こんばんは、なかしんです。
今日はブレーキの話です。
フロントは鍛造モノブロック6POTですが、
リヤは純正2POTキャリパーのままです。
以前のブログで、400R リヤブレーキはアケボノ2POTで必要十分と書きましたが、オフ会等で「なぜ?」と質問される事が多いので、理論的に解説したいと思います。
サーキットにおけるブレーキの用途は2つです。
①止めるブレーキ!
②曲げるブレーキ!
まず、
①止めるブレーキ!
について解説します。
速さを徹底的に突き詰めると、コーナー進入時は
ブレーキGは最大限!
ブレーキ時間は最小限!
に尽きます。
↓は富士 第1コーナーですが、ペダル折れんばかりのフルブレーキで一気に260km/hから70km/hまで減速します。
シートベルトが肩に食い込むフルブレーキが4秒間続くという、日本の全サーキット・全コーナーで一番過酷なブレーキシーンだと思います。
で、この時の、前後重量配分を計算しました。
各記号の意味はこうです。
これを車に当てはめるとこうなります。(gは9.8固定)
計算結果は・・・
後輪はたった2割しか荷重かかっていないんです。
これを以前説明したタイヤ摩擦円で表すと、
これぐらい、後輪の摩擦円は小さいです。
(実際、円の半径が80:20です)
で、もしリヤ4POTに強化した場合・・・
後輪の摩擦円が小さすぎて、タイヤロック回避のためABSが減圧しまくるのは自明。4POTに強化する意味が無いのは容易に想像つきます。
よって、リヤは2POTのままで必要十分です。
続いて、
②曲げるブレーキ!
について。
フルブレーキ終了後、クリッピングに向けターンインしていくシーンで、
ターンイン開始でいきなりブレーキ抜くと、前輪荷重が抜けてアンダーステアになって曲がりません。曲げるためにブレーキを残して前輪に荷重をかけつつ、ブレーキを徐々に抜いていきます。
この時、減速により前寄り荷重なので・・・
後輪の摩擦円は小さくなっています。
で、この状態で後輪がブレーキを頑張ると・・・
後輪が滑りスピンモーションにまっしぐら。
その先に待っているのはイン巻きクラッシュです。
これを回避するためも、曲げるブレーキにおいて、
後輪は旋回だけ頑張って欲しいんです。
ゆえに、後輪は2POTのままのほうがバランスが良く、むしろ4POTにしない方が速いのでは・・・というのが、4年間走りまくった感想です。
富士本コースもショートコースも共通です。
纏めると、
止めるブレーキ → 後輪は、頑張れない。
曲げるブレーキ → 後輪に、頑張らせない。
という理由で、リヤは2POTがBestと判断しています。
レーシングカーのように、
保安基準無視のバカでかいウイングで、強制的に後輪摩擦円を稼げるなら話は別ですが、
公道走る以上は法規の限界は超えられません。
レーシングカーとロードカーではバランスポイントが異なるのは当然です。
見た目は前後チグハグですが、
ドレスアップに疎いので黙殺(笑)
リヤが純正のままなのは、性能本位の証です。
400Rのチューニングはブレーキが1丁目1番地です。
ここを究めずして真の戦闘力は得られません。
ただ単にパーツ集めて付けました、ではなく、冷却、空力、ホイール選びも含めたトータルの作り込みが超重要で、非常に奥が深い領域です。
しかも400Rのブレーキチューンを実戦で究めているショップが無く、先人もおらず、自分が人柱になり試行錯誤するしかありませんでした。
バトルプルーフを重ねた末の、現状最適解。
しかし100%満足できている訳ではなく、更なる冷却性能向上を模索中・・・。
これまでのブレーキ関連ブログ
22/1/30 純正ブレーキPADが富士8Lapで死亡
23/2/4 サーキットにおける純正4POTの限界点
23/5/22 鍛造6POTモノブロックキャリパー
23/6/24 リヤブレーキは2POTで必要十分
24/1/16 ブレーキ沼のファイナルアンサーは近い?
24/2/25 6POTブレーキPADはロングライフ
24/10/7 GTウイングは思わぬブレーキチューン
24/11/6 初回車検でブレーキPAD 7セット目突入
25/3/1 フロント PAD 4ヶ月で散る
25/3/15 RZ34 NISMO用冷却エアガイド流用
泥沼の歴史そのものです・・・
ブレーキの旅に終着駅はありません。
誰かブレーキかけてくれ(爆)
2025年12月28日 なかしん











































































































































