アメリカとイギリスとグローバリズムの終焉 | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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反新自由主義・反グローバリズムの立場での政経論、時事ニュースなどを解説。
ヤン・ウェンリー命は2ちゃんねるのコテハンです。

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どうやらニュースによるとイギリスのメイ首相とアメリカのトランプ大統領が、トランプが大統領になってから初めての外国首脳との会談を行うようです。
遠交近攻の言葉にもある通り、隣国とはせめぎ合い、遠い国とは手を結ぶというのは、ある意味で地政学的な必然です。
そして歴史的に見てもアメリカとイギリスは、アメリカの独立戦争以外では常に手を結んできたと言えるでしょう。
そして面白いことにアメリカではトランプ当選、イギリスではブレグジットという2つの動きが「まるで予め決まっていたかのように」同じ年に起きたことです。
 
実は少し気になって「イギリスのトランプに対する感情はどうなんだろう?」と幾つかニュースを当たっていたのですが、そして殆どが「不可解だ、変だ」というような既存メディアの「テンプレート」のような記事だったのですが、一つ面白い記事を見つけました。
音楽家ブライアン・イーノの記事です。
特に彼が語った中で興味深い部分を引用します。
「僕の知っているほとんどの人は2016年は衰退の始まりだったと感じてるんだよね。EU離脱も、トランプも、ヨーロッパでのナショナリストの台頭もね。どんどん事態は悪化しているように見える。でも、僕は言うんだ、『違った考え方をしてみないか?』って。実は、2016年は長い衰退の終わりなんだよ」

彼は次のように続けている。「サッチャーやレーガンの時代から40年にわたって衰退が続いていたんだ。アイン・ランドの思想は政治レベルにまで浸透し、おそらく僕らは底を打ったんだよ。EU離脱に対する僕の感情というのは誰かに対する怒りじゃなく、何が起きているのか理解していなかった自分に対する怒りなんだ。イギリス独立党や国民戦線の人々というのは幻想だと思ってた。けれど、その後、思ったのは『クソ、自分たちのほうじゃないか。幻想だったのは自分たちだ。それに気付いていなかった』ってことだった。革命が醸成されていて、それに気付いてなかったんだ。だって、僕たちがその担い手じゃなかったからね。僕らは自分たちが革命になると期待してただけなんだ」

 

政治学者でもなく経済学者でもなく、思想家でもない「音楽家」の彼がこのような「最先端の考え方をしている」というのは、私にとっては新鮮な驚きでした。

小説家や音楽家、漫画家などの「クリエイティブな仕事」の人たちは、私は「時代の空気を知るのが上手い」と思っております。

まさしく彼は「1970年代からの構造が衰退だったんだ」とサッチャーやレーガンが採用した「新自由主義・グローバリズム」の終わりを示唆しているわけです。

 

少しトランプ当選とブレグジットに対しての復習をしておきましょう。

イギリスのブレグジットは完全に「移民・難民問題」が事の本質であり、そしてトランプ当選も「移民・難民問題」が絡んでいたのですが、1970年代のまさにサッチャーやレーガンから新自由主義が始まり、世界は第二次グローバリズムと呼ばれるであろう、そして既にそれは2016年に終焉した(はず)の時代を迎えます。

グローバリズムとは「ヒト・モノ・カネが自由に移動する」ことが本質であり、ブレトンウッズ体制の終焉とともに金融規制の緩和が最初に行われました。

そして1990年代からは自由貿易の名のもとに、アメリカンナイズされた市場を押し広げ、さらに2000年代に入ると先進国諸国で、特にEUなどで人の移動の自由化が推進されました。

 

これに対して世界で何が起きたのか?ハジュン・チャンの統計、もしくはピケティの21世紀の資本から引用することは簡単なのですが、少し考えてみると「当たり前のこと」が起きたといえます。

サッチャーやレーガンが新自由主義を採用したのは「国内のインフレ退治」のためでした。つまりグローバリズム・新自由主義とは「インフレを抑えるための主義、思想、人為的にデフレを起こすモノ」でして、その方策が自由貿易や自由市場、小さな政府という訳です。

しかしよくよく考えてみれば、名目GDPは国民が生産した付加価値の合計です。デフレになれば付加価値はなかなか増えない。ということは、グローバリズム・新自由主義とは「経済成長を抑える政策」と言えます。

実際に日本で見た場合に、1998年からひたすら構造改革、規制緩和、自由貿易とやってきた結果、GDPは横ばい、所得は1997年に比べて名目ですら50万円近く下がっております。

ピケティやハジュン・チャンが指摘したのも、まさにこの現象と同様のことです。

そしてこれは世界各地の先進国で起きた現象と同様なのです。

 

しかし日本においては移民は少なく、また「自己責任論」「少子高齢化」という言い訳で低成長、停滞経済は肯定され「仕方がないんだ」というような空気が醸成されておりますが、イギリス、アメリカではそうではなかったわけです。

つまり「移民・難民」という現実的な衝突を経験し、またアメリカにおいては日本の産業空洞化どころの騒ぎではない製造業の衰退、そして所得の停滞とインフレによる実質賃金の下落が起きていたわけです。

この両国が同じ年に「グローバリズムからの離脱」を始めたのは決して偶然ではないでしょう。

そしてアメリカとイギリスは恐らく、今後さらに結束を強めてグローバリズムからの離脱を模索していくのではないでしょうか?

