【空蝉90-3】古文単語「思ひ果つ」
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…日本語にはあるが受験生世代はほとんど使わない語。
…ですが、今回の古語は、
幅広い意味の複合動詞☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
「あこは、らうたけれど、つらきゆかりにこそ、え思ひ果つまじけれ」
とまめやかにのたまふを、いとわびしと思ひたり。
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今回出てきた古文単語
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■【あこ】…お前。君
■【は】…提示の係助詞
■【らうたけれ】…ク活用形容詞「らうたし」の已然形
※【らうたし】…かわいらしい
■【ど】…逆接の接続助詞
■【つらき】…ク活用形容詞「つらし」の連体形
※【つらし】…つれない。薄情だ
■【ゆかり】…縁者。ゆかりある人
■【に】…原因の格助詞
■【こそ】…強意の係助詞
■【え―まじ】…~できそうにない
※【え】…可能を示す陳述の副詞
※【まじけれ】…打消推量の助動詞「まじ」の已然形
■【思ひ果(は)つ】…愛し通す。最後まで面倒をみる
■【と】…引用の格助詞
■【まめやかに】…ナリ活用形容動詞「まめやかなり」連用形
※【まめやかなり】…まじめだ
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【を】…対象の格助詞
■【いと】…とても
■【わびし】…つらい
■【と】…引用の格助詞
■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」の連用形
■【たり】…存続の助動詞「たり」の終止形
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 本日の古語 「思ひ果つ」 ☆
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「思ひ~」ではじまる複合語は、
こちらに一覧を載せておりますっ!
(σ・∀・)σ
その中でも今日は、
何度か『源氏物語』でも出てきました
「思ひ果つ」という複合動詞を取りあげたいと思います。
(●‘∀‘●)ノ"
「いと深う憎みたまふべかめれば、A身も憂く思ひ果てぬ。などか、よそにても、なつかしき答へばかりはしたまふまじき。伊予介に劣りける身こそ」
など、心づきなしと思ひてのたまふ。ありつる小袿を、さすがに、御衣の下に引き入れて、大殿籠もれり。小君を御前に臥せて、よろづに恨み、かつは、語らひたまふ。
「あこは、らうたけれど、つらきゆかりにこそ、Bえ思ひ果つまじけれ」
とまめやかにのたまふを、いとわびしと思ひたり。
問)傍線部A、Bを現代語訳せよ。
…同じ「思ひ果つ」は入っていますが、
同じように訳してはいけません!
─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
もし、本番で、こんなふうに口語訳で古語が重なってたら、
訳し分けの問題だと思ってくださいっ!!
(*。◇。)ハッ!
【他動詞:タ行下二段活用】
①思いつめる。思い込む
②思い切る。あきらめる
③愛し通す。最後まで面倒を見る
*「学研全訳古語辞典(Weblio辞書)」より
センター試験も終わって、
国公2次や、私大の記述問題対策も
ちょっとずつ、進めていく必要があります。
(▰˘◡˘▰)
解答
A…わが身もつらく思いつめてしまう。
B…最後まで面倒を見ることができそうにない。
詳しくは、【空蝉~第3章~】のイラスト訳もご覧くださいね。
(●‘∀‘●)ノ"
「あこは、らうたけれど、つらきゆかりにこそ、え思ひ果つまじけれ」
とまめやかにのたまふを、いとわびしと思ひたり。
● 過去記事リンク
■小君
■らうたし
■つらし
■こそ
■え~まじ
■のたまふ
■いと
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