(2)時差スタート
Corral1のエリアに入る皆さんと別れ、Corral2のエリアに向かいます。ところがそこでトラックに書かれている文字をよく見ると、「Corral2 1500~2999」と書かれています。私は3672番。
Corral2じゃないじゃん!
荷物はCorral2の車に預けちゃったけど、大丈夫でしょうか?受け渡し場所では番号順に整理されるでしょうから、大丈夫と思いますが・・・。
まあ荷物が行方不明になっても、今回は着替えが入っているくらいで、パスポートが入っているわけじゃありません。ジタバタしてもしょうがないので、気にしないことにします。
日本の大会ですと、スタートエリアの入り口には係員が立っていて、違うエリアに入らないよう目を光らせています。でもここではそのようなことは何もありません。すべては自己責任に任されているようです。それでも前のエリアからズルをして出ようという人はほとんど見かけませんでした。
後ろからなにやら音楽が聞こえてきてそちらを見ると、音楽隊がやってきて前の方に向かっていきました。なんとも新たな経験の連続です。
スタートエリアの中にも仮設トイレが設置されているため、トイレ待ちで並んでいる人もいます。スタートが迫っているというのに、3000番から4499番までのCorral3はまだまだリラックスした雰囲気です。
スタートエリアの横に並べられている柵には、脱がれた上着がたくさんかかっています。FAQにも出ていましたが、スタート地点に放置された上着はチャリティとして寄付されるようです。NYCマラソンもこうしたやり方のようですし、こちらの大会ではこういうやり方が一般的なのかもしれません。
スタート時刻が迫ってきても、さほど緊張感は漂っていません。後ろのブロックまでは聞こえてきませんが、スタート前にはカナダ国歌が流れ、前の方のブロックでは皆さん歌っていたようです。次に参加する機会があれば、私も国歌を覚えてきて、いっしょに歌いたいものです。
そうしたセレモニーを終えて号砲が鳴り響き、いよいよ初めての海外マラソン、バンクーバーマラソンがスタートしました。
スタート地点まで緩やかな下りとなっているため、スタート地点が遠目に見えます。黒い塊、ランナーの集団が一斉に前進していくのが見えています。しかし私のエリアは、いっこうに前に進みません。
3672番というナンバーを知ったとき、5~6分のスタートロスは覚悟をしていました。しかも今回はのんびりとカメランですから、スタートロスが何分になろうと関係ありません。しばらくしてゆっくりと前に進み始めましたから、私もまわりに合わせてゆっくりと歩き始めます。
しかしスタートをしたというのに、平然とトイレ待ちをしている人もいます。ずいぶん余裕があるもんだと感心していました。
ところが、列は突然止まってしまいます。前方を見ると、スタートの流れそのものが止まっており、スタートラインを越えていく人は誰もいません。いったいどうしたことでしょう?
「バン」
最初のスタートから約5分後、再び号砲が鳴りました。なるほど、時差スタートをとっているのですね。ネットタイムを公式タイムとするのであれば、こうしたスタートの形は混雑緩和に有効でしょう。またゆっくりとスタートラインに向かって歩き出しましたが、「4:00」と書かれたプラカードを持っているペースバニーを先頭にスタートラインで停止します。
私たちCorral3は、最初の号砲から10分後のスタートとなるのでしょうか。それならば、最初の号砲が鳴っても平然とトイレに並んでいるというのも理解できます。ハーフマラソンはフルマラソンの倍、1万人の参加者があります。時差スタートのグループも多いでしょうから、最後のCorralがスタートするまで30分近くかかるかもしれません。スカイトレインの駅であれだけ並んでいても、最後のスタートまでには間に合ったのでしょうね、きっと。
リラックスしながらスタートを待ちます。やがて時間が近づいてきます。カウントダウンが始まりました。
ファイブ、フォー、スリー・・・。
私も一緒になって英語でカウントダウンをします。
「バン」
最初の号砲から9分37秒後、Corral3の号砲が鳴りました。ようやく本当のスタートです(笑)。(つづく)
バックナンバー
第1部 感激記(当選に 喜びよりも 狼狽し)
第2部 観光記(ハプニング 旅のスパイスと 言うけれど)
Coming Soon
第3部 完走記(バンクーバー 自分の足で 観光ラン)