今回のエッセイは、サッカー日本代表関連です。
さて、ここで問題です。
この試合で、採用されたシステムは、3バックでしょうか?5バックでしょうか?
なんのこっちゃ?。と思うかもしれません。
森保監督の代名詞が3バックと言っているにもかかわらず、なぜ3バックか?5バックか?と聞くのか?とお叱りを受けそうですが、
今日のエッセイは、そこがテーマです。
ところで、
3バックを日本で本格的に普及させたのは、日韓ワールド杯の時に監督をされたトルシエ氏です。
フラット3と呼ばれる自陣ゴール前を3人の選手で固める戦術を用いました。
そして、この当時、フラット3が、弱点の両サイドを突かれ守勢になった時に陥るネガティヴなシステムを5バックと呼びました。
5バックというシステムは、最終ラインに5人の選手を並べるシステムですが、
5人を最終ラインに取られてしまうと、攻撃にかかわる選手が少なくなって(攻撃時に)数的不利の状況になりやすくなってしまいます。
守勢になりすぎるということで、強豪と言われる国やチームでは、ほとんど採用されないシステムでした。
そんなわけで、5バックは、システム論的には、存在していたものの、注目度の低いシステムだったのですが、実は現在の状況は、かなり変わってきています。
それは、攻撃時に多人数で攻める戦術が浸透してきたためです。
相手チームに人数をかけた攻撃戦術を採られた場合、従来と同じ3バック・4バックといったシステムで迎え撃つのはあまりにも不利ということが、だんだんわかってきました。
そのため、強豪国や強豪チームでもディフェンスに人数をかけるケースが増えています。
その結果が5バックです。
以前は、3バックが、うまくいかない時の「できそこない」が5バックだったのですが、今や重要なシステムのひとつとなってきました。
これまでの、3バックも5バックも一緒にしてしまう考え方を改め、それぞれの特徴を踏まえた上で区別していく時期になっていると思われます。
それでは、3バックと5バックの違いって何でしょう?。
3バックも、守勢に回れば最終ラインに5人の選手が並びます。これは、5バックと同じ並びです。
このことが3バックと5バックを同列に扱う理由となっていたのですが、細かく見れば両者には差異があります。
先日「戦術論に詳しいとされる方」が書いていた文章を読みましたが、
3バックは、両サイドが高い位置を保持していなければならない。
今回、試合で3バックが効果を発揮できなかったのは、その「高い位置」を保持できなかったからだ。という趣旨の 文章がありました。
※「高い位置」とは、味方ゴールに比べ相手ゴールに近い位置という意味です。
3バックのシステム論では、古くから言われている正論です。
この文章自体は、間違っていませんが・・。
しかし、森保ジャパンの3バックに適用できるかは、実は、検証の余地があるのです。
どういうことか?というと
トリニダード・トバゴ戦で、両サイドが高い位置をキープしなかったのは、3バックがうまくいかなかったからなのか?
それとも
5バックだったからなのか?
という事になるからです。
「3バックでは、必須となる両サイドの選手の高い位置」は、5バックでも必須かと言えば、そうではありません。
3バックでは、両サイドは、本来高い位置(=相手ゴールになるべく近い位置)でプレーをすることを目標とします。
そして、劣勢になるにしたがって、徐々に位置を下げて、最後に5バックです。
一方、5バックの考え方というのは、初めは「最終ラインの5人」というスタンスです。
(上がれる)チャンスがあった時に、ひとり、またひとりと上がって行くという考え方です。
したがって、トリニダード・トバゴ戦での3バックというのは、5バックが基本ポジションだったので、システム論的には、5バックに近いものと言えそうで、
そのため両サイドの上りは、3バックほどではなかったと見るのが自然のように思います。
3バックの両サイドが高い位置を採るというポジショニングは、諸刃の剣となっていて、(両サイドが)高い位置をキープすればするほど、自陣の両サイドのディフェンスが甘くなる欠点は、多くの人が周知の有名なものです。
5バックでは、この弱点をつかれないようにバランスよく攻め手を考えます。
「何が何でも両サイドを上げて攻撃にこだわる3バック」とは、そこに(考え方の)違いがあります。
ちなみに、ロシアワールド杯で日本代表が対戦したベルギーは、典型的な5バックのチームです。
基本の最終ライン5枚から、ひとりまたひとりと、前線に上がっていきます。
9日の日本代表の試合でも3バックが試されるようだとの報道がありますが、 森保ジャパンの3バック?は、まだ発展途上のシステムです。
おそらくは今後も試行錯誤しながら変化していくはずです。
3バック傾向となるか?5バック傾向になるか?
