【夕顔41-3】古文単語「言ひしろふ」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
１．古典特有語
…現代にない古語。
２．古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
３．死語的現代ワード
…受験生世代はほぼほぼ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
現代使わない語とのドッキング古語☆
はい、ではいってみましょぉ～♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
あまえて、「いかに聞こえむ」など言ひしろふべかめれど、めざましと思ひて、随身は参りぬ。
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今回出てきた古文単語
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■【あまえ】…ヤ行下二段動詞「あまゆ」の連用形
※【あまゆ】…好意によりかかる
■【て】…単純接続の接続助詞
■【いかに】…どのように
■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」の未然形
※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲（隣家の者⇒光源氏）
■【む】…意志の助動詞「む」の連体形
■【など】…などと（引用の副助詞）
■【言ひしろふ】…互いに言い合う
■【べかめり】…～にちがいないようだ
※【べか】…推量の助動詞「べし」連体形撥音便の無表記
※【めれ】…婉曲の助動詞「めり」の已然形
（※今回の「めり」は視覚的根拠がない為、婉曲にしました）
■【ど】…引用の格助詞
■【めざまし】…目に余る。気にくわない
■【と】……引用の格助詞
■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」の連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【随身（ずいじん）】…光源氏の従者
■【は】…提示の係助詞
■【参り】…ラ行四段動詞「参る」の連用形
※【参る（まゐる）】…「行く」「帰る」の謙譲（作者⇒光源氏）
■【ぬ】…完了の助動詞「ぬ」の終止形
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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今回の古文単語 「言ひしろふ」 ☆
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下のリンクにもありますように、
「言ひ―」で始まる複合動詞は、数多く存在します。
（※詳しくはこちらの記事もご参照に）
「―しろふ」というのは、
動詞の連用形につく、接尾語で、
互いに～し合う
なんて意味を付け足します。
今では使わない言葉ですね～
【いひしろふ（言ひしろふ）】
【自動詞：ハ行四段活用】
①互いに言い合う
②言い争う。口論する
（『全訳古語例解辞典』（小学館）より）
このように、古語では、
単語帳で覚える重要古語以外にも、
接尾語・接頭語などで、
現代にない意味をもたらすものが
数多く存在します。
古文読解を重ねていくうえで、
そういう古語も、ニュアンスで判別できるように
していきたいものですね♪
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
あまえて、「いかに聞こえむ」など言ひしろふべかめれど、めざましと思ひて、随身は参りぬ。
問）傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
１．口論しているはずだったけれど
２．言い寄ってきたに違いないけれど
３．互いに言い合っているに違いないようだけれど
４．騒ぎを大きくしているはずのようだけれど
５．返歌をすぐにできないでいるようだけれど
ちなみに……
「べかめり」は、
推量の助動詞「べし」の連体形「べかる」に、
推定・婉曲の助動詞「めり」がくっついて、
「べかんめり」という撥音便化した「ん」が
表記されなくなった形です。
上の「今回出てきた古語」にも書きましたが、
「めり」は、推定の場合、視覚的根拠を要するので、
古文常識上、婉曲と捉えましたが、
随身が、隣家のようすを垣間見たのかもしれないし、
「めざまし」という古語にひっぱられているかもしれないので、
そこはあまり厳密にとらず、
推定の意味で捉えてもよいかと思います。
まあ、どっちにせよ、
「～ようだ」と訳しますからね♪
(o^-')b
解答……３
あまえて、「いかに聞こえむ」など言ひしろふべかめれど、めざましと思ひて、随身は参りぬ。
● 過去記事リンク
■いかに
■べかめり
■めり
■めざまし
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