(5)University of Britishu Columbia
10km地点付近に設けられたmusic stationだと思いますが、このときはちょうど鉄琴のソロ演奏をしていました。この音色が実に美しかった・・・。ますます楽しい気分にしてくれました。この音色にすっかり魅せられてしまい、10km地点表示を見落としてしまいました。でも1分1秒を争っているわけではありませんから、何も実害はありません。
延々と続いた上り坂も終わったようで、あとは細かいアップダウンを繰り返しながら進みます。このあたり、コース図によると左手はPacific Spirit Parkとなっているようですが、右側にも森が広がり、サロマを思い出させるようなコースでした。
11km地点のラップは13分41秒です。1kmあたり6分50秒ちょっと。やはり上りでペースはかなり落ちたようですが、この先は長い上りはないはずです。留萌の坂道で鍛えているせいか、心配していたほどの坂には感じませんでした。
林の中の道を抜けて、12kmの手前くらいで大きな道に出て左折します。左手にPacific Spirit Parkの森を見ながら、片側2車線の広い道を走ります。12kmのラップは6分24秒と戻りました。
このあたりでそろそろ小問題が限界に達してきました。スタート前に十分に済ませてきたのですが、やはり今年は小問題に苦しむ年となりそうです。
でも今日はタイムを気にする旅ではありません。13km手前のエイドステーションにある仮設トイレに立ち寄りました。13kmのラップはトイレロスもありましたので8分24秒かかりました。
それにしても、雲ひとつない青空が広がり、絶好のマラソン日和です。ずっとバンクーバーの天気を気にしていたのですが、4月末から5月にかけて、バンクーバーは雨の日が実に多かったのです。冬のバンクーバーは雨が多いためRaincouverと呼ばれているとか。滞在中ずっと雨が降っているのではないかという不安に駆られていました。
ところが5月4日の入国以来、ときおりにわか雨(といっても小雨程度でしたが)に当たることはありましたが、傘を必要とするほどの雨には当たりませんでした。そしてマラソン当日はこの好天。この青空を見ただけで、自然と頬が緩みます。
14kmのラップは6分08秒でした。14km地点を過ぎると間もなく、University of Britishu Columbia(UBC)に入ります。今回のコースの中で楽しみにしていた場所のひとつです。
北京オリンピックのマラソンコースが北京大学の構内を通っていたことに触発されて、北海道マラソンのコースも北海道大学の構内を通すことになったという話を聞いたことがあります。この大学構内を走るというのはとても刺激的でした。それだけに、今年からバンクーバーマラソンのコースもUBCを通ると聞き、この中を走るのを楽しみにしていたのです。
UBCに入ってからは、写真を撮る枚数が増えました。足を止めて写真を撮っていると、1人の女性ランナーがシャッターを押す仕草をしながら近寄ってきます。「2ドル持ってないけど大丈夫かな?」という不安が過ぎりますが、ここで要求されることはないでしょう。ありがたくカメラを委ね、写真を撮ってもらいました。
「サンキューベリマッチ」
“You're welcome.Good luck!”
「グッドラック」
どうにかコミュニケーションもできました。
15kmを6分33秒で通過してもう少し進んでいくと、なにやら歌声が聞こえてきます。トラックの上で歌っている2人。なんともオールディーズな雰囲気を醸しだし、それがまたこの空気に溶け込んでいます。
マラソン大会ってこんなに楽しいものだったのですね。ますます気分はハイになっていきました。(つづく)
バックナンバー
第1部 感激記(当選に 喜びよりも 狼狽し)
第2部 観光記(ハプニング 旅のスパイスと 言うけれど)
Coming Soon
第3部 完走記(バンクーバー 自分の足で 観光ラン)