(8)Burrard Bridge
切羽詰まった状態ではありませんでしたが、トイレに立ち寄ったのは正解だったようです。下半身がスッキリと軽くなりましたし、わずかな休息のおかげで心身ともにリフレッシュできました。ここで時間を食ったおかげで、またまたペースバニーとのバトルが再開です(笑)。
26kmのラップは7分13秒でした。トイレに立ち寄ったにしてはまずまずです。
初夏を思わせるような日差しの中、沿道で応援する皆さんもリラックスした雰囲気で楽しんでいます。中にはカメラやビデオカメラを向けている人もいます。
ここまでは「沿道を埋め尽くす大観衆」という感じではなく、おもに市街地や住宅街を走っているときに、近隣の人が応援を楽しんでいるという感じでした。その雰囲気がとても自然でリラックスしたものに思えたのですが、その理由がなんとなくわかりました。
車道と交通規制されているマラソンコースの間にはセーフティコーンが置かれていますが、走路と沿道の間は何も仕切られておらず、沿道の整理に当たる係員の姿も見かけないのです。沿道で応援する人々も、歩道の上で、あるいは縁石に腰をかけて応援しています。そのオープンな雰囲気が、ランナーと応援の距離を近く感じさせてくれます。
そんな雰囲気に私もリラックスしすぎたのか、27kmの表示を見落としてしまいました。
17マイルのエイドには給食がありましたが、ここでは水だけをいただきました。
やがてコースは左折をします。うろ覚えで頭の中に入っているコース図では、Kits Pointをぐるっと回り戻ってくるといよいよBurrard Bridgeに向かうはずです。レースもいよいよ終盤のハイライトに差しかかろうとしています。
28km地点は約6分/kmのペースで通過します。やはりペースが上がっています。32kmを過ぎてからのペースアップならば最後までもたせることはできると思いますが、この時点でのペースアップはゴール前の失速の可能性があります。それだけは避けたいのですが・・・。
28km地点を過ぎて間もなく、Music Stationでの応援がありました。耳ばかりではなく、目でも楽しませてもらえます。
残りは15kmを切りました。スタート前は時差ボケによる体調不安で走りきれるか不安でした。走り出してしばらくは、リズムに乗るまで体の重さも感じていました。
でも、走り出すと徐々に体もほぐれ、好天と素晴らしい景色と温かい応援にテンションも上がり、今では絶好調です。むしろ終盤の失速が心配になるくらい体が動いています。ちょっといれ込み気味な自分を抑えながら、いよいよBurrard Bridgeに差しかかりました。
コースの縦断図を見たときは、Burrard Bridgeの手前は急な上り坂と思っていました。30km手前の急坂は足に応えると思い心配していましたが、まったく問題ありませんでした。
このBurrard Bridgeを渡りきれば最大のハイライトと思っていたStanley Parkは間もなくです。
Burrard Bridgeにばかり気を取られていたせいでしょうか。29km地点の表示は見落としてしまいました。 車道と自転車道を仕切っているウォールに沿って応援の人々が詰めています。そんな中から伸びている手にHigh Fiveをして進みます。今回のレースでも何度High Fiveをしたでしょう。伸びている手を見るたびに、カメラを持ち替えてHigh Fiveをしてきました。
Burrard Bridgeを渡り終えるとコースは大きく左に曲がります。そこには大勢の観衆がいて、賑やかな応援をしていました。
そんな中、手を振って「サンキュー」と応えながら今度はStanley Parkを目指します。
30km地点は6分08秒/kmのペースで通過します。30km地点を通過してしばらく走るとEnglish Bayに入りました。(つづく)
バックナンバー
第1部 感激記(当選に 喜びよりも 狼狽し)
第2部 観光記(ハプニング 旅のスパイスと 言うけれど)
Coming Soon
第3部 完走記(バンクーバー 自分の足で 観光ラン)