冒頭で書いたようにアメリカとイギリスは伝統的に、遠交近攻の地政学的要因によって「強く結びつく」国家です。歴史学上からも「両国が特別な関係である」と言うのは容易なことです。

 

こう考えていきますと、日本が今後どうするべきか?は誰でも理解可能でしょう。これから始まる新しい世界の体制に適応し、同じ海洋国家であるアメリカ、イギリスと歩調を合わせて「脱グローバリズム」に舵を切り、漸進的に自主独立と自存自衛を探りながら、日米安保、もしくは日米地位協定等々を改善しつつ、グローバリズムではなくインターナショナリズムな”対等な”関係を米英と構築するべきでしょう。

そしてこれこそが「戦後レジームからの脱却」そのものでして、もしこれが叶うなら日本は将来において「世界のリーダーの一角」を占めることが可能になると思います。

グローバリズムレジームからの脱却こそが、これからの新しい世界のレジームに先駆けることであり、そして戦後レジームからの脱却の近道だと私は強く思います。

 

このように考えると、安倍政権というのはブライアン・イーノの言うとおり「40年間続く衰退」の象徴的な政権であると言えます。蝋燭の光は燃え尽きる前に輝くといいますが、今まさに日本においてもグローバリズムという思想が「燃え尽きかけている」のではないか?

そんな「楽観的な予感」を私は提示したいと思います。

 

P.S

そ~いえば世界の負け組という記事において、三橋氏はかなり悲観的な感想を持っているようですし、私もそれは理解可能です。

正直なところ日本のメディア、政治家、有識者、経済学者というのは「相当頭が悪い」人ばかりで、例外的に藤井聡教授、中野剛志氏、三橋貴明氏、青木泰樹教授等々が存在しているだけなのかもしれません。

しかし2000年代において誰が「イギリスがEUを離脱する」などと想像できたでしょうか。1980年代において誰が「ソビエト連邦が崩壊する」などと想像できたでしょう。

エマニュエル・トッド等の「一部の賢人だけ」であったことは間違いがありません。であれば、賢人でない私は「日本においての新自由主義思想の崩壊」を信じるのみ。

「クニノシャッキンガー」という財政破綻論者は嘘つきだったわけですが、唱え続けることで多くの国民に信じ込ませるプロパガンダに成功しました。

であれば私は「新自由主義思想、グローバリズムは崩壊する」と唱え続けます。もっともこれは財政破綻論者の言うような「嘘」ではなく、確実な事実なのですが(笑)

 

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本日の男の料理~マグロの生ハム、今作ってる~

出来た~!!近々マグロの生ハムを使ったパスタを紹介しますよっと。んでこれ、本当に生ハムみたいな食感と味・・・・マジか!です

はい、先日ご紹介したマグロの生ハムの作り方。1月27日現在調理中です。

1月26日に日本酒、ローリエ、玉ねぎ、人参、ニンニク、セロリ、昆布、塩、胡椒でマグロを漬けにしまして、現在はドライエイジング中。少し切り取って味見をしたのですがなかなか良い感じに漬かっておりました。明日には出来ますので、この記事にも画像を載せられそうです。

 

ご報告はこんな感じにしておいて・・・少し私的なことを書きますと私、料理や食文化の研究に専念できるならこれほど嬉しいことはありません。

政治や経済、歴史や国際情勢は知識欲を満たしてくれますが、料理は知識欲と共に食欲まで満たしてくれますから(笑)

しかし一つ最近思うのは、料理や食文化と言った知識、実践での技術が、私の政治や経済に対する理解の土台になっているということです。

私にとっては「いくら雄弁に通ぶっても、実際に美味しいものを理解できない人は馬鹿舌」ですし「いくらレシピを暗記したところで、作れないなら意味がない頭でっかち」なわけです。

 

旅行に行った時に私、必ずその土地の郷土料理を味わいたいのですが、料理を目で見て鼻で香りをかぎ、舌触りを楽しみ、舌で味わう行為というのは、まさに五感のうち四感(聴覚以外)を使う行為でして、ここに囲炉裏でもあれば聴覚まで刺激されちゃうわけですね。

こうやって体験することで「初めてその土地の文化に触れられる」と思っていまして、その経験を言語化することが「論理」なのだと思うのです。

つまり経験や得心がなければ「論理にも力がない」「空理空論になる」と思ってまして、それがまさに「主流派経済学及び、それに影響される政治の虚しさ」だと思います。

 

まぁ要するに旅行に行って主流派経済学的な「空理空論の空疎な料理」を出された日にゃ、ブチ切れてちゃぶ台をひっくり返して不機嫌になる、という話なんですが(笑)

※実際にはしませんが(笑)一口二口食べて店を出る、くらいです。

本物の美味しさを求めるということと、本物の知識を求めることは同じようなことなのかもしれないですね。

※主流派経済学を料理に例えると、青い着色料をぶち込んだ味噌汁でしょうか(笑)食べる気すら起こりません(笑)しかもそれをありがたがる「馬鹿舌の頭でっかち」がウヨウヨしているということにめまいを覚えます(笑)

 

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