こんばんは、なかしんです。
先日の日記で紹介したワンオフホイールは、
保安基準18条、通称ホイールガード要件を完璧に適合するよう設計しましたが、果たして設計通りになっているのかを確認するのも設計者の務めです。
その筋の専門家がガチで測定したので、今回は測り方を紹介しようと思います。
まず法規の基準を知らない事には話になりません。道路運送車両法の保安基準は国土交通省HPに掲載されています。
↑はほんの一部で、いきなり吐き気を催す情報量。この中のどこ見ればよいのか分からず出鼻挫かれますが、通称ホイールガード要件は第18条【車枠及び車体】の中の、第3節に適用されている細目告示第178条を参照します。
ちなみに第〇節の違いはザックリこうです。
第1節:新車向け(カーメーカーはここを守る)
第2節:並行輸入車向け
第3節:継続検査向け
なので、使用過程車は第3節が適用になる訳です。
その細目告示第178条を開けると難解で、、、
日本人が分かるように書いてくれ(爆)
図があるのがせめてもの救いです。
要はA~Cの範囲内で回転物はフェンダーからはみ出るなという事です。
では早速実測してきたいと思います。
前30°~後50°の型紙を作製しました。
半径は400Rのタイヤ径に合わせています。
まず測定前の条件出しですが、燃料満タンで、
凸凹の無い平坦部にハンドル直進で設置し、
積み荷は全て降ろし、
規定空気圧に合わせて準備完了です。
寄り道して保安基準3条最低地上高もチェック。
余裕で90mm以上ありました。
準備が整ったので測定していきます。降り下げでフェンダー中央を特定します。
フェンダーアーチ高さを記録しておくと良いです。
30°~50°型紙に合わせ糸を垂らし、
糸とタイヤ/ホイールの各最小隙を測定していきます。
1本2カ所×1輪3本×4輪=24カ所測定して完了です。
全ての箇所で糸と回転物の隙間が確保できており、保安基準18条の通称ホイールガード要件は100%完璧に適合している事が証明できたとともに、ほぼ設計通りになっている事が確認できました。
尚、一番厳しいのは後輪の後50°でした。
ぱっと見、そんなに攻めて無いんですけどね。
いわゆる「ツラウチ」?
これで後50°がギリギリなので、ホイールセンターでツラツラの場合、後50°は高確率でアウトだと思います。
ち・な・み・に、
平成29年(2017年)6月22日の法改正で「10mmまでのはみ出しは許される」と誤解している方がおられますが、
対象はあくまでタイヤであって、ホイールのはみ出しは許されないので注意が必要です。国土交通省の保安基準原文(細目告示第178条)の記載はこうです。
日本語なのに分かんねぇ(爆)
分かりづらくても、守らなければなりません。
SNS上では時々あからさまに違法改造の投稿がありますが、SNSに晒すのは超リスキーだと思うんですよね。法令違反という観点では窃盗と五十歩百歩な訳で、炎上リスクを感じます。
「車検なので〇〇を戻しました」という投稿もよく見ますが、「いつもは違法改造を承知で走っているんです」と晒しているようなものなので、見ているほうがヒヤヒヤします(汗)
そのうちバイトテロのように、違法改造の投稿が炎上する日が来るのでしょうか・・・。
2025年5月17日 なかしん