試合では、そういうものも注目しながら見ていくのも、きっと楽しいのではないかと思います。
3バックと5バックをテーマとします。
6月5日のサッカー日本代表の親善試合では、森保監督の代名詞となっている3バックが、 初採用された試合となりました。さて、ここで問題です。
この試合で、採用されたシステムは、3バックでしょうか?5バックでしょうか?
なんのこっちゃ?。と思うかもしれません。
森保監督の代名詞が3バックと言っているにもかかわらず、なぜ3バックか?5バックか?と聞くのか?とお叱りを受けそうですが、
今日のエッセイは、そこがテーマです。
ところで、
3バックを日本で本格的に普及させたのは、日韓ワールド杯の時に監督をされたトルシエ氏です。
フラット3と呼ばれる自陣ゴール前を3人の選手で固める戦術を用いました。
そして、この当時、フラット3が、弱点の両サイドを突かれ守勢になった時に陥るネガティヴなシステムを5バックと呼びました。
5バックというシステムは、最終ラインに5人の選手を並べるシステムですが、
5人を最終ラインに取られてしまうと、攻撃にかかわる選手が少なくなって(攻撃時に)数的不利の状況になりやすくなってしまいます。
守勢になりすぎるということで、強豪と言われる国やチームでは、ほとんど採用されないシステムでした。
そんなわけで、5バックは、システム論的には、存在していたものの、注目度の低いシステムだったのですが、実は現在の状況は、かなり変わってきています。
それは、攻撃時に多人数で攻める戦術が浸透してきたためです。
相手チームに人数をかけた攻撃戦術を採られた場合、従来と同じ3バック・4バックといったシステムで迎え撃つのはあまりにも不利ということが、だんだんわかってきました。
そのため、強豪国や強豪チームでもディフェンスに人数をかけるケースが増えています。
その結果が5バックです。
以前は、3バックが、うまくいかない時の「できそこない」が5バックだったのですが、今や重要なシステムのひとつとなってきました。
これまでの、3バックも5バックも一緒にしてしまう考え方を改め、それぞれの特徴を踏まえた上で区別していく時期になっていると思われます。
それでは、3バックと5バックの違いって何でしょう?。
3バックも、守勢に回れば最終ラインに5人の選手が並びます。これは、5バックと同じ並びです。
このことが3バックと5バックを同列に扱う理由となっていたのですが、細かく見れば両者には差異があります。
先日「戦術論に詳しいとされる方」が書いていた文章を読みましたが、
3バックは、両サイドが高い位置を保持していなければならない。
今回、試合で3バックが効果を発揮できなかったのは、その「高い位置」を保持できなかったからだ。という趣旨の 文章がありました。
※「高い位置」とは、味方ゴールに比べ相手ゴールに近い位置という意味です。
3バックのシステム論では、古くから言われている正論です。
この文章自体は、間違っていませんが・・。
しかし、森保ジャパンの3バックに適用できるかは、実は、検証の余地があるのです。
どういうことか?というと
トリニダード・トバゴ戦で、両サイドが高い位置をキープしなかったのは、3バックがうまくいかなかったからなのか?
それとも
5バックだったからなのか?
という事になるからです。
「3バックでは、必須となる両サイドの選手の高い位置」は、5バックでも必須かと言えば、そうではありません。
3バックでは、両サイドは、本来高い位置(=相手ゴールになるべく近い位置)でプレーをすることを目標とします。
そして、劣勢になるにしたがって、徐々に位置を下げて、最後に5バックです。
一方、5バックの考え方というのは、初めは「最終ラインの5人」というスタンスです。
(上がれる)チャンスがあった時に、ひとり、またひとりと上がって行くという考え方です。
したがって、トリニダード・トバゴ戦での3バックというのは、5バックが基本ポジションだったので、システム論的には、5バックに近いものと言えそうで、
そのため両サイドの上りは、3バックほどではなかったと見るのが自然のように思います。
3バックの両サイドが高い位置を採るというポジショニングは、諸刃の剣となっていて、(両サイドが)高い位置をキープすればするほど、自陣の両サイドのディフェンスが甘くなる欠点は、多くの人が周知の有名なものです。
5バックでは、この弱点をつかれないようにバランスよく攻め手を考えます。
「何が何でも両サイドを上げて攻撃にこだわる3バック」とは、そこに(考え方の)違いがあります。
ちなみに、ロシアワールド杯で日本代表が対戦したベルギーは、典型的な5バックのチームです。
基本の最終ライン5枚から、ひとりまたひとりと、前線に上がっていきます。
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9日の日本代表の試合でも3バックが試されるようだとの報道がありますが、 森保ジャパンの3バック?は、まだ発展途上のシステムです。
おそらくは今後も試行錯誤しながら変化していくはずです。
3バック傾向となるか?5バック傾向になるか?
試合では、そういうものも注目しながら見ていくのも、きっと楽しいのではないかと思います。
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