
「逆らう」という意味で、現代も多く用いています。
古文でも、現代の背くと同様に用いられることも多いため、
特に重要古語として取りあげられることも少ないのですが…
実は、古文の「背く」は、
文脈によってその対象が特徴的に出てくるんです!
ヽ(゚◇゚ )ノ
「背く」は、漢字どおりの「背を向ける」というのが基本の意。
もちろん、現代でも用いる「逆らう」という意味が
イメージどおりの「背く」の意味ですよね。
しかし、古典文学の中に描かれる多くは、
男女関係の問題です。
そこで、「背く=逆らう」を男女関係にタイアップすると、
「別れる・離婚する」という意味が浮かんできます。
源氏物語の中でも、多くこの意で用いられているんですよ!
(o^-')b
また、世間や世の中から「背く」という文脈で用いられると、
「世を捨てる」、つまり「出家する」という意味になるんです。
【背く(そむく)】
①背を向ける、後ろを向く
②従わない、逆らう、反する
③別れる、離れる
④(「世を背く」の形で)出家する
(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)
何を背くのか、その対象が問題なんですよ♪
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木186(原文)
「…『…かたみに背きぬべききざみになむある』とねたげに言ふに、腹立たしくなりて、憎げなることどもを言ひはげまし侍るに、…」
自力での現代語訳が難しい場合は、
下のリンクも復習してね♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■ぬべし
■はべり
(※その他重要古語一覧はこちら )
あいでした