【エッセイ】弾むボール、弾まないボール | 【ブログ】神の一手

【ブログ】神の一手

ただいま暴走中~~ m(_ _ )m

気を取り直して今回はエッセイです。

タイトルは、

「弾むボール、弾まないボール」です。

ボールを使うスポーツは、いろいろあります。サッカーもボールを使います。野球も使います。

そして、卓球もピンポン玉ですが、これもボールです。


これらのボールを使う競技では、ボールの弾み方一つで「スポーツそのものが変わることがある。」ってご存知ですか?。


おそらく、最も有名なものと言えば野球でしょうか?。

統一球問題というものを聞いたことがあるかと思います。

野球では、使用できるボールについて規格があるのですが、その規格内のボールであっても、 飛ぶボール、飛ばないボールというものが、統一球ルールが出来る前には、存在していました。

こういう話があります。

ある球団の打撃練習の時、たまたまボールが届かなかったので、相手チームの練習球を借りて打撃練習をさせてもらったのだそうです。 すると当たり損ねの打球が、ポンポンスタンドまで飛んで行ってびっくりしたというような話が(報道で)伝えられたことがあります。

同じ規格内でも、まるっきり弾み方が違ったそうです。
※製造メーカー違いです。

さて、このボールを借りたチームですが、実は西武ライオンズ。貸したチームは近鉄バッファローズです。

この頃の西武は、投手力主体のチームで投手防御率が高く守備力の高いチームカラーからを誇っており1点差を逃げ切るのを得意としていました。

そして、他方、近鉄バッファローズと言えば、いてまえ打線が売りの打撃のチームです。投手が打たれようとも、それ以上に打ち勝つ打線が特徴です。


このことを、どう理解すれば良いかと言えば、

飛ばないボールであれば、投手の投げるボールに球威がなくともコントロールよく投げていれば、それほど失点することはないということを意味していますし、

反対に飛ぶボールであれば、とにかくバットに当たらないようにスピードや球威がないと、当たり損ねでもヒットやホームランになってしまうということを意味します。

この西武、近鉄の両球団は、まったく異なる野球をしましたが、ボールの弾み方の差は、それくらい野球の本質に影響を与えるのです。


さて、次は、卓球の話をしましょうか。

卓球もおそらくは、ボールの反発力が変われば、球技自体がまるっきり変わるスポーツと思われます。

卓球の方は、野球と違って統一球問題と言ったようなものはありませんが、 もし、現在のピンポン玉より弾み方が少ないボールが使われるようになったとしたら、

卓球は、今とは、ずいぶんと変わったものになるでしょう。


まず考えられるのが「カットマン」の復活です。

卓球のスタイルには「カットマン」というスタイルがあります。 現在では、次第に廃れているスタイルなのですが、ボールに逆回転を与えて守備的に粘り強くラリーを続けるという戦法です。

スタイル自体は、古くからある伝統的な戦法で、以前は、男子でも女子でも、強豪校ならば必ず1チームに1人は、存在していたスタイルですが、もうずいぶん前から男子では、ほぼ壊滅になっていると思います。

これには、理由があって現在の卓球が用具の進歩と共にスピードとパワーが前面に出る競技へと変化していることが挙げられます。

男子に比べてパワー不足の女子の方には、現在でもカットマンは残っていますが、パワーとスピードが主体となる男子卓球では先ほども書いたように壊滅です。

しかし、もし、ボールが弾まないようになれば、スピードの優位性が薄れカットマンが再び増えてくることでしょう。

ボールの弾み方は、球技の本質に影響を与えることは珍しくありません。


最後は、サッカーです。

実は、現在開催中のアジア杯では、ボールがずいぶん弾むという話が伝えられています。

このボールの弾み方の違いは、サッカーにおいては、どのくらい競技に影響をあたえるものなのでしょうか?。

一般的には、ボールが弾むようになると、よりスピードのあるボールが、野球だと打てたり、サッカーだと蹴れたり出来るようになります。
「それは良い。」と思うかもしれませんが、ちょっと触っただけで飛んで行ってしまうような感覚になりボールの扱いは、反対に難しくなります。

そのため、他の競技の例からもわかるように、これまでおこなわれていたサッカーの中からボールに合うサッカー、合わないサッカーというものが、生まれてくるはずです。

もちろん、ボールがどの程度弾むかによって影響を与える程度は異なるでしょうが、ともかくは、そういう状況が予想されます。

問題は、どんなサッカーに向くボールなのか?ということになるかと思いますが、

どうも、ここ2試合の日本代表のサッカーを見ていると、あまり日本スタイルに合うボールには、見えてこないなぁって思うのです。


 
当サイトの名物記事一覧
【エッセイ】