【夕顔41-2】ヤ行下二段活用動詞☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔41-2】ヤ行下二段活用動詞☆

源氏物語イラスト解釈ですラブラブ

 

GW☆ 勉強がんばってますか?

では今日も行ってみましょう~♪

ヽ(○・▽・○)ノ゙

 

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今回の源氏物語

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あまえて、「いかに聞こえむ」など言ひしろふべかめれど、めざましと思ひて、随身は参りぬ。

   上矢印

訳と内容が不明確の人は、まずイラスト訳からどうぞ☆
夕顔41のイラスト訳はこちら

 

 

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻です。源氏が新たな恋人、六条御息所の所に通っていた夏の頃の話。源氏の従者である惟光の母は、光源氏の乳母でもありました。この乳母が病に臥していた見舞いに、源氏は五条まで出かけます。家の門が開くのを待つ間、夕顔の花が咲く隣家に目をとめます。その花を一房取ってくるよう従者に命じると、その家の女童が、香をたきしめた扇を、花を載せるためにと差し出します。その後、乳母を見舞い、帰り際ふと扇に目をやると、光源氏の正体を察しているような、趣深い和歌が書かれていました。

 

「空蝉」の巻 をはじめから読む⇒

『源氏物語』の登場人物はこちら⇒

『源氏物語』の目次一覧はこちら⇒

 

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 ☆ 動詞でよく出る記述式問題

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Aあまえて、「いかにB聞こえむ」など言ひしろふべかめれど、めざましと思ひて、随身は参りぬ。


問)傍線部ABの動詞の異同を説明せよ。

 

 

二年前のこと。

ある業者の2年生現代文記述模試で、

異同を説明せよ」という問題が出ていました。

 

解答例を確認したところ、

異(ちがう点)」と「同(共通点)」とをそれぞれ説明することで

点数配分されていたように思います。

 

 

ですが、辞書を確認すると…

 

 

【異同(いどう)】

【名詞】

…異なっているところ。相違。ちがい

※「同」は語調をととのえる添え字で意味はない

 

 (『デジタル大辞泉』より)

   

 

などとあるように、

異同」は、単に「違い」だけを説明すればよいのでは?

(;・`ω・´)

 

…と、最近思っております。

 

 

ただし、入試で出たときは、

出題者の意図をよく考えて、

 

Xという点では共通しているが()、

 YZという相違点がある()。」

 

などというパターンで説明すると、

バッチリ解答できそうですよ!

(o^-')b

 

 

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 ☆ ~ヤ行下二段動詞の見分け方~

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Aあまえて、「いかにB聞こえむ」など言ひしろふべかめれど、めざましと思ひて、随身は参りぬ。


問)傍線部ABの動詞の文法的な違いと共通点とを指摘せよ。

   上矢印

まず、オーソドックスな出題のされ方☆

 

「違い」「共通点」と明確に出題されているので、

両者必ず、部分得点になります。

チュー

 

 

ここでの出題者の意図は、

動詞の活用の種類と活用形の見わけがつくか?

といったものでしょう。

キョロキョロ

 

 

 

まず、

傍線Aの直後の、接続助詞「て」

傍線Bの直後の、助動詞「む」

に着目☆

 

その接続から、傍線部の活用形が見分けられます照れ

 

 

傍線A連用形+接続助詞「て」

傍線B未然形+助動詞「む」

  上矢印

ここが分からなかった人は、

助動詞・助詞一覧を覚え直しておきましょう。

チュー

 

 

また、ABどちらも、

「あまえ(e)」「聞こえ(e)」と、活用語尾が「e」なので、

下二段活用の動詞だと見わけがつきます。

(※下一段活用は「蹴る」のみ)

 

 

ではいったい、

何行の下二段活用動詞なのでしょう?

ヽ(;´ω`)ノ

 

 

A「あまえ」も、B「聞こえ」も、

どりらも、活用語尾が「え」なので、

 

五十音図表から、

「あ」行「や」行のどちらかだと判別できます。

 

 

 

ここで、古文でよく出る覚える動詞☆チェック☆

チュー

 

 

 

 

ア行下二段活用動詞は「得」「心得」のみ!

─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

 

 

 

…ってことは、

傍線A、Bともに、

ヤ行下二段活用動詞なんですね!

 

 

 

 

【一般的な解答例】

A・Bともにヤ行下二段活用動詞だが、

Aは、連用形で、B未然形である。

 

 

 

 

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 ☆ 超難関大学の解答例

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Aあまえて、「いかにB聞こえむ」など言ひしろふべかめれど、めざましと思ひて、随身は参りぬ。


問)傍線部ABの動詞の異同を説明せよ。

   上矢印

京大などで、このような問題が出た場合、

上の基本的な解答を求めているとは考えにくいです。

真顔

 

 

ならば、

「異同」の辞書的意味で指摘したように、

「同」ではなく、「異」について、

さらに詳説していくべきでしょう。

ゲッソリ

 

 

 

古語辞典をひもとくと…

 

【あまゆ(甘ゆ)】

【自動詞:ヤ行下二段活用】

①甘い香りがする

②甘えてなれなれしくする。好意に寄りかかる

③恥ずかしがる

 

【きこゆ(聞こゆ)】

【動詞:ヤ行下二段活用】

①(自動詞)聞こえる。うわさされる

②(他動詞)申し上げる(「言ふ」の謙譲)

③(補助動詞)お~申し上げる

 

 (『全訳古語例解辞典』(小学館)より)

   

 

今回の「聞こゆ」は、

隣家の者たちが、光源氏にどのようにお返事を申し上げようかという、

 

②の意味で用いられています。

 

 

ならば、

傍線A、B「異」は、

 

活用形の相違

 

だけでなく、

 

自動詞・他動詞の相違

 

も含まれるでしょう∑(゚Д゚)

 

 

 

 

 

【解答例】

A・Bともにヤ行下二段活用動詞だが、

Aは、連用形で、B未然形である。

また、Aは「好意に寄りかかる」という意味の自動詞だが、Bは、「申し上げる」という「言ふ」の謙譲語で、他動詞である。

 

 

 